湧き起る感情と対話する。このような経験は「生き甲斐の心理学」の勉強会で経験するまで、知らなかった。
そして、その「生き甲斐の心理学」の勉強会でも、絵画観賞療法の勉強を経験させていただいた時が一番深かったように感じている。
昨日も、シャガールの絵画観賞で湧き起る感情について考えたが、一枚の絵を10分くらい静かに見続けていくと確かにいろいろな感情が湧いてくるのだ。暗い感情もあるが、明るい感情もある。それが何かシャガール独特の統合感の中にまとめられるような感じだ。
通常、湧き起る感情は不安である。不安は自分のもつ理想と現実とのギャップから生じると習ったが、単純ながら真実をついていると思う。もちろん、意識の世界からの不安(例えば遅刻をしそうだなど)もあれば、無意識からの不安(獏とした不安)もある。
そして、多くの場合、湧き起る感情は14の防衛機制で処理されたりしながら、明るく健やかに生きていくのだが、暗い感情が続き、何となく様々な生活の場面で暗く解釈しがちになることもあるようだ。私の場合も例えば30歳台前半のある時期がそんな時期であった。
物事を暗く解釈する傾向が続くと、自分自身の総合的な感情生活も不安から怒り、そして身体症状、ウツへと向かっていく。そんな時期は、周りの親しい関係の人からさえも煙たがれたりする。「あなたと話していると暗くなる」といわれたり。どうでも良いような光景が、不安を掻き立て、空が落ちてくるではないが杞憂が多くなる。
今、「生き甲斐の心理学」を学んで14年経つが、一昨日のコップのたとえではないが、明るく解釈することの大切さをしみじみと感じてしまう。人間の心はは意外にもろい。しかも、暗いことが多いのが世の常。そんな中で、暗く解釈ばかりしていると持たないのは道理だ。解釈は自由であるべきで、イキイキと明るく生きるのが良い。
解釈の理想を下げるか、現実の解釈を変えるか(現実を上げるか)で、感情生活はずいぶん変わる。また、自己実現の方向(悔いのない人生の方向)に余り意味のない領域で悩まないのも手だ(防衛機制をうまくつかう)。
そんな風にしていると、できないと思ってたこともできたりする。
愛ある問いかけ ③ 7/10