秋の公園は美しい。府中の森で見つけた池に、注がれる小さな滝。そして、そこから広がる波紋。
今ここで、を考える旅に出たはずなのに、何故か過去を、しかも人間の源流を求める旅に出たようである。U先生から薦められた、「5万年前」(ニコラス・ウェイド著 イースト・プレス1,785円)はヒトゲノムから読み取れる、恐るべき人類の歴史を、判りやすく書いた本である。
それまでの、人類の苦難の歴史もあると思うが、約5万年前に東アフリカの、約5,000人の集団から旅立った少数集団が、現代の人類の源流であるという仮説がある。
過酷な環境から、命を賭けて旅立った集団は、当時は健在だったネアンデルタール人やホモ・エレクトスの古人類と戦いながら、最終的には世界に広がって行く。
源流を求める旅は、今ここにある、人間同士の葛藤や戦いを、別の視点から捉えなおしてくれる。身近な人との争いや、それこそ宗教に端を発すると報道される戦いまでである。
そして、もうひとつ、今始めようとしている、個人の働きの意味である。
生き甲斐支援の心理学・カウンセリングの普及活動も、ささやかな、ひとつの始まりと考えると、何か厳かな気持ちになる。これは、同志と私のことであるが、多くの方もそれぞれの貴重な、はじまりがあるように思う。
冬に向かう、ある意味で寂しい時代かもしれないが、その先に、きっと何かがあるように思う。一人ひとりが持っている遺伝子の中に、私たちの共通の貴重な源流が隠されている。
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