先日、NHKの「人類誕生」の第2集、「最強ライバルとの出会いそして別れ」を見た。ネアンデルタール人については縄文研究の中で、ある程度は知っていたものの、最新の研究成果を楽しく学ぶことができた。私たちは3-4世代前の祖先には何となく知識があっても、2000世代前とか3000世代前(5万年前の祖先など)を考えることは実に少ない。しかし理論的には今こうして生きているのも、同じように5万年前の祖先が存在していたからなのだ。
そして、ちょっとなじみのない遠い祖先を思索すると、日々の生活の中での葛藤や固執がどうでもよいことのように見えてくるのは、ストレス解消法、平安感の獲得ということから考えても意味のあることのように感じる。
この放送で感動したことは、現世人類がネアンデルタール人と比べ相対的に生き残ったのは、同じ宗教を信じることが基盤になり、遠方の仲間ともネットワークを形成し変化に対応したという仮説だ。これは、縄文小説を書いたときも強く感じたことで、5000年前の日本でも広域な交易が存在し、中里の水産加工所遺跡に見られるように、他者(内陸)のために商品(カキ、ハマグリの干物)を作り流通させるなど、ネットワークの力が強烈であったことだ。
日本の6-7世紀を考えても、シルクロードの終点である倭国に、中国、インド、ペルシャ、ギリシャの文化が流入してきたことは確実だが、例えばキリスト教(景教)は唐に635年に正式に伝播されており、720年成立の日本書紀の聖徳太子の時代の記述にキリスト教(景教)の影響を感じる人も多い。7-8世紀の祖先の力は想像以上に素晴らしいものだったと妄想している。
誕生日 7/10
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森 裕行 | |
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