北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

新しい88艦隊と反撃能力整備【5】ラジカルに平和を考える-敵意を突き付け過ぎないヘリコプター搭載護衛艦

2023-08-19 20:10:44 | 北大路機関特別企画
■大西洋と新しい88艦隊
 ロシアウクライナ戦争が無ければこうした主張を展開する事は無かったでしょうし、今ほど台湾海峡有事が台湾有事となる事への世界の警戒感も無かったかもしれません。

 新しい88艦隊としてヘリコプター搭載護衛艦の8隻態勢を確立できるならば、隔年で大西洋方面へF-35Bを搭載した有力な艦隊を派遣することが可能です。ヘリコプター搭載護衛艦とイージス艦に2隻の汎用護衛艦、こうした規模の部隊がイギリスやノーフォークや北欧諸国に定期的に親善訪問しインド洋には常駐する事が可能、大きなポテンシャルとなる。

 ロシアがこれをどう受け止めるかは別問題です。いや、もしウクライナ戦争が停戦し終戦協定まで進み、ウクライナと和解する未来があるならば、かつてロシア海軍は何度も太平洋艦隊旗艦のミサイル巡洋艦ワリャーグを親善訪問に派遣してくれましたから、日本もリバウ基地を親善訪問する未来はくるのかもしれません。しかし未来にはその逆もあり得る。

 北海道にロシア軍が上陸することなどキエフを陥落さえさせられないロシア軍にはあり得ない、という主張はありますが冷戦時代のような圧倒的な軍事力をロシア軍が既に保持していない時代においては説得力があります、しかし問題は、イエメンのフーシ派がサウジアラビアやアラブ首長国連邦などに行う様な自爆型無人機をロシアが注力するということ。

 使わせないようにするには、ロシアの国家指導部が戦争以外の選択肢を考えるようになるほかありません、この為に、大西洋上に展開できるポテンシャル、いやもう少し進んだプレゼンスという視点から、ヘリコプター搭載護衛艦を挙げました。ヘリコプター搭載護衛艦を航空母艦と受け止めるかは相手次第、日本側は敢えて大きなDD,駆逐艦で通したい。

 ロシアがどう受け止めるのか、脅威として認識するならば抑止力となりますが、任務は親善訪問と、また欧州各国が日本へ航空母艦を何度も派遣してくれるとともに極東地域にプレゼンスを公使してくれるのですから、その返礼的な意味も含めて重要です、こうしたものは相互主義で成り立つ、幸い日本はそのための造船力と経済力、手段があるのだから。

 ウォーデンレッグ作戦という、PLOの爆弾テロに悩まされるイスラエルが1985年に実施したPLO本部爆撃作戦がありました、これは今考えても驚くのですがイスラエルは2500km離れたチュニジアのチュニスにあるPLO本部をF-15で空爆したものです。当時戦闘爆撃機型のF-15Eは配備されておらず、制空戦闘機のF-15に爆弾を搭載し実施した。

 PLOトップの無力化には失敗しましたが、チュニスでもイスラエルの手は届くということを明白に示すこととなりPLOに衝撃を与えました。イスラエルは国際的非難にさらされていますが、PLOのアラファト議長には爆弾テロに代えて中東和平を模索させることとなり8年後にノーベル平和賞級のイスラエルとの和平合意へつながる遠因となっています。

 F-35は日本上空を探知されずに飛行可能だ、こう数年前に当時のトランプ大統領が発言し、ホワイトハウス広報が大慌てで火消しに走り回る一幕がありました。これは冗談での所謂放言ですが、ロシアにとりF-35Bのステルス性能は一つの不確定要素となる。必要ならば日本版ウォーデンレッグ作戦が可能、少なくとも能力を有する、と思わせる事が重要だ。

 トマホークミサイル搭載のコロンビア級戦略ミサイル原潜を購入し北極海に遊弋させた方がバレンツ海からモスクワを叩く方が、モスクワに近い分有用ではないか、こうした反論はあるかもしれません。つまり、ヘリコプター搭載護衛艦は最小限の数に抑えて、別の選択肢があるのではないか、という視点で先ずコロンビア級戦略ミサイル原潜を挙げました。

 VPNヴァージニアペイロードモジュールというVLS方式のトマホークランチャーがあり、これをヴァージニア級攻撃型原潜ですと3基しか搭載出来ませんがコロンビア級戦略ミサイル原潜に搭載したならば、96発のトマホークミサイルを投射可能となる。別に護衛艦に拘らずとも、日本本土から大陸間弾道弾を整備しても良いではないか、と反論はあり得る。

 ヘリコプター搭載護衛艦を敢えて推すのは、ヘリコプター搭載護衛艦は多機能艦であり、敵意を突き付け過ぎない、という利点がある点をここで強調します。明らかに用途が攻撃しか生まない装備を突き付ける事は、逆に対立を招きかねない。実際、ロシアウクライナ戦争は2022年に始まりましたが、そのはじまりはロシアとNATOとの対立でしたから。

 NATOとロシアはパートナーシップ協定を締結し、ロシア軍はその際にT-90に続く戦車として中古のレオパルド2A4を検討していましたし、T-72の後継にイタリアのチェンタウロをロシア国内でイヴェコ社の協力を受け評価試験さえしており、将来のNATO加盟も在り得ていました。そして1998年コソボPKOではロシア軍はNATOと協力関係にあった。

 ロシアウクライナ戦争に続く遠因となったのは、2007年のイランミサイル脅威に対応する東欧ミサイル防衛システム配備でした、これをロシアはロシアの戦術ミサイル無力化に繋がる脅威と認識した。NATOの東方拡大をロシアウクライナ戦争の要因と主張する自称識者もいますが、ロシア自身がNATOに接近したのだから、東欧諸国もこれに倣ったかたち。

 NATOにロシアが接近した際に将来のNATOロシア加盟さえ想定された1990年代末には、すると仮想敵国は日本になるのかい、と冗談が通じた時代ですが、ロシアがNATOに接近する様に東欧諸国もNATO加盟を希望し、その上でNATO加盟に必要な民主化を進め東欧諸国が加盟を実現、ロシアは権威主義体制とNATOの公序の違いから引いたに過ぎません。

 ヘリコプター搭載護衛艦は、対水上戦闘や戦力投射はもちろん、人道支援から平和維持活動まで幅広く運用できる、これは相手がどう解釈するかは別として、なんなら親善訪問で一般公開してもいい、敵意を突き付け過ぎないという利点があります。開戦を決意して準備するのではなく、将来の戦争を回避する為の抑止力を整備するならば、新しい88艦隊の大西洋展開はその選択肢だと考えるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】京福電鉄-嵐電,大宮から延伸すれば市営地下鉄と阪急電鉄にJR西日本と京阪電鉄という夢

2023-08-19 14:10:52 | コラム
■灼熱挟み討つ真夏の夢の昼
 真夏の最中に少しでも歩くと危険な熱さの道路から輻射熱と頭上の太陽熱に挟まれて思うのは夢のような話ですが、もう少し路線が伸びていたならなあ。

 嵐電の併用区間がもう少し伸びていたらなあ、四条大宮が始発駅となる嵐電を利用する際、どうしてもそんな事を考えてしまうのです。そう、ここから阪急は乗換えられるけれども、京都中心部から嵐山に行く際、阪急と嵐電を乗り継ぐ場合は初乗り料金が二回分という。

 阪急ならば当然、いったん桂駅まで出て嵐山線を利用する選択肢なのでしょうが、しかし阪急嵐山駅と嵐電嵐山とでは距離が有りまして、せめて阪急が渡月橋の手前まで伸びていればと思ってしまうのです。京阪沿線から嵐山というのは更に遠く、初乗りは三回分です。

 大宮駅から阪急が河原町まで延伸した際に、嵐電も四条通を京阪四条まで延伸していればなあ、と思うのだけれど、そうした場合は祇園祭の山鉾巡行の際に架線が問題になってしまうから無理だという事は分かるのですが。山鉾をレールに載せれば引くのは楽そうかな。

 京都市電四条線、私の生まれる遥か前に廃線になっているけれども、この四条線は祇園祭山鉾巡行に対応させるべく、片持ち式架線柱という、いまの四条通の信号機のように山鉾巡行の際には降ろして格納できる方式が採用され、巡行当日は運休にしていたという。

 嵐電が地下鉄と阪急と京阪を結ぶ路線になっていれば、と思うのは、1972年に京都市電が全廃になった時代の、増える一方の自動車という利便性重視の時代と、鉄道という環境負荷の少なさが重視されるようになった現代の世界の風潮との違いを思い浮かべるためです。

 四条通を伸びていれば、と考える一方で、いま京福電鉄がこれを行う経営体力なんてものは、場所が場所だけに不可能ですし、この区間を京都市交通局が路線整備し上下分離式で嵐電が乗り入れるというのも交通局自身の赤字により不可能でしょうが、現状不便ですよ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢-ベラルーシ国防省第6独立親衛機械化旅団国境地域へ前進と激戦地ザポリージャ州ロシア軍動静

2023-08-19 07:00:20 | 防衛・安全保障
■防衛情報ーウクライナ戦争
 自衛隊もロシア軍が沿海州や北方領土において演習を行う場合には対抗演習を実施し相手が演習を装って攻撃を加える事を警戒しています。

 ベラルーシ国防省は第6独立親衛機械化旅団をポーランド及びリトアニアとの国境地域へ前進させ演習を行う計画を発表した、8月11日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、ベラルーシ軍の行動は8月7日に発表されたもので、ベラルーシ国防省によれば予定される演習はロシア軍ウクライナ侵攻における戦訓を反映したものとしています。

 第6独立親衛機械化旅団について、イギリス国防省は第6独立親衛機械化旅団がポーランド及びリトアニア国境地域に平時より駐屯しており、前進させるという表現はベラルーシ国防省によるものであって実態は平時における演習と変化はないとしています。その背景にはロシア側の要望によりベラルーシ軍をNATOへの牽制に利用した可能性を指摘する。

 ポーランド及びリトアニアとの国境地域での演習について、イギリス国防省は可能性としてロシアよりベラルーシに移動している民間軍事会社ワグネルグループのアドバイザーが少数参加していると指摘しています。ベラルーシ軍はここ最近、ポーランド領空へのヘリコプター部隊領空侵犯など意図的な挑発行動を継続している点も留意すべきでしょう。
■ザポリージャ州
 ウクライナ軍の攻撃前進は南部で停滞する中、ドイツのラインメタル社などは旧式ですが稼働率が確実とされるレオパルド1などを多数供与する準備を進めており、これは世代的に74式戦車と同じなのですが戦争の長期化が予見されます。

 ロシア軍は空挺軍部隊をヘルソン州占領地からザポリージャ州オリキウ地区へ転進させた可能性が高い、8月12日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告が最新分析を公表しました。オリキウ地区はロシア軍第58諸兵科連合軍が占領中ですがウクライナ軍の反転攻勢を受け激戦となり、補給不足を訴えた軍司令官が解任されたことで知られている。

 第58諸兵科連合軍は既にかなりの損耗を強いられているようで、ウクライナ軍はこの地域においてドニエプル川を渡河、解任された軍司令官が損耗の激しい部隊の新部隊への交代も求めていました。第58諸兵科連合軍のなかでも第70自動車化狙撃連隊と第71自動車化狙撃連隊の損耗度が高く、転進した空挺軍はこれらの補填に充てられる見通し。

 ザポリージャ州オリキウ地区はウクライナ軍ドニエプル川渡河作戦の正面にあるとともに、ロシア軍が爆破したカホフカダムによる大規模洪水の影響から大量の地雷が散乱している状況でロシア軍自身の移動をも阻んでいる状況で、ウクライナ軍は軽歩兵部隊を主体とした水陸両用作戦を各所で展開し、また西岸地区からの長距離砲兵射撃を加えている。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和五年度八月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.08.19-2023.08.25)

2023-08-18 20:10:37 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 お盆休みは如何でしたでしょうか。今週末と来週にかけてまたまた自衛隊関連行事は盆踊りがいくつか行われますのでお盆が台風で大変だった方などは延長戦というのもよいかもしれません。

 今週末の自衛隊関連行事は、明日土曜日に松山駐屯地納涼祭、アメリカ海軍厚木基地盆踊り2023が執り行われます。そして24日木曜日には伊丹駐屯地川西駐屯地合同納涼夏祭り、同じく24日木曜日には愛知県の高蔵寺分屯基地にて盆踊り大会が予定されています。ただ、いわゆる駐屯地祭に当る行事ではありません、もしいかれる方は盆踊りを愉しもう。

 那覇基地サマーフェスタ2023、もう一つ25日金曜日にこんな行事が行われるようです。ポスターにはF-15戦闘機が飛んでいる様子などがイラストで紹介されていますが、そのイラストのウチワがもらえるらしい。行事内容としては盆踊りで、売店なども並ぶようですが、飛行場地区の開放については記載が無い。また開門は1700時とのことでした。

 盆踊りですので超望遠レンズをかかえ移動するのは適当ではありません。そしてみなさま、読者の方に台風7号の影響を受けられた方がいましたら、心からお見舞い申し上げます。子供がないている様子が有りますと、助けてやれないなあ、と特に列車遅延や混雑の場合には申し訳なく思うのですが、特に今回はお盆のUターンラッシュを直撃しています。

 台風による列車運休、自衛隊行事には鉄道を主として利用して移動しますので、此処で迂回の達人論を、と格好よく説明したいところですが、迂回路も運休となっているか、かえって混雑している可能性がありますので、これは迂回路を利用するか在来線を利用するかその場に留まるかもう一泊を想定して早めに宿を確保するか、というようなことになる。

 2200時台なのに新幹線は未だ1500時台の列車がまだ京都駅に到着していないみたいよ。結構驚いたお話しを16日、五山送り火の後でお教えいただきました。台風7号の計画運休は終戦記念日の15日、しかし16日も雨量などの状況次第では運休の可能性がある、とはJR東海とJR西日本から発表があったのですが、実際に16日は静岡県内の雨量があった。

 豪雨で昔、呉から広島経由で新幹線にて帰路に就こうという時に呉線が運休となってしまい、代替バス運行に長蛇の列が伸びる中、呉からであれば広島までフェリーが運行していたではないか、と松山と広島を経由する路線を思いだし、行ってみれば混雑も無く呉基地を眺め潜水艦と一緒に航行しつつ広島まで移動した事が有りましたが、あれは僥倖という。

 静岡県内の豪雨、東海道新幹線は小田原と三島の間で運休していましたが、雨量計が規定内に収まるまでは、そもそも東京と名古屋の間を、というよりも静岡県と神奈川県の県境をどの新幹線、のぞみ、ひかり、こだま、全て通過できないのですから滞留してゆきます。この結果、0745時から1400時まで東海道新幹線は全線で不通となる大混乱となります。

 富士総合火力演習や富士学校祭に駒門祭に板妻祭と滝ヶ原祭、静岡県内はいろいろ行事もありますが、ここは急な天候変化が有り、要するに富士山と丹沢山地に太平洋からの湿った風が当たる事で豪雨となるためなのですが、体力、特に持久力に限界がある小さなお子様が疲れ切っている様子は、わたしは滞留に巻き込まれていないが報道で見ていて心痛む。

 台風七号に伴う大規模新幹線運休、これにより特にお盆の帰省ラッシュを直撃した事もありまして新幹線街の数時間という大変な状況になっていたという方が多かったようです。結局これは結果論ですが、もっとも影響が少なかったのは事前に計画運休が発表された台風接近の二日前から計画運休前までに移動を済ませた方ということに結果論からはなる。

 計画運休前の移動、ただ、実際に移動された方の話を聞いてみますと、結局指定席の大半が埋まってしまい、自由席で立ち席移動するか、指定席の空きを待つ間に計画運休となってしまった、というお話がありまして、無理に移動するよりも計画運休の後で様子を見てから移動する、正常性バイアス、確実に混雑している事前移動よりも、となったもよう。

 しなの号、あずさ号を乗り継いで中央本線で名古屋から東京まで移動する選択肢、サンダーバードで大阪から東海道本線と湖西線経由で北陸本線に入り金沢から新幹線はくたか号を利用し東京へ向かう迂回経路、こうした選択肢もあるにはあるのですが、多少運賃が高くなりまして、所用時間も平常通りの東海道新幹線のぞみ号よりは時間がかかります。

 過去に第12旅団祭へ行った際には、この名古屋から特急しなの号と北陸新幹線経由で高崎まで移動する選択肢は試していまして、東京経由よりも高崎が近かった事に率直に驚いたのを思い出します。ただ、感覚としてですが運行本数は特急しなの号が少なく、それも指定席車が多い為に自由席が混雑するという移動を躊躇させる要素となるのかもしれません。

 新快速は意外と速く移動できる。新幹線計画運休の後に一つ考えたのは、既に新幹線の大変な状況は報道されていましたから、それならば在来線を移動するという選択肢を考えてはどうか、ということでした。もちろn体力を使う訳です、特に東海道本線はクロスシート車が浜松と熱海の間はホームライナーなどを除けば普通列車は運行していませんから。

 在来線で名古屋と東京位の区間ならば移動する選択肢はあるのではないか、何度も移動しましたのでそんな事を考えてしまうのですが、これも家族連れとなっていましたらば、特に帰省の際にはスーツケースなども嵩むでしょうし、特に子連れの場合は苦しいのかもしれません、ただ、新幹線も信号待ちという状況が続いていましたから選択肢ではないか。

 JR東海は、例えば313系電車のロングシート車でも東海道新幹線が止まった際にはめいっぱい増結してくれれば、3両編成の列車を予備車両など掻き集めて11両編成で運行してくれれば、多少は混雑しないのでしょうけれども、満員となる場合は息苦しく、それならば駅で新幹線が動くのを三時間でも六時間でも待てばよいという選択肢はあるやもしれない。

 迂回する選択肢はないか。ほんとうならば、余裕を以て16日も一泊し、17日の午前中に様子を見てお盆休みを延長するか、台風7号が接近している時点で全般計画を見直す必要があるのかもしれませんが、そんなことなかなか出来ないという実情がある、すると北陸新幹線大阪延伸やリニア中央新幹線開業という迂回路を期待する他ないのかもしれませんね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・8月19日:アメリカ海軍厚木基地盆踊り2023
・8月24日:高蔵寺分屯基地にて盆踊り大会
・8月24日:伊丹駐屯地川西駐屯地合同納涼夏祭り
・8月19日:松山駐屯地納涼祭
・8月25日:那覇基地サマーフェスタ2023

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-ウクライナF-16戦闘機機種転換訓練開始の遅れとポーランドベラルーシ国境の緊張

2023-08-18 07:01:00 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 戦闘機は似ているようで機種転換には自衛隊でもかなりの訓練を要しますが東側戦闘機から西側戦闘機への転換は更に難易度が高いでしょう。

 ウクライナ空軍へのF-16戦闘機機種転換訓練開始が遅れている、ワシントンポスト東部時間8月11日1300時配信記事がその現状を報じました。ウクライナ空軍は現状では装備するMiG-29戦闘機がロシア空軍のSu-34戦闘機などに対抗できないとして、様々な装備を十全に性能発揮できるF-16戦闘機を渇望していますが、要員訓練の問題が大きい。

 F-16機種転換訓練は既に英語に堪能なウクライナ空軍操縦士を派遣して準備していますが、この為にはジェット戦闘機関連の専門英語を4か月間にわたり履修しなければならず、機種転換には半年を要しますが、肝心の機種転換訓練を開始することが語学訓練の関係上来年1月からとなる見通しであり、F-16を運用開始するのは早くとも来年夏以降になるもよう。
■ポーランドベラルーシ
 報道の中にはワグネルの戦闘員が異動しているとの未確認情報もあり緊張は続く。

 ポーランド国防省はベラルーシ国境へ兵員2000名を増派し警戒を強めています。これはAFP通信は日本時間2023年8月9日2110時に配信した記事によるもので、ポーランドのマチェイワジク内務副大臣の発言を奉じたもので、ベラルーシからの大量のポーランドへの移民が押し寄せており、国境管理当局が国防省へ部隊派遣を要請したという。

 移民の大量流入はポーランド国境地域での政情不安を誘発する攪乱工作に利用され、またEU欧州連合での対立を誘発する目的などが考えられるもよう。膨大な数の移民というのは具体的には今年だけで1万9000名規模であり、昨年の1万6000名を既に上回るとともに、先月だけでも4000名以上が越境を試みており国境地域の緊張が高まっています。
■ハリコフ州クピャンスク
 結局は砲兵火力が重要だという事は自衛隊も学びせめて今ある装備を大切にすべきです。

 ハリコフ州クピャンスク郡周辺の戦闘状況について、ISWアメリカ戦争研究所は8月10日、戦況分析を発表しました。ハリコフ州はクピャンスク郡でのロシア軍砲撃が激化しているとして、53集落からの市民退避開始を発表しています。しかし、これは砲撃によるものでISW分析ではこの地域でのロシア軍地上侵攻可能性について否定的見解を示しました。

 クピャンスク郡は東部戦線北部に位置しますが、ISWは東部戦線中央部においては両軍とも小康状態を保っているとしており、逆に東部戦線南部ではドネツクとザポリツィア州境地帯においてウクライナ軍が攻撃を再興、モクリ川とヤイ川を渡河しウロジャイネ南西郊外へ前進を果たし、メリトポリ方面への攻撃を継続していると分析しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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新しい88艦隊と反撃能力整備【4】モスクワへの道-ロシアウクライナ戦争示した権威国家和戦論形成と反撃能力

2023-08-17 20:14:13 | 北大路機関特別企画
■自衛隊大西洋方面作戦
 十年前、いや五年前、いやいや2022年1月までの段階ならばここまで防衛力というものを踏み込んで議論する事は、少なくとも北大路機関では無かっただろうなあと思う視点です。

 ロシアウクライナ戦争のウクライナ軍奮戦とともに、自衛隊の反撃能力というものを考えますと、果たして日本がロシアからの攻撃を受けた際、専守防衛の延長線上程度のささやかな反撃能力を行使した場合で、モスクワの意志を一転させる事は可能なのか、という厳しい現実です。ウクライナはこの現実を受け入れ、モスクワへ無人機で反撃している。

 反撃能力、これは超えるのが難しい一線でありながら相手国が国民世論により和戦を決する民主主義国家ではなく、権威主義国家である場合には相手に耐えがたい結果を突き付ける事が専守防衛の枠内では限界がある事も事実であり、それでもなお専守防衛を貫くには、平和の為に痛みを共有する日本国民としての覚悟の共有が必要、いや、避けては通れない。

 ロシアウクライナ戦争では民間調査機関オリックスの検証によりロシア軍死傷者は既に25万の大台に乗っている、太平洋戦争における日本の死者数と比べれば六分の一、いや死傷者では確かに更に低い水準かもしれませんが、東日本大震災の死者行方不明者に負傷者を加えると2万4582名となっていますから、東日本大震災の十倍と云えば見方はかわります。

 大量の死傷者にロシア世論が耐える背景には、ロシア国内において多民族国家でもあるロシアの政権に影響を与える層以外の中央アジア地域での徴兵を強化した場合、それがどれだけ死傷者となろうとも、こうした層の人々を管理する側としては相手が反旗を翻す人数が減るだけであり、耐えうる、という分析さえあります。これは、考えさせられるものだ。

 モスクワやサンクトペテルブルクが攻撃されて初めてその意味を、つまり政権支持層の居留地が攻撃されなければ通じないとウクライナは理解するからこそ、ウクライナ周辺地域への攻撃よりも首都モスクワへの無人機攻撃を行っている、それは成果こそ限られているもののロシア側には確かに影響が及んでいる、この事実は日本として無視できる物か、と。

 新しい88艦隊は、こうした状況に置ける一つの選択肢となります。それは大西洋地域にヘリコプター搭載護衛艦を展開させ、F-35Bからのスタンドオフミサイルによる中枢攻撃の可能性を示唆することです。簡単ではありませんが理論上不可能ではない、もしくはF-35Bの支援下で汎用護衛艦からトマホークミサイルを運用する選択肢も検討余地はあります。

 モスクワを実際に叩くのではなく、モスクワの国家最高指導部が東京を叩くならば、日本も選択肢を持つ、という視点を相手に突き付けるが重要です。もちろん、バレンツ海の沿岸からバックファイア超音速爆撃機が妨害に飛行する可能性はありますが、F-35B戦闘機ならばバックファイアを迎撃可能です。そしてステルス性能は相手に不確定要素を与える。

 平和の為にこういうことをするのではなく国民として痛みを共有しよう、ということで、例えば年間に数千や一万数千の無人機攻撃被害を受け入れる覚悟があるならば、良いのです。しかし、憲法の方が自分の家族や財産よりも大事だ、という国民世論は、最早カルト宗教の域であり、こんなものを押し付けるようでは支持があっても国家ではありません。

 降伏した方が良い、という議論、これは8月15日にもう少し踏み込んで議論すべきだったのでしょうが、それは昭和20年の終戦が、結果として国際公序に立脚したかたちで行われた為であり、ロシア軍のブチャでの虐殺やクリミアとドンバスでの同化政策を見るならば、虐殺かロシア人としての戦争協力を求められるだけで、これが果たして平和なのか、と。

 新しい88艦隊、4個護衛隊群の内半分を大西洋方面へ展開し、必要な物資は同盟国から補給を受け、長期的に展開する。可能性として橋本内閣時代の日米新ガイドラインを応用するならば、F-35B戦闘機の補充やスタンドオフミサイルの補充をアメリカ東海岸で受ける事が可能ですし、交代要員を日本本土からC-2輸送機と艦までV-22輸送機で派遣可能だ。

 大西洋にヘリコプター搭載護衛艦を二個護衛隊群派遣したとしてロシアから見れば空母4隻、ロシアに戦争遂行を断念させるほどの威力は無い、と反論があるのかもしれません。しかしすると他に選択肢はあるのか、となる。外交で解決を、という反論は逆に外交の成功が有るからこそ、アメリカと同盟を結びNATOとも良好な関係がある、といえます。

 プレゼンスオペレーションの話に戻りますが、こうした不確定要素を与えるためには、ヘリコプター搭載護衛艦の定期的な大西洋展開が必要となります。もちろん名目としては親善訓練でもよい、ニジェールやスーダンにアフガニスタンと近年、在外邦人保護や邦人救出の任務が増大しており、その為の親善訓練や信頼醸成と併せて行えば友好国を増やせる。

 クイーンエリザベスの横須賀親善訪問、東京五輪の頃には海事関連で注目されたイギリス海軍空母打撃群の日本訪問ですが、あれは2021年の話でした。しかし、中国にはイギリスは極東地域に一定の打撃部隊を展開させうるということを示したことは重要でした、2021年に行った一回の展開が2023年にもプレゼンスを行使したわけだ。プレゼンスの重要性だ。

 カヴール日本展開、イタリア海軍は空母カヴールを2023年末か2024年の早い時期に日本へ展開させるという。カヴールとクイーンエリザベスはNATO合同空母打撃群として地中海で訓練を何度も実施し、特にロシアウクライナ戦争開戦前後から今日に至るまで、継続的に実施していますが、極東展開、オンザブーツという、これを行うインパクトは大きい。

 シャルルドゴールあたりもいつか来日してほしいところですが、クイーンエリザベス、シャルルドゴール、カヴール、トリエステ、ファンカルロス一世、まもなくここにイギリスのプリンスオブウェールズが加わる、これで6隻となり、この態勢まで揃えますと、極東展開が隔年であっても可能となる。視点を逆にしてみると8隻の重さが見えてくるのです。

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【京都幕間旅情】五山送り火,夜空に向けられる京都はお盆の伝統行事で如意ヶ岳に灯る大文字と台風七号の爪痕

2023-08-17 07:00:18 | 日記
■京都の夏-五山送り火
 お盆もこれでおわりという昨夜執り行われました五山送り火の模様をお伝えしましょう。

 五山送り火、昨年は色々ありました故に点火したものの確認できない、いやNHKが点火の様子を中継している云々、というCOVID-19以来久々の五山送り火なのに、という一幕がありました。今年は、台風七号の進路で、護摩木は集めていましたが不安は残りました。

 如意ヶ岳の点火を遠景に視認出来た際は正直安堵したのですけれども、一方で友人知人で関東在住の連中は新幹線で大変な難渋しているという状況、これを聞いていましたので、ちょっと難しい状況で五山送り火に誘ってしまった、と報道をみるにつれ反省してしまう。

 台風7号の置き土産は静岡県内で記録的な豪雨をもたらし、15日の計画運休明けの東海道新幹線は今度は運転見合わせ、小田原三島間の運転見合わせは徐々に名古屋へ、そしてとうとう東京と新大阪で東海道新幹線が全面運転見合わせ、という状況になっていました。

 計画運休明けでも不測の運転見合わせが有る可能性はJR東海もJR西日本も予告はしていましたが、まさか全面運転見合わせになるとは思わず、聞けば2200時台でも新幹線電光掲示板は1500時台の列車が掲載されていたといい、二時間以上の遅れです、と表示、確かに。

 本日17日は始発から平常通り運行、というJR東海とJR西日本は16日の時点で発表していますが、お盆やすみの予定を台風に翻弄された方はそうとういるでしょうから、例えばどれだけ遅れても寝れば済む寝台列車の再評価や、在来線に長距離急行の必要性など思う。

 五山送り火は、しかしそういう中にありましても無事執り行われました。仄かな光が一瞬一瞬に文字へと変容する様子には思わず感嘆の声がまわりから自然とわき起こるもので、妙法と舟形と左大文字、遠い鳥居型を除けば灯る様子は、日常が戻ったと実感させました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】妙心寺,台風迫る八月のお精霊迎えはお盆の仏事でいよいよ季節移ろい見える猛暑酷暑の真夏

2023-08-16 20:23:14 | 写真
■お盆は妙心寺お精霊迎え
 京都直撃さえ想定されたこの台風7号が運ぶのは混沌か秋かと思う今日この頃です。いや西に逸れた台風は甚大被害をもたらし心痛む事にはかわりないのですが。

 妙心寺へ。釈迦如来を奉じるこの寺院は開山に関山慧玄を迎え、花園法皇が暦応5年から康永元年の改元に併せ、西暦では1342年に創建した寺院で、もともとは花園上皇の花園御所として離宮萩原殿であった院の御所を落飾にあわせて寺院とした歴史をもちます。

 南に台風が迫っている、そんな曇天は情景として見返してみれば酷暑にも忙中有閑という涼しそうな風情と思いきやそれは見た目だけであり、猛烈な湿気の不快感が比叡から高雄までを幅広く蓋していて滴る汗は上着に沁みて変換ミス凍みてという字さえ愛おしい。

 台風は災厄なのだけれども通りから見上げる山陰線の高架行き交う列車は、ちかごろ広く悪名が轟いてしまった嵐山のオーバーツーリズムという大量の観光客が朝の大阪環状線か山手線かという混雑を少しだけ遠ざけるようで、電車の車窓は若干空きがあるもよう。

 山陰線の高架が見えるという、つまりここはめっきり市街地なのだという風景の中に、ひょっこり、というべきか慄然と大きな山門が、高さこそそう大袈裟ではないけれども、袈裟の気風とともに寺院が見えてきます、ここは妙心寺、山陰線花園駅から徒歩でも直ぐ。

 三門、堂宇というにふさわしい風格とともに実は先の山門は南門ということなのですけれども、朱色の三門が凛と迎えてくれまして、いや曇天という事で湿気がありますので、見上げるとくらくらするような温度とともに、大きな三門は妙心寺に来たのだと改めて。

 お精霊迎え。そうこの日は年に一度のお精霊迎えという日でして、いつもは静けさとともに歩む壮大伽藍を結ぶ石道路は不思議なほどの活気に満ちている、お精霊迎えなのだから生きている人とともに、その空には御霊が、ということなのかもしれないけれども。

 妙心寺、京都市右京区花園妙心寺にあります巨大寺院へお盆という事で拝観へと行ってまいりました。臨済宗妙心寺派の大本山となっていまして、ここは日本の臨済宗寺院5650か寺のうち実に3,350か寺が妙心寺派といいますから、まさに大本山の名が相応しい。

 西の御所と呼ばれます妙心寺、ちょうどこの日はお精霊迎えという日でした、お精霊というのは京都のほかはこう読まないということですがしょうらいさんと親しまれていまして、9日と10日は提灯の幽玄な灯が寺域を包むという、幻想的なお盆の風景を醸す。

 お盆だから。そんな理由で散策という訳なのかと問われればいやしかし気分が向いたという趣で赴いた先がここ花園町、京都花園町はひらがなにすると京都はなぞの町とも書かれることもあり、ちょっと寺院が多い割に観光客が少ないという、謎の町となっている。

 お精霊迎え。妙心寺は、日常に散策していますとあの大徳寺よりも大きく、広さは、そう妙心寺そのものの広さは第3師団の千僧駐屯地や中部方面総監部の伊丹駐屯地くらいなのだけれども、考えてみれば、寺院というだけでこの広さというのは凄いことなのか。

 お盆のご先祖様が戻ってこられる際のお迎えをこのお寺で檀家さんのご先祖さまお迎えを一手に迎えるというのが、妙心寺のお精霊迎え。西の御所といいますし、なにより臨済宗妙心寺派大本山ということですので、この広い寺域も多くの檀家さんで溢れてゆきます。

 お塔婆へ法名が墨書されその名が読み上げられる声は拡声器から寺域に届くもので、そしてそのお精霊さんは五山送り火の日に執り行われる先祖供養法要にて還ってゆく、これが京都のお盆で京都の夏、毎年の風景、そしてお盆は夏の終わりの始まりでもあるのです。

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【京都幕間旅情】天龍寺,幕末動乱禁門の変での無差別砲撃による全焼と戦災免れた太平洋戦争京都核攻撃危機

2023-08-16 20:00:15 | 写真
■免れた第四の戦火
 天龍寺は複雑な歴史の只中に在った故に戦火に何度も見舞われその合間合間に失火にも見舞われました。

 天龍寺と三つの戦争、鎌倉幕府滅亡に端を発し建武の新政と南北朝分裂までの一連の騒擾を背景に造営、応仁の乱による荒廃、そして最後に、幕末動乱により天龍寺は攻撃目標となり、徹底的な砲撃を受け全焼しています。これが天龍寺の最後の戦争という。

 法堂は明治時代の建物なのですが、これは禁門の変、蛤御門の変とも呼ばれる幕末の長州藩と薩摩藩との戦闘によりもともとの法堂を焼失したためという。御所までは8㎞ほど離れていますので、120mmRT迫撃砲でも使われたのかというとそうではありません。

 禁門の変は御所蛤御門において天皇の長州遷座、要するに拉致を試みた長州軍と御所を防衛する幕府軍薩摩軍の全面衝突であり、幕府軍薩摩軍の奮迅により長州軍が内裏に押し入ることだけはなんとか回避しました、これにより京都市内は未曽有の大火災となる。

 天龍寺はこのとき、長州軍の拠点となっており、反撃する薩摩軍が長州軍の立てこもる天龍寺を包囲、無差別砲撃を加えた。この際に略奪も行われたという記録があり、正義うんぬんよりも実際の行動を正当化するには限度があるという事を改めて思わせます。

 雲居庵、天龍寺への無差別砲撃はほぼすべての寺域を焼き払ってしまったということで、しかし奇跡的に残った塔頭寺院雲居庵の禅堂を、とりあえずと移築することで天龍寺は当面の復旧を望みますが、特に明治元年は廃仏毀釈の時代、移築さえ難しかった。

 法堂兼仏殿として雲居庵の禅堂を移築できたのは明治33年、つまり1900年という19世紀最後の年で、移築には36年もの月日を要したことになります。ただ、移築とはいえその規模は大きく、それだけに往年の天龍寺の姿を思い浮かべてしまうのですね。

 釈迦三尊像を安置しました須弥壇に、見守る様に光厳上皇位牌と歴代住持の位牌、この位牌を守るのは開山夢窓疎石と開基足利尊氏の木像という。今の法堂はそれでもこうした規模を有していまして、大方丈として明治32年即ち1899年に再建の建物と並ぶ。

 幕末動乱、東京遷都ももともとは荒廃した禁門の変ののちの京都の復興に限界を感じており、この結果戦災に見舞われていない江戸を東京として遷都した背景がありました。やはり今思い返しても幕末動乱の影響はやはり大きかったのだと改めて思うのですね。

 京都は、太平洋戦争における戦災を免れました。いや、正確には核攻撃の標的となっていた。梅小路の転車台を標的にする計画で、実行されていたらば東寺は吹き飛ばされて何も残らなかったでしょう、西本願寺と東本願寺も恐らく全部消し飛んでいたと思う。

 西本願寺と東本願寺は江戸時代に度々失火で燃えていたとはいえ、やはり考えると核攻撃に見舞われず良かったと思う。こう考えてみますと終戦記念日を考えさせるものというものは深いものがあるのですが、最近はもう一つの危惧を考えねばならない。

 ロシアウクライナ戦争においてロシア軍は文化財を標的としている、ロシア軍が配備する自爆用無人機や巡航ミサイルは沿海州から京都へ届くのだ。三つの戦争を超えた天龍寺、しかし四つ目というものはいつ想定せざるを得ないのか、危機管理上考えてしまう。

 第16師団司令部の建物が学校に転用されているなど、軍事史跡も多いですし、なにより京都には舞鶴基地があり、こここそまさに舞鶴軍港を継承している。太平洋戦争を連想する場所は京都に数多く、故に終戦の日とこれからの安全保障を考えてしまうのだ。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-京都駅,運転再開成った東海道山陽新幹線と台風一過の麦酒

2023-08-16 18:23:14 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 台風で計画運休となっていました東海道山陽新幹線も今日から運転再開です。

 お盆の真ん中を直撃した台風、太平洋高気圧が接近をそらしてくれるのではないかという淡い期待は太平洋高気圧がお盆休みに入ったが如くという太平洋上への移動により、しっかりと本州を直撃しました。京都府内ですと、舞鶴、特に西舞鶴や山間部がやられた。

 保険でカバーできる程度の商品被害なのだろうか、それとも対象外となれば古い商店街なんかは高齢化もあって廃業してしまいは抜けになる商店街、ということにもなりかねない。安易にボランティアに行く時間を考えるか、観光で現地を盛り上げるというべきか。

 人命に関しては、まあ、なんとか、という今日この頃ですのでビールによる祝杯の様子を。他方で、計画運休をしっかりやるというのは驚きましたが、台風進路予報では東海道新幹線の中央部、伊勢湾を直撃する予報は大きくずれまして、結局は紀伊半島にあがった。

 予報円を逸脱したものではない、という反論もあるかもしれませんけれども100kmは逸れている訳で、しかも雨台風でしたから進路予報の誤差は、豪雨の誤差に繋がっている、毎回ハリケーンハンターが必要だ、という話題を挙げていますが、観測体制は強化すべき。

 暴風圏は半径110kmですから、100kmの誤差というのは暴風圏に入るか否かの判断を変えてしまいます。予報円を大きく採ってこの当たりを曖昧としますと、当らないとか、台風を軽視する論調にもつながりかねない、どのみち精度はもっとたかめねばなりません。

 山陰地方の浸水被害は心が痛む、鳥取県では特別警報が発令されましたし、八月一ヶ月分の雨量の三倍も降ったという場所もある、そんな話題を思い浮かべますと、下手をすれば深層崩壊が起こる雨量だ、ビールがいつもよりも苦く感じてしまうところですけれども。

 舞鶴地方隊オータムフェスタが行われますので、いっそ宿泊してご飯食べて、マッサージとかで、少しでも経済を回す方法を考えるところか、そこまでにどの程度復旧できるのか。台風による被害、いつかこちらにも起こりうる被害を報道でみるのは、憂鬱ですよ、ね。

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