北大路機関

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【土曜詳報】キャンプ富士日米友好祭二〇一六(2)LAV-25軽装甲車内部公開(2016-05-07)

2020-06-20 20:08:16 | 在日米軍
■日米装甲偵察車輛比較
 gooブログのタグですが何故か”在日米軍”が差別用語なのかエラーが出る為に”駐留米軍”としています、”進駐軍”の方がいいのかな。

 87式偵察警戒車とLAV-25軽装甲車、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の車両で設計は日本製とスイス製、しかし共通点は共に偵察用車両で25mm機関砲を搭載している点です。LAV-25のほうが砲塔が小型で海兵6名が下車戦闘可能、87式には2名の斥候員が下車展開可能だ。

 LAV-25は最も関心ある装備で、アメリカ海兵隊が装備する装備の中でこの他に興味あるものと云えばM-1A1戦車が挙げられるのですが、沖縄の第3海兵師団や第3海兵遠征軍には戦車はなく、アメリカ本土の第1海兵師団や第2海兵師団しか有していません、残念だ。

 LAV-25を見上げる。LAV-25は全長6.39mと全高2.69mに全幅2.50mで重量12.8t、25の名の通りブッシュマスター25mm機関砲を搭載しています、興味深いことに車幅は日本の道路運送車両法車両限界の2.5m以内に、仮に自衛隊が採用しても普通車として用いうる。

 LAV-25を正面左側から。LAV-25は4倍と8倍と12倍の切り替え式照準装置を有していまして、2000mでの正確な対装甲車両射撃が可能です。機動力が高く、湾岸戦争では夜間にT-55戦車の側面に回り込み25mm機関砲の集中射撃で10発以上命中させ破壊したことも。

 LAV-25車内、背中合わせの戦闘室と塞がれた銃眼に後部扉防弾ガラスが。もともとは乗車戦闘を想定して銃眼を有していましたが、防御力強化のために増加装甲を設置した際、銃眼は塞がれてしまいました。車内配置はその名残、89式装甲戦闘車と同じ背中合わせ。

 LAV-25の25mm機関砲塔、機関砲はM242ブッシュマスターで630発の機関砲弾を搭載、米軍ではM-2A3装甲戦闘車やイージス艦艦上の近接火器としても搭載され射程は3000m、M-791-APDS弾やM-792焼夷榴弾を運用、最新の装甲戦闘車正面装甲相手には厳しい。

 LAV-25戦闘室を真後ろから、車体側面には25mm追加防弾板が。LAV-25A2として近代化改修されたもので、原型の砲塔微光暗視装置の熱戦暗視装置への換装や砲塔駆動の油圧式から電気駆動式へ、また車内自動消火装置の追加と増加装甲の装着を行いました。

 LAV-25戦闘室に入り銃眼の塞がれた外側を眺める、狭い、のですが小型だ、アメリカ陸軍はこのLAV-25の原型ピラニアⅠの改良型ピラニアⅢをストライカーとして採用しましたが車幅が増大しC-17輸送機に2両しか搭載できません、LAV-25ならば5両搭載できる。

 LAV-25機関砲塔の照準装置、砲塔はデルコ社製でLAV-25は油圧駆動装置搭載の初期には機関砲は安定化されていませんでしたが、電気式駆動装置へ転換した後には二軸砲安定装置を追加され行進間射撃も可能になった。即応弾は210発、車体に予備弾420発を積む。

 LAV-M自走迫撃砲と上に立つ海兵が車体の大きさを知らしめる。車体形状や前照灯に古さを感じさせるものですがその通りで、原型のピラーニャがスイスモワク社により開発されたのは1972年、1974年に六輪駆動と八輪駆動の基本形が完成しましたが、すぐにⅡ型へ。

 LAV-M自走迫撃砲を同じ角度から。詳しくは後述しますが海兵隊はLAVシリーズにより軽装甲偵察中隊を構成しています。他方で81mm迫撃砲では火力不十分として120mm迫撃砲を無理に搭載したLAV-EFSSの試作も進むが、迫撃砲の費用高騰が問題となりました。

 EFSS120mm迫撃砲を正面から。EFSSとは遠征火力支援システムの略称で緊急展開を旨とする海兵隊は155mm榴弾砲さえ重い、故にMV-22可動翼機でも輸送可能な最高度の火力としてフランストムソン社製120mmRT重迫撃砲をM-327として採用しました。

 グロウラーM-1163重迫撃砲牽引車、グロウラーはMV-22に搭載可能な車両として開発されたもので、グロウラーマニュファクチュアリング社により製造、なにしろMV-22はジープことM-151も搭載出来ず、特注車を調達する事となり、一両10万ドルともなりました。

 グロウラーM-1163と弾薬トレーラ。EFSSはMV-22可動翼機により輸送できる車両に最大の火力を搭載するというものでしたが、MV-22ではM-327とM-1163を搭載すると弾薬を搭載する余裕はなく、もう一機MV-22と一両M-1163を準備し砲弾28発を輸送します。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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