■臨時情報-ウクライナ情勢
射程100kmのペトリオットミサイルはロシア製S-500など射程400kmの地対空ミサイルに対して見劣りすると考えられていましたが、違いました。
ウクライナ空軍はNATOより供与されたペトリオットミサイルにより、ロシア軍が攻撃に使用したキンジャール極超音速ミサイルの迎撃に成功したとのことです。これには驚きました、ロシア軍はキンジャールミサイルをマッハ10の極超音速兵器と位置づけており、アメリカのペトリオットミサイルなど既存の防空システムを突破できるとしていたからです。
キンジャール迎撃は5月4日、ウクライナの首都キエフ上空において実施されAFP通信などがウクライナ軍発表を引用する形で世界に報じています。Kh-47M2キンジャール、これは1987年締結のINF中距離核戦力全廃条約を受け、アメリカとロシアは陸上発射型ミサイルの射程について500kmから4500kmまでの射程の装備を全廃することとなりました。
イスカンデル戦術弾道弾などはINF全廃条約を意識し射程を500kmに抑えているのですが、キンジャールはこのイスカンデルミサイルを空中発射型に改修し、防空軍用に開発され高い上昇能力を持つMiG-31戦闘機により高高度から発射する事で射程を2000kmに延伸した装備です。発射高度が高くなる為落下速度も高くなりマッハ10に達するとされる。
ペトリオットミサイルで迎撃できた、これは率直な驚きでした。ペトリオットミサイルの供与は3月以降、部隊運用が開始されたのは4月となっています。そしてこのキンジャールミサイル、ウクライナ軍が装備するS-300地対空ミサイルでは迎撃できていません。キンジャールが最初に投入されたのは2022年3月18日、ウクライナ西部攻撃の際です。
ウクライナ西部イヴァーノフランキーウシク州にある弾薬補給処の地下弾薬庫に対して使用、落下速度を活かして地中貫通爆弾のような威力を発揮し、開戦間もない混乱の状況でウクライナ軍の貴重な弾薬備蓄を破壊したとされます。今回の迎撃成功が事実であれば、ペトリオットミサイルは長射程のロシア製S-300よりも迎撃能力が高い事となります。
キンジャールミサイルについては性能が誇大発表されている疑惑などがありましたが、これまで迎撃できなかったものがペトリオットミサイルにより迎撃できたこととなります。これは同時に極超音速兵器が初めて迎撃に成功した事を示し、ロシアのS-300やS-500など射程が400kmに達する地対空ミサイルが開発されるなかで、ペトリオットは存在感を示しました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
射程100kmのペトリオットミサイルはロシア製S-500など射程400kmの地対空ミサイルに対して見劣りすると考えられていましたが、違いました。
ウクライナ空軍はNATOより供与されたペトリオットミサイルにより、ロシア軍が攻撃に使用したキンジャール極超音速ミサイルの迎撃に成功したとのことです。これには驚きました、ロシア軍はキンジャールミサイルをマッハ10の極超音速兵器と位置づけており、アメリカのペトリオットミサイルなど既存の防空システムを突破できるとしていたからです。
キンジャール迎撃は5月4日、ウクライナの首都キエフ上空において実施されAFP通信などがウクライナ軍発表を引用する形で世界に報じています。Kh-47M2キンジャール、これは1987年締結のINF中距離核戦力全廃条約を受け、アメリカとロシアは陸上発射型ミサイルの射程について500kmから4500kmまでの射程の装備を全廃することとなりました。
イスカンデル戦術弾道弾などはINF全廃条約を意識し射程を500kmに抑えているのですが、キンジャールはこのイスカンデルミサイルを空中発射型に改修し、防空軍用に開発され高い上昇能力を持つMiG-31戦闘機により高高度から発射する事で射程を2000kmに延伸した装備です。発射高度が高くなる為落下速度も高くなりマッハ10に達するとされる。
ペトリオットミサイルで迎撃できた、これは率直な驚きでした。ペトリオットミサイルの供与は3月以降、部隊運用が開始されたのは4月となっています。そしてこのキンジャールミサイル、ウクライナ軍が装備するS-300地対空ミサイルでは迎撃できていません。キンジャールが最初に投入されたのは2022年3月18日、ウクライナ西部攻撃の際です。
ウクライナ西部イヴァーノフランキーウシク州にある弾薬補給処の地下弾薬庫に対して使用、落下速度を活かして地中貫通爆弾のような威力を発揮し、開戦間もない混乱の状況でウクライナ軍の貴重な弾薬備蓄を破壊したとされます。今回の迎撃成功が事実であれば、ペトリオットミサイルは長射程のロシア製S-300よりも迎撃能力が高い事となります。
キンジャールミサイルについては性能が誇大発表されている疑惑などがありましたが、これまで迎撃できなかったものがペトリオットミサイルにより迎撃できたこととなります。これは同時に極超音速兵器が初めて迎撃に成功した事を示し、ロシアのS-300やS-500など射程が400kmに達する地対空ミサイルが開発されるなかで、ペトリオットは存在感を示しました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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