物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

Nさん逝去

2016-07-09 13:25:03 | 日記
物理学者であった、N さんが亡くなっていたことを友人の E さんからの電話で知った。N さんは物理専攻であったが、工学部の電子工学科に勤めておられ、情報処理関係の講座をもたれていた。

最後には定年退職の前の10数年は情報工学科の教授であり、退職後はソフトの作成とかの IT 関連のサービスをする会社を設立されていたが、このころはもう縁遠くなっていたので、あまり何をされていたかは存じあげない。

ときどき大学の退職教官の会でお見かけしていたが、あまり言葉を交わすことがなくなっており、疎遠になってしまった。大腸ガンの手術をされたとか風のうわさで聞いたが、大腸ガンは手術が成功すれば、あまり心配ないとも聞いていたので、それほど深刻には考えていなかった。

私が彼を見かけた一番最後は昨年夏の安保法制の反対のデモで2度ほど見かけたのが最後だった。そのときに声をかけなかったが、お互いにその存在は認識していたと思う。

情報関係分野の人で割と初期に数式処理に関心をもった人の一人であり、大学を退職するころには数式処理学会の会長をされていたと思う。もっとも数式処理に関心をもったのは私の方が先であり、彼はそのころはむしろ数値計算上の効率的な処理を研究テーマにしていたと思う。数理解析研究所で当時あった研究会か研究グループのC & Aのメンバーであったと思う。その後、数式処理と数値計算を組み合わせたソフトの開発に研究の重点を移して行かれて、最後には数式処理学会の会長に選出された。

物理学者としてのスタートはNN散乱におけるBS方程式の数値的解法をテーマとされていて、学位もそのテーマでとられたと思う。

若い時にはいろいろと接触があり、いくつかの論文を一緒に書いたこともあるが、中年以降はあまり接触がなくなっていた。ご冥福を陰ながらお祈りする。