◆イエメン危機に安保理決議
イエメン情勢が緊迫しています。反政府武装勢力が首都サヌア市内を掌握しました。
現在、我が国ではイエメンでの情勢変化に対して邦人救出などの具体任務は発動されていませんが、反体制派のイスラム教シーア派の武装勢力が首都サヌアを掌握して政権を崩壊させ治安維持が困難な状況となったことを受け、外務省は15日に日本大使館の一時閉鎖を決定、大使を含む職員5人を国外に退避させ、カタールの首都ドーハに置かれた日本大使館に機能を一時移転させました。
外務省は既にイエメン全土に最高度の危険情報にあたる退避勧告を出していますが、イスラム系武装勢力の攻勢により治安機構が政権と共に武装勢力により崩壊させられている状況から、外国人を目標とした襲撃事件や誘拐事件が発生しており、非常に危険な状況となっています。
イエメンの事実上の内戦状態はイエメン北部を拠点にするイスラム教シーア派の武装勢力が展開しているもので、旧政府側の残存機構は、まだシーア派武装勢力の攻撃が及んでいないイエメン南部に拠点を移したうえで、首都を占拠するシーア派武装勢力を批判し、首都の占拠状態を解除し降伏武装解除を求めると共に、国際社会への介入などの協力を要請しました。
この動きに対し、サウジアラビアを筆頭とする中東諸国のGCC湾岸協力会議は14日に緊急外相会議を開き、必要であれば軍事介入を行う準備を進める決議を出しています。これをうけ、15日、国連安全保障理事会にて緊急開合が開かれイエメン情勢の安定を求める決議が全会一致で採択、シーア派武装勢力へ、首都の部隊を撤退、国連仲介のもとでの和平交渉に応じる要求を出しましたが、首都を占拠するシーア派武装勢力はいかなる脅しにも屈しないとして徹底抗戦の構え。
サウジアラビアを筆頭にペルシャ湾岸諸国は軍事介入の必要性を示唆しており、有志連合を組み介入の選択肢が採られる可能性は充分あるでしょう。イエメンでは首都制圧のシーア派武装勢力への抗議デモが既にイエメン各地で展開しており、一部ではシーア派武装勢力と民兵部隊との間での戦闘も起きるなど事態は国家崩壊という状況に陥っています。
中東ではISILのシリアイラクでの攻勢に加えてリビア国内でのエジプト国民虐殺事件に端を発するエジプト空軍のリビア空爆により戦端が開かれ、ISILに影響した可能性が指摘されている若者による北欧デンマークでの表現自由賛同集会への襲撃とユダヤ教施設への銃乱射事件等所謂過激主義が広がりつつあり、こうした中でイエメンにて新しい火種が大火となりつつある危機が進展中のようです。
現時点で我が国は静観の構えではありますが、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故以後原子力発電が政策により停滞する状況下にて我が国は中東湾岸地域等を筆頭に石油資源及び天然ガス資源確保を重視しており、当該地域及び周辺地域での活動も活性化していることから、巻き込まれる可能性は少なくなく、重大な関心と万一の際の邦人救出を念頭に見てゆく必要があるでしょう。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
イエメン情勢が緊迫しています。反政府武装勢力が首都サヌア市内を掌握しました。
現在、我が国ではイエメンでの情勢変化に対して邦人救出などの具体任務は発動されていませんが、反体制派のイスラム教シーア派の武装勢力が首都サヌアを掌握して政権を崩壊させ治安維持が困難な状況となったことを受け、外務省は15日に日本大使館の一時閉鎖を決定、大使を含む職員5人を国外に退避させ、カタールの首都ドーハに置かれた日本大使館に機能を一時移転させました。
外務省は既にイエメン全土に最高度の危険情報にあたる退避勧告を出していますが、イスラム系武装勢力の攻勢により治安機構が政権と共に武装勢力により崩壊させられている状況から、外国人を目標とした襲撃事件や誘拐事件が発生しており、非常に危険な状況となっています。
イエメンの事実上の内戦状態はイエメン北部を拠点にするイスラム教シーア派の武装勢力が展開しているもので、旧政府側の残存機構は、まだシーア派武装勢力の攻撃が及んでいないイエメン南部に拠点を移したうえで、首都を占拠するシーア派武装勢力を批判し、首都の占拠状態を解除し降伏武装解除を求めると共に、国際社会への介入などの協力を要請しました。
この動きに対し、サウジアラビアを筆頭とする中東諸国のGCC湾岸協力会議は14日に緊急外相会議を開き、必要であれば軍事介入を行う準備を進める決議を出しています。これをうけ、15日、国連安全保障理事会にて緊急開合が開かれイエメン情勢の安定を求める決議が全会一致で採択、シーア派武装勢力へ、首都の部隊を撤退、国連仲介のもとでの和平交渉に応じる要求を出しましたが、首都を占拠するシーア派武装勢力はいかなる脅しにも屈しないとして徹底抗戦の構え。
サウジアラビアを筆頭にペルシャ湾岸諸国は軍事介入の必要性を示唆しており、有志連合を組み介入の選択肢が採られる可能性は充分あるでしょう。イエメンでは首都制圧のシーア派武装勢力への抗議デモが既にイエメン各地で展開しており、一部ではシーア派武装勢力と民兵部隊との間での戦闘も起きるなど事態は国家崩壊という状況に陥っています。
中東ではISILのシリアイラクでの攻勢に加えてリビア国内でのエジプト国民虐殺事件に端を発するエジプト空軍のリビア空爆により戦端が開かれ、ISILに影響した可能性が指摘されている若者による北欧デンマークでの表現自由賛同集会への襲撃とユダヤ教施設への銃乱射事件等所謂過激主義が広がりつつあり、こうした中でイエメンにて新しい火種が大火となりつつある危機が進展中のようです。
現時点で我が国は静観の構えではありますが、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故以後原子力発電が政策により停滞する状況下にて我が国は中東湾岸地域等を筆頭に石油資源及び天然ガス資源確保を重視しており、当該地域及び周辺地域での活動も活性化していることから、巻き込まれる可能性は少なくなく、重大な関心と万一の際の邦人救出を念頭に見てゆく必要があるでしょう。
北大路機関:はるな
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サウジ、アメリカいろいろな要素、思惑があるようですけど。