物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

量子力学を学ぶための数学

2016-07-20 10:44:22 | 日記
「量子力学を学ぶための数学」というインターネットのサイトがあった。私は直接にはこの記事を書いた山形大学の遠藤龍介さんを存じ上げないのだが、彼の先生の故木村利栄さんから彼のことを聞いたことがある。

木村さんはいまはもうない広島大学理論物理学研究所の教授であり、遠藤さんは彼の学生であった。木村さんによれば、遠藤さんはよくできる優秀な人であるとのことだった。

いま、期限付きかどうか知らないが、木村利栄賞という賞が物理学者対象で出されている。木村さんは私の友人の Y. E. さんの先生であり、そういうこともあって晩年には親しくさせていただいた。

私が学生のときに、一時木村さんが私たちの学年に「物理数学」を教える予定になっていたらしいが、運悪く私たちの学年には T 君という彼の甥が学生として在籍しており、それが理由で彼の代わりに脇田仁先生が私たちの「物理数学3」を担当された。T 君は木村さんのお姉さんの子であった。

いつものごとく遠藤さんのことから思わず話がはずれてしまったが、なかなかこの「量子力学を学ぶための数学」というインターネットの講義録はおもしろいものであり、感心させられた。もっとも遠藤さんは頭の鋭い人らしく、私には書いていることに直観的についていけないところもあった。

実は昨日Diracのデルタ関数のことをインターネットで検索していて、この講義録に出会った。デルタ関数のことはしばし忘れてこの数学の講義録に読みふけった。

物理学者が書いた数学の講義ノートとしてインターネットに出ているもので、一番有名なのは学習院大学の田崎晴明さんが書いた数学講義ノートであろう。

これは多分「量子力学を学ぶための」とかの形容詞はついていなかったと思う。最近はこのサイトを見ていないので、なんともいえないが、多分インターネットに出ている、日本語で書かれた一番いい数学の講義録ではなかろうか。もちろん、物理学専攻の学生のためのという条件付きではある。

富山大学の栗本猛さんが書かれた数学の講義録もよかった。いずれも甲乙つけがたしである。

初等的な大学入学生のための数学の講義録で昔から有名なのは金沢工科大学の講義録であるが、これは一般の学生にはいいと思うが、もうちょっと内容の提示の仕方に努力する余地があると思っている。

もっともこの講義は次第にup-to-dateにはなっていると思うので、現在の様子を知らない。私の知っているのはもう数年も前のものである。