日本で誕生日を祝う習慣ができたのは、わりと最近のようだが、それでも成人式や七五三などで祝う習慣は昔からあった。もちろん、正月に一つ年をとったことを皆で祝うという数え年の習慣は一昔前は当たり前だった。
さて、一人ひとりの誕生日を祝うことは、そこに個人の尊厳とか個性の美といったものを尊重する思想が隠れていると思う。U先生の生き甲斐の心理学では、個性の美ということがよく言われるが、日常生活で自分の個性の美や他者(子供や家族を含む)の美を意識することは多いだろうか?人は身体と心(生育史)と魂(宗教の領域)からなると考え、個性の美を3つの側面から思索することは大切だと思う。
さて、身体の個性の美はまだわかりやすいが、心(生育史)・性格の美はどうだろうか?本人なので分かっていそうな自分の性格の美をどれだけ意識しているだろうか(自戒をこめて)。生き甲斐の心理学では、例えばエリクソンの8つのネガティブな感情を思索する。不信感、疑惑・恥辱、罪悪感、劣等感、自己混乱感、孤立感、停滞感、絶望感の8つだ。ネガティブな感情なので普通は他人には隠したいくらいだ。まして、その効用を考える人は少ないように思う。しかし、例えば自分はよく不信感に悩まされているなと意識できるようになると、ちょっと違ってくる。
不信感に苦しんでいるなと気づくこと自体に効用があるのだ。熱や咳が風邪を教え、治癒への道に導いてくれるようなところがある。どんどんと不信感のなかに浸り、不信感に固執していることを感づけば、3Vの法則で自他肯定的な夢を育て不信感の無限ループから脱却できる可能性は高い。あるいは、不信感が激しい怒りとなって爆発しそうなときに別の他者に迷惑をかけない形で昇華する方法があるかもしれない。あるいは、自己表現の訓練を積んでいれば、怒りをうまく表現し、あなたも私もハッピーということに好転できるかもしれない。
自分のこころの個性、美を知り、それを育てるのはできないことではない。
誕生日 8/10
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