イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

壮大な出会い!

2009-03-10 | 第五章「和解と平和」

 ちょうど50年前(7歳の時)に、私がネイティブ(先住民族)のいるアラスカのシトカで1年弱の期間とはいえ両親と暮らしたことは、人生に大きな影響を与えた。

 シトカでのある晩、家にネイティブの子供が突然訪ねてきた。父が応対したが、数の子を売りにきたのである。その時、日本人と同じような食生活だ・・・ということで家族皆で驚いた。

 今考えてみると、アメリカの先住民族(モンゴロイド)は、遺伝子の研究や考古学の成果から、ユーラシア大陸からベーリング海峡を渡り(氷河期で陸が渡れた)、さらに温暖化の影響で氷河地帯を抜け出し南方に向かったという説が有力だ。海から、日本海流にのって漂着したという説もあるが。

 何れにせよ、ユーラシア大陸のモンゴロイドが、初めて新大陸(ホモ・エレクトスなど、現世人類に近い人類(すでに滅亡)も住んでいなかった)に到着し広がっていったようだ。

 そんな遠い祖先とどこかで繋がっているネイティブとシトカで私は出会った。

 モンゴロイドが世界に広がる歴史を昨日から勉強していると、アメリカとの繋がりがとても面白い。先ほど述べた、ベーリング海を渡り北から南米まで南下するモンゴロイドも存在したが、海流に逆らい、中国、オーストラリア方面から、ポリネシアに舟を使って島伝いに広がり、最終的に南米に到達した南周りのモンゴロイドの集団もいる。

 そして、南方ルートと北方ルートで何万年かの時間を経て、モンゴロイドが南米で再会する(実際に再会した当事者達は、その深い意味を理解できなかっただろうが)。これも実に荘大である。どれだけの命が失われて成し遂げられた出会いだったのだろう。

 頭の中は、太平洋と数万年の時間を越えて、殆ど妄想にふけっているようである。ただ、良く考えてみれば、例えば隣の妻との出会いも、知らない祖先達の壮大なドラマがあるかもしれない。

 現世人類の歴史として6000世代とも言われている命の連鎖。日常の中での様々な出会いの隠れた意味を私たちは殆ど知らない。今までは2-3世代の記憶しかないので仕方がなかったが。

 人との出会いを大切にしよう。あの世で恥をかかないためにも。

*参考:モンゴロイドの道(『科学朝日』編、朝日選書)、イヴの七人の娘たち(ブライアン・サイクス、ビレッジブックス)

<祖先との対話 4/4>

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