「反逆と裏切り」などというと天下の英雄、織田信長に謀反を起こした明智光秀のことを世間の人は思い浮かべるかもしれない。明智光秀の実像がどうであったかは別として「反逆と裏切り」という語にいいイメージを抱く人はあまりいないだろう。ところが私の抱くイメージはまったく反対のいいイメージなのである。私には日本語がわかっていないようだ。
実は「反逆と裏切り」という語でイメージしたのは私の友人で元同僚のY君のことであった。彼は研究者として十分な業績を上げているのもかかわらず、十分に世間的評価がなされなかった。しかし、本人はそれを嘆くでもなく、淡々としていた。裏切りというイメージはY君にはふさわしくないが、反逆心というかそれに類したものを心に秘めた人であった。「反逆と裏切り」というとマイナスのイメージだろうが、私はあえてこれにプラスのイメージを与えたい。
脚本家の三谷幸喜がロンドンでの舞台のでの挨拶でのギャグに
Can you unederstand my English ? I cannot understand my English.
というのがあるとか。もちろんロンドンの観衆はこのスピーチでどっと笑ったという。二番煎じもいいところだが、
I am a Japnese, but I do not understand Japanese.