Heisenbergが不確定性関係を打ち立てたのは1927年のことだから、もう80年以上前のことになる。その不確定性関係が精密化されたと聞くと感慨なきにしもあらずである。
今朝新聞を見ていたら、『小澤流「不確定」仕分け』と出ていたので、あれまた小沢一郎氏がなにか政府に注文をつけたのかと一瞬思った。
よく見たら、そうではなくて名古屋大学の小澤正直さんが樹立したHeisennbergの不確定性関係の精密化のことだとわかった。その精密化された式も出ていた。「ゆらぎ」がそのキーワードらしい。
量子力学では粒子の位置とその運動量を同時には精確に測定できない。というのがHeisenbergの不確定性関係である。それに位置とか運動量の値のゆらぎを考慮して新しい不確定性関係式をつくったのが、小澤さんだった。ところがその当否を実験で調べられるようになったという。
小澤さんには悪いが、重箱の隅をつついたような研究だという評もありうるだろう。しかし、そういうところをきちんとするという研究は日本人のお得意の研究かもしれない。
電磁気学でのベクトルポテンシャルAの実在を実験的に示した、日立におられた外村彰さんの研究とかなかなか日本の研究には堅実なものが多い。
愛媛県の出身の研究者としては中村修二氏の青色ダイオードの発明とか、少し以前ならば近藤淳さんの業績もある。
これらの研究は各研究者の執念が感じられて私たち凡人には、なかなか真似が簡単にはできないものだが、日本の教育の画一性とか日本の理科系教育の貧困が言われたりするが、それでもそういう方がぽつぽつとではあるが、出ているということはある種の希望なのかもしれない。