イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

嵐の朝に想う!

2009-03-14 | 第五章「和解と平和」

 この2-3日、日本人の人権意識に関わること(先進国と比べて)で、何となく憂鬱な気分になっていた。一般論には今まで余り興味はなかったが、最近DNAのことを考えている中で、周りの大勢の日本人がより近しく感じられるようになったこともあろう。

 昨晩、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」(岩波文庫 宮沢賢治作 谷川徹三編)を読んだ。物語の最後のほうで、ジョバンニとかおるのサソリに関する会話がある。かおるはサソリを良い虫だとジョバンニに説明する。

 その中の、サソリがいたちに食べられそうで逃げ、井戸に落ちて死ぬシーンの一節だが・・・

「ああ、わたしはいままでいくつのものの命をとったかわからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときはあんなに一生懸命にげた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああ、なんにもあてにならない。どうしてわたしはわたしのからだを、だまっていたちにくれてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびただろうに。どうか神様わたしの心をごらんください。こんなにむなしくいのちをすてず、どうかこの次には、まことのみんなの幸いのために私のからだをおつかいください。」

 美しい祈りのような一節で、感動的である。

 かおるは、賢治の最愛の妹、とし子(永訣の朝で有名)と重なると指摘する人もいる。サソリをこれほど美しく描ける(昇華する)深い思索に驚くとともに、家族の愛や信仰についても考えさせられる。賢治とキリスト教との関係も興味があるが・・・

 今日はせっかくの土曜日の朝なのに、雨。昨晩からの強風で、ベランダの鉢にも被害が・・・

 まあ、サソリも天に上げられる話を読んだ後なので、この天気を楽しく解釈して一日を過ごそう。

<家族 4/4>

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