昨夜のドイツ語のクラスでR氏から、le vernissageというフランス語を教えてもらった。
これはいま仏和辞典を引いてみるとヴェルニサッジュと書いてある、説明的に((絵画展の初日(一般公開の前日)のレセプション))と書いてある。
(上と以下でのフランス語の前のleとかlaはその語が男性名詞か女性名詞かを示すだけで、後ろの語にそのまま続けられるという意味ではない。念のため)
実はこのle vernissageはR氏から何回か教えてもらった言葉だが、すぐに忘れてまったく思い出せなかった。普通使わない言葉などはそういうものである。
もっともこのle vernissageには「ニス(釉薬)を塗ること」という別の意味もある。
そういえば、先日ラジオのフランス語講座で(le) cache-cacheという語が出てきた。これも前に一、二度出会ったはずなのにまったく覚えていなかった。jouer a cache-cacheとは「かくれんぼをする」という意味である。カシュ-カシュという発音がおもしろい。
これはフランス語ではないが、der Agar-agar(アガア-アガア)という語があり、これは英語とドイツ語で「寒天」のことである。この語は私たちのドイツ語のクラスの最年長のクラスメイトである、I 医師が教えてくれた語である。この寒天を液状で食べるとガンの予防になるとも教えてくれた。
このような発音がおもしろい語は一度で覚えそうなものだが、なかなか覚えられない。
(la) Feuilles mortesはイブ・モンタンのシャンソンで有名な「枯葉」であるが、枯葉とは「死んだ葉」であるという発想には日本語を知っているだけではなかなかなれない。
ある人が英語で「花が枯れた」ということを言おうとして言いよどんでいたら、dead ?と言われてそうかと眼からうろこがとれたと以前にどこかで読んだ。
発音がおもしろいというか、印象的な言葉にvagabondという語がある(私の辞書にはこのvagabondの文法上の性が出ていない)。この語にカナでつたなく発音を表記するとバガボンとなる。語尾のdは発音しない。これは名詞と形容詞の両方に使われるが、名詞では浮浪者とか流れ者と仏和辞典に訳がついている。
このvagabondはシャンソンの文句に時々出てきたりするが、なんだかロマンチックな響きをもった語である。
テニス仲間の弁護士Kさんがつい先ごろまでもっていたヨットの名がこのVagabondであった。このKさんは最近農業に関心をもって日曜農業をはじめたので、このヨットを手放した。
有名なマンガの「天才バガボン」のバガボンもこのフランス語に由来するのかもしれないが、そんなこととは無関係に漫画「天才バガボン」は世界的に有名である。
先ほどのヨットVagabondに返るが、このヨットに乗せてもらったある人の述懐によるとヨットの上では、人は錘の代わりにすぎないことがわかったという。お後がよろしいようで。