■臨時情報-ウクライナ情勢
ウクライナ東部ではウクライナ軍が劇的な反撃を成功させている模様です。しかしロシア軍ウクライナ侵攻を受け衝撃を受けた北欧諸国のNATO加盟への動きが新しい波紋を広げている。

スウェーデンとフィンランドのNATO加盟交渉開始をロシアのリャブコフ外務次官が強くけん制しました、これは16日に、両国のNATO加盟申請をロシアが看過するという幻想を抱くべきではない、と発言したもので、その具体例として、両国の安全保障が強化される事は無い、という軍事的恫喝を含む発言です。まだ具体的な軍事行動はありません。

フィンランドが事実上の加盟申請を行った事に対して、スウェーデン国内では仮にスウェーデンだけが中立政策を維持しNATO加盟申請を見送った場合には北欧では唯一NATOに加盟しない軍事的空白が生じるとして、NATO加盟を支持する声はあるようです。ただ、フィンランド国内ではNATOの共通作戦運用への危惧を示すなど一枚岩でもないようです。

CNN報道によればイギリス国防省の分析として、“ロシア軍はウクライナ侵攻時の地上戦力の内、三分の一を失った”可能性があるとのこと。ロシア軍は開戦当初に、首都キエフと東部第二都市ハリコフにロシア系住民の多いドンバス地方と南部要港オデッサを、ほぼ同一兵力で分散して狙う稚拙な戦略で大敗し、ドンバス地方へ再攻撃を行っていました。

BTG大隊戦術群、ロシア軍は歩兵2個中隊からなる大隊を中心にその支援へ戦車中隊と3個砲兵中隊を加えた作戦単位を基幹として任務に当りますが、今回ロシア軍はウクライナ侵攻へ100個BTGを投入したもよう、これが既に30個以上のBTGが作戦能力を喪失しているとのこと。これも各々均一に歩兵や補給部隊を失い機能不随に陥っているかたち。

三分の一の喪失は、通常軍事行動では攻撃と補助攻撃に予備隊と三体系を以て攻撃を行う為、その損耗率となった場合は二体系しか攻撃衝力を維持できなくなるために再編成しなければならないとされる数字です。この為、イギリス国防省は“今後30日間でロシア軍が大きな攻勢に出られる可能性が低くなった”と分析、ウクライナ軍防衛は成功しています。

ウクライナ国防省はハリコフ市で知られるハルキウ州全体で反撃に成功し、ウクライナ軍第127旅団がロシア軍をロシアウクライナ国境まで押し戻したとのことです。これは15日夜に発表されたもので、ウクライナ国防省の公開画像にはロシアウクライナ国境を示す境界線の前に立つウクライナ軍部隊が大統領府へ反撃成功を報告する様子が含まれている。

ハリコフ正面からロシア軍が後退していましたが、拘束部隊として当初はロシア軍が後退の際に遅滞行動を執りウクライナ軍のドンバス方面転進を阻止する目的があるようにも考えられましたが実際には潰走していたもので、国境まで押し戻すには驚くほどに短期間で実現した事となります。今後ウクライナ軍はドンバスへ兵力を集中が可能となるでしょう。

架橋装備の不足、ロシア軍の行動が大きく遅れている背景には余りにBTG大隊戦術群へ戦力を標準化しすぎ、架橋装備のような建設工兵装備を充分に戦術へ内部化できなかった事が挙げられるのかもしれません。これはロシア軍がウクライナ東部ルガンスク州ビロホリウカ近郊において実施した渡河作戦が大失敗し、70両の戦車や装甲車両を喪失した例が。

ルガンスク州ビロホリウカ近郊の渡河作戦はロシア軍の渡河点をウクライナ軍が事前に予測し、一定規模の部隊が渡河完了した頃合いに砲兵火力を集中し圧倒殲滅したもので、この殲滅戦により架橋装備ほかBTGほぼ一個丸々消滅した事となります。BTGを主体とした訓練では渡河より渡渉に留まり、大河を渡る運用体系が省略された可能性があるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
ウクライナ東部ではウクライナ軍が劇的な反撃を成功させている模様です。しかしロシア軍ウクライナ侵攻を受け衝撃を受けた北欧諸国のNATO加盟への動きが新しい波紋を広げている。

スウェーデンとフィンランドのNATO加盟交渉開始をロシアのリャブコフ外務次官が強くけん制しました、これは16日に、両国のNATO加盟申請をロシアが看過するという幻想を抱くべきではない、と発言したもので、その具体例として、両国の安全保障が強化される事は無い、という軍事的恫喝を含む発言です。まだ具体的な軍事行動はありません。

フィンランドが事実上の加盟申請を行った事に対して、スウェーデン国内では仮にスウェーデンだけが中立政策を維持しNATO加盟申請を見送った場合には北欧では唯一NATOに加盟しない軍事的空白が生じるとして、NATO加盟を支持する声はあるようです。ただ、フィンランド国内ではNATOの共通作戦運用への危惧を示すなど一枚岩でもないようです。

CNN報道によればイギリス国防省の分析として、“ロシア軍はウクライナ侵攻時の地上戦力の内、三分の一を失った”可能性があるとのこと。ロシア軍は開戦当初に、首都キエフと東部第二都市ハリコフにロシア系住民の多いドンバス地方と南部要港オデッサを、ほぼ同一兵力で分散して狙う稚拙な戦略で大敗し、ドンバス地方へ再攻撃を行っていました。

BTG大隊戦術群、ロシア軍は歩兵2個中隊からなる大隊を中心にその支援へ戦車中隊と3個砲兵中隊を加えた作戦単位を基幹として任務に当りますが、今回ロシア軍はウクライナ侵攻へ100個BTGを投入したもよう、これが既に30個以上のBTGが作戦能力を喪失しているとのこと。これも各々均一に歩兵や補給部隊を失い機能不随に陥っているかたち。

三分の一の喪失は、通常軍事行動では攻撃と補助攻撃に予備隊と三体系を以て攻撃を行う為、その損耗率となった場合は二体系しか攻撃衝力を維持できなくなるために再編成しなければならないとされる数字です。この為、イギリス国防省は“今後30日間でロシア軍が大きな攻勢に出られる可能性が低くなった”と分析、ウクライナ軍防衛は成功しています。

ウクライナ国防省はハリコフ市で知られるハルキウ州全体で反撃に成功し、ウクライナ軍第127旅団がロシア軍をロシアウクライナ国境まで押し戻したとのことです。これは15日夜に発表されたもので、ウクライナ国防省の公開画像にはロシアウクライナ国境を示す境界線の前に立つウクライナ軍部隊が大統領府へ反撃成功を報告する様子が含まれている。

ハリコフ正面からロシア軍が後退していましたが、拘束部隊として当初はロシア軍が後退の際に遅滞行動を執りウクライナ軍のドンバス方面転進を阻止する目的があるようにも考えられましたが実際には潰走していたもので、国境まで押し戻すには驚くほどに短期間で実現した事となります。今後ウクライナ軍はドンバスへ兵力を集中が可能となるでしょう。

架橋装備の不足、ロシア軍の行動が大きく遅れている背景には余りにBTG大隊戦術群へ戦力を標準化しすぎ、架橋装備のような建設工兵装備を充分に戦術へ内部化できなかった事が挙げられるのかもしれません。これはロシア軍がウクライナ東部ルガンスク州ビロホリウカ近郊において実施した渡河作戦が大失敗し、70両の戦車や装甲車両を喪失した例が。

ルガンスク州ビロホリウカ近郊の渡河作戦はロシア軍の渡河点をウクライナ軍が事前に予測し、一定規模の部隊が渡河完了した頃合いに砲兵火力を集中し圧倒殲滅したもので、この殲滅戦により架橋装備ほかBTGほぼ一個丸々消滅した事となります。BTGを主体とした訓練では渡河より渡渉に留まり、大河を渡る運用体系が省略された可能性があるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)