7月27日(金) 晴れ 夏日 湿り気はあるが夏の陽射し
このところ忙しいと云ってはいけないが、畑は放りっぱなしになっていた。バジルも苗も梅雨明けとともにズンズンと大きくなり、ポットの下から根が張りだして早く定植をしろと云う。午前中の気温が高くならないうちに、先ずは草刈りから始めた。草を刈って軽く起こしてバジルの苗30本を植えた。あとは刈った草で土が乾燥から守ってくれることを託して苗の開いているところに敷き詰めた。
このような単純な作業なのに俺の腰は重い。予定ではバジルを植えた後はジャガイモの畝の草刈りを考えていた。しかし、この作業をしていると風にのって甘い香りが流れてくる。バジルの香りもあるが、隣のカモミールよりも更に甘い、人参の花だ。人参は収穫よりもこの花を楽しむことを目的としている。カメラを持って覗きに行くと、ルリチューレンジだろうか?幼虫はノイバラの葉を好んで食うと云う。
人参の花は濃厚な甘い香りを放ち、カミキリ虫やカメムシ、蜂や虻の仲間が沢山来ていた。目に入ったのは不思議な光景で、赤いヘイリグロベニカミキリの上に大きさは半分くらいしかない、クロトラカミキリが上に乗っている。しかも、赤いのは逃げるように歩き回っているが、小さなカミキリはそれでもしがみついているのが判る。見ているとどうやら交尾を迫っているようだが、種の違いでも交尾は可能なのだろうか?それとも余りにも人参の香りが濃厚な甘さのために狂ってしまったのかもしれない。
花の下の方を見るとトノサマバッタが俺の視線を避けるように人参の茎に姿を隠すように横に動く。彼の目つきからも恥ずかしがりと思えるようだ。人参の花に集まり虫は多いがカメ虫は少し前の初めの花の盛りに盛んに来ていた。今日も既に花が終わり種を持っていると花柄の下でペアリングで固まっていた。こうして見ると虫にもいろいろ事情があるのだろうが、この花の塊は香と好い、身を隠すにも情事にも好都合なのだろう。キンスジカミキリらしき虫は蜂なのかかみ切る虫なのか?種の保存を壊すような甘い香りも自然界では在りなのだろう。
人参の畝から離れると一番に西の崖のところまで来る。ここでは春にピンクの軽い花を見せて暮れた庭梅、今はリンゴのような小さな実を着けている。この隣にはボケの木があるが、そこには夏に姿を見せるセニンソウが白い花を開きだした。香も良いのだが、今は人参に負けているが夏の終わり頃まで淡い香を保ってくれるので楽しみだ。