北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

岐阜城 織田信長、天下布武への夢

2007-02-22 22:00:16 | 写真

■山頂の天守閣 岐阜城

 岐阜城は、鎌倉時代の1201年、鎌倉幕府の執事、二階堂山城守行政が東海地方の交通の要衝を押さえるべく、ここに砦を築いたとされるのが始まりとされる。

Img_5725  しかし、岐阜城が日本史において大きく取り上げられるのは、蝮の頃からである。斉藤道三が稲葉山城(現在の岐阜城)に入城したのが1539年であるが、その孫にあたる斉藤龍輿が織田信長との戦いに敗れると、1567年、織田信長は稲葉山城を岐阜城と改め、入城。その後、安土においても行う楽市楽座を拓き、西洋文化を保護したが、ポルトガルの宣教師であるルイスフロイスにより岐阜城は遠く西洋にも伝えられるようになったという。

 岐阜城は金華山の山頂にあり、その姿は遠く名古屋からも望見出来る(名古屋城から見えた)。山城ということからも解るように、その山道は限られていることから文字通り難攻不落とされ、実戦性の高さからも“天下布武”という織田信長の野望を最も端的に示した城郭ともいえる。

Img_5703  岐阜城へは、岐阜駅から徒歩で30分ほどの岐阜公園を基点とし、徒歩でも金華山までは一時間ほどとのことであるが、近傍の山道が整備中とのことで、この他荷物もあった為、最も手軽なロープウェイを用いて登った。岐阜公園から運行しているロープウェイは往復1050円とのことであるが、下りは30~40分とのことで、片道だけ購入することも出来るという。ちなみに片道の場合は600円である(阪急で河原町~三宮間が600円ですな)。

Img_5720  山頂まで五分とかからず到着する。金華山は300㍍強の山であるが、途中見える岩肌はその地質を思わせ、斜面も急である。ロープウェイ終点から岐阜城天守閣までは七分と書かれていたが、幾つかの門を経て岐阜城天守閣の見えるところにたどり着く。写真では銃眼を穿つ白壁が門を囲んでいるが、実際の岐阜城はどうであったのだろうか。実際は、というのも、歴史では1600年の関ヶ原の戦いにおいて城主織田秀信が西軍についたことで攻撃され、福島正則、池田輝政の攻撃により落城している。

Img_5819  1601年、岐阜城は廃城ということになり、天守閣や櫓は取り壊されて加納城に移築されたという。加納とは、名鉄岐阜駅の次に加納駅というのがあり、その近さを感じさせるが、茶所駅勾配を曲がる列車や名鉄岐阜を出ての勾配を曲がるパノラマカーの撮影スポットとして有名、城下町として栄えた街並との事である(ちなみに、加納城跡は戦後一時期、自衛隊の分屯地となり、第十混成団隷下の無反動砲小隊などが駐屯していたらしい)。

Img_5806  廃城となってから、江戸時代には金華山の山頂には城郭は無かったが、明治時代に入ってより再び金華山に天守閣をとの機運が高まり、1910年に木造の模擬天守閣が建築された。しかし、1943年に火災で焼失してしまった。1956年に市民の熱意に動かされる形で浄財が集まり、安土桃山時代の天守閣を模した現在の三層四階の天守閣が再建され、1997年には大改修を行い今に至る。したがって、城郭以外の様々な建造物は織田信長の時代とは大きく異なっていることもあり、興味は尽きない。

Img_5731  岐阜城天守閣より名古屋方面を見る、逆光である。

 名古屋城から岐阜城が見えた以上、ここからも名古屋駅周辺や名古屋城、テレビ塔などが見えるはずである。恐らく逆光の時間帯を除いた早朝や夕刻には見えるはずである。ロープウェイの運行時間外においても登山は自由であり、名古屋の夜景なども天候次第では望見出来るであろう。

Img_5751  方向を変えて岐阜基地。案外近いのが解る。55㍉広角レンズであってもこの通りであり、トリミングすれば滑走路脇に待機する消防車なども確認できた。300㍉望遠の持ち合わせが無かったので空中給油機などの大型機は此処から見えるであろう、C-Xの格納庫もしっかりと確認できた。500㍉望遠があれば、かなり写るのではなかろうか。航空祭予行などでは、スモークなどが映えるブルーインパルスの飛行展示をここから撮影するというのも一興かもしれない。

Img_5746  方向を変えて長良川を見る。そのふもとでは県警航空隊のベル212が訓練を展開していた。

 長良川には様々な橋梁が掛けられているが、手前から三つ目が鉄道ファンの聖地の一つ、名古屋鉄道岐阜市内線が走っていた橋である。大正時代の510形が2000年まで運行されていたということで、それ以前には同じく大正時代の2320形が運行されていた黒野線などがあった。

Img_5833  山頂には展望レストランやリス園がある。岐阜城天守閣の入場券は200円であったが、中には様々な展示品があり興味は尽きないが時間は尽きる、再びロープウェイにて下山、聳える天守閣の威容を望む。岐阜といえば、航空の街(かつては繊維の街)との印象もあるが、こうした名所もあると認識を新たにした。

HARUNA

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