今年は、大震災のせいもあるか、時間の流れが変だ。自分的には、年末というより秋という感じなのである(まだ、年賀状も書く気になれないし)。そして、最近俄然読書欲が増してきた。昨日も夜更けに仕事で帰ってから、「炎の女帝 持統天皇」、「語りつぐ・証言 小さな町を呑みこんだ 巨大津波 (やまもと民話の会)」を明け方近くまで読んだ。
持統天皇は、その成育史をいろいろ研究しつつあるのだが、今更ながら、幼少のころに、身近な祖父が実父(天智天皇)に謀殺され、それを知った実母が狂乱の中で弟を産み落とし亡くなる。弟もどうも障がいをもっていたようで、若くして亡くなる。さらに、政略結婚や白村江の戦いなどを10代で経験するなど物凄いのだ。
これほどまでに悲惨をなめた人はいるのだろうか。ただ、本人の解釈ひとつで、世の中は変わるものだ。そのあたりを考えるのが(人格形成論なども含め)楽しい。何故、持統天皇は大成したのか?
大震災と巨大津波を経験された方の手記も強烈であった。ただ、眼を覆うような話は、本人の解釈も多様で、こころが熱くなるものもある。たんたんとした状況の記述の中に、不思議な平和があることも。
「私は何か?」、「私の使命は何か?」
読書は、自分でも意識しないかもしれないが、そのような問いかけが基底にあるとき価値があるものになる。
私は何か? 2/10