という東京書籍の本を金曜日に図書館で借りてきた。著者は高瀬正仁氏である。彼はヨーロッパの数学者の多くの著作の翻訳をされている方である。
私も海鳴社発行の『オイラーの無限解析』『オイラーの解析幾何』をもっている。特に『オイラーの解析幾何』の方は定価が1万円近かったのではないかと思う。これは第2巻はあまり売れないだろうということで定価が高く設定されていると海鳴社の辻さんからそう聞いた。
実はこの二つの書は前から手に入れたいと思っていたが、手を出せなかったので、私が『四元数の発見』を書いたときにその印税の一部で払って購入したものである。
ところで『近代数学史の成立』(解析編)(東京図書)は’おおあたり’の数学史書であり、数学の知識の乏しい私にはよくわからないながらに、印象的な書である。すべて読んだわけではないが、高瀬さんが具象的な数学をお好みであり、抽象的な数学は学ぶ喜びがあまりないと言われているのが特に興味深かった。
こういう数学史なら興味がもてそうである。自分で読みこまれた文献をもとに自分なりの近代数学史を書くのに彼ほど適任の人はいないだろう。ご自分の好みといっては失礼だろうが、この歴史観にしたがった数学のテクストを書いてほしいと切に願っている。
ただ、これは東京図書の要望だろうが、縦書きの数学史の書であり、これはやはり横書きの書にすべきであろう。出版社の見識が問われるところである。
高瀬は数学の本質は抽象性にあるのではなく、潜んでいる本質を具象のモノの中に見つけることにあるという。本質とは何かを追求する姿勢が気持ちがいいし、やはり本物の数学者という感じがする。日本の学問の世界では彼を正しく評価できるかといわれれば、そうでもないかもしれないが、少しづつ評価されているのではなかろうか。
私も海鳴社発行の『オイラーの無限解析』『オイラーの解析幾何』をもっている。特に『オイラーの解析幾何』の方は定価が1万円近かったのではないかと思う。これは第2巻はあまり売れないだろうということで定価が高く設定されていると海鳴社の辻さんからそう聞いた。
実はこの二つの書は前から手に入れたいと思っていたが、手を出せなかったので、私が『四元数の発見』を書いたときにその印税の一部で払って購入したものである。
ところで『近代数学史の成立』(解析編)(東京図書)は’おおあたり’の数学史書であり、数学の知識の乏しい私にはよくわからないながらに、印象的な書である。すべて読んだわけではないが、高瀬さんが具象的な数学をお好みであり、抽象的な数学は学ぶ喜びがあまりないと言われているのが特に興味深かった。
こういう数学史なら興味がもてそうである。自分で読みこまれた文献をもとに自分なりの近代数学史を書くのに彼ほど適任の人はいないだろう。ご自分の好みといっては失礼だろうが、この歴史観にしたがった数学のテクストを書いてほしいと切に願っている。
ただ、これは東京図書の要望だろうが、縦書きの数学史の書であり、これはやはり横書きの書にすべきであろう。出版社の見識が問われるところである。
高瀬は数学の本質は抽象性にあるのではなく、潜んでいる本質を具象のモノの中に見つけることにあるという。本質とは何かを追求する姿勢が気持ちがいいし、やはり本物の数学者という感じがする。日本の学問の世界では彼を正しく評価できるかといわれれば、そうでもないかもしれないが、少しづつ評価されているのではなかろうか。