物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

近代数学史の成立

2016-08-13 12:07:16 | 日記
『近代数学史の成立 解析篇』(東京図書)は数学者で数学史家の高瀬正仁さんの書いた縦書きの数学史の書である。

大体、私にとって数学といえばわからないもの、理解できないものの最たるものである。もちろんそのごく一部を自分でも使ったり、数学史的な解読をしたり、したこともないわけではないが、全体としてはわからないものの集合である。

さて、この書は高瀬さんが自分が学んで読んだことのある、論文とか本をもとに語る、高瀬流の数学史書である。

何から何までも述べたものではないが、高瀬さんの個人的な研究や理解にもとづいて書かれており、その個々の内容は私には十分はわからないが、そのどの概念が重要かというような点が解きほぐされている。

もっともそこに書かれた概念をまったく理解できないのでこの書がわかったということにはならないのだが、それにしても何が枢要なものかはそこに示されている。

まだ、この書のごく一部しか読んでいないのだが、それでも魅力に満ちた書である。こういう書をまた自分で読み解く人もいるのかとも思うが、もうかなりの年齢の私にはその時間は残されてはいないだろう。

また、この一部を読み進めることができたら、再度この書について触れる機会があるかもしれない。

立憲主義

2016-08-13 11:35:00 | 日記
昨年の安保法案の審議のときに、憲法にこれが違反していると議論が多くの憲法学者から上がった。

もちろん、安保法案に賛成の憲法学者も少数はいたのだけれども、その大多数は憲法違反だという意見であった。

それはそれとしてそのころ問題になった言葉が立憲主義である。立憲主義というコトバそのものはもちろん知っていたが、単に憲法に基づいて政治をすることくらいの浅い理解しかなかった。

ところが、立憲主義の意味するところは本来国家権力を憲法という成文法で制約する、すなわち、縛るというのが本来の立憲主義の意味だとようやくそのころの新聞の記事で知った。そういう話も大学の教養課程で学んだ法学の講義で学んでいるはずだが、頭にはまったく残っていなかった。