北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ベラルーシ軍ヘリコプター編隊ポーランド領空侵犯とロシア軍第25諸兵科連合軍新編

2023-08-06 07:00:29 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 本日は広島原爆慰霊の日なのですがウクライナ情勢はポーランドベラルーシ国境の緊張増大など、戦術核兵器を並べた上での火種が燻る。同様の挑発を日本が仕掛けられた場合はどう対応すべきか。

 ベラルーシ軍ヘリコプターがポーランドを領空侵犯しました。8月1日、Mi-24ハインド攻撃ヘリコプターに護衛されたMi-17ヒップ中型輸送ヘリコプターが低空でポーランドのベラルーシ国境にほど近いビャウォヴィエジャ国立公園上空を領空侵犯、レーダーを避けるためにか低空を飛行しており、地上から領空侵犯の様子が撮影されています。

 飛行経路は国境付近において意図的にポーランド側に旋回し領空侵犯した事がレーダー飛行経路により判明しており、事故による偶発的な国境線越えではなく意図的な領空侵犯という挑発行為であることが見て取れます。ベラルーシにはロシア軍戦術核兵器が搬入されており、ポーランドによる攻撃が行われれば核兵器使用を示唆し緊張が高まっている。

 領空侵犯が行われた経緯は不明ですが、ウクライナへのNATO軍事援助の多くは隣国ポーランドから陸路により搬入、ロシアは黒海を行き交う穀物輸送船に兵器が隠されていると主張しますが、ポーランドとベラルーシの緊張関係を高める事でNATOのウクライナ援助を妨害する意思が考えられ、NATOは国境での偽旗作戦を警戒しています。
■第25諸兵科連合軍
 こうした部隊の立て直しの早さは自衛隊も参考とすべきなのでしょうか。

 ロシア軍は新たに第25諸兵科連合軍を新編した、イギリス国防省8月2日付ウクライナ戦況報告は発表しました。ロシア軍はウクライナでの大規模な損耗により地上戦力の枯渇に悩まされており、予備役兵の動員を行うとともに既存部隊の損耗補填や国境警備部隊の強化に充ててきたとされています、その結果、新しい部隊は新編出来ません。

 第25諸兵科連合軍は2023年6月ごろから新編計画に着手し、実現されたもので2022年8月に新編された第3軍団以来の大規模な部隊新編となります。常に多くの損耗が突き付けられる中で、ロシア軍はウクライナ前線において自由に投入できる予備部隊の払底に悩まされ、複雑な装備体系を包括装備する諸兵科連合軍新編は高い障壁でした。

 第3軍団は、しかし過去一年間の戦闘において大きな戦果を示せていないとされ、基幹要員さえ動員した予備役に頼り装備体系の枯渇も深刻となっていることを示しますが、同時にロシアはNATOとの対立激化に備え、新しい重戦力部隊のNATOとの境界線に配備する模索を続けており、この為には総動員大統領令が必要となる為、実現しません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【G3X速報】小松基地F-15日常... | トップ | 【京都発幕間旅情】榛名さん... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・政治」カテゴリの最新記事