以下で述べることは高校で私は教わったのだが、最近はどこで学ぶのだろうか。
昨年は夏目漱石の没後100年だった。英語ではSoseki Natsumeと言ってもいいのであろうが、彼くらいの有名人になれば、英語でもNatsume Sosekiとそのままの順序で言うのだと教わった。そうだとすれば、森鴎外はOgai MoriではなくてMori Ogaiでいいことになる。そのほうが確かに通りがいいであろう。もっともいつかのドイツ語のNHKのラジオ放送では森鴎外はOgai Moriであったが。
ついでに言えば、お寺の名前などで、たとえば法隆寺という奈良の有名なお寺があるが、これなど英語でもHoryuji Templeという。ji は日本語では寺を意味するので、ji が余分のような気がするが、やはり Horyuji Temple というのだそうである。いわば Horyuji というのが一つの固有名詞のように。そうだとすると松山で有名な観光の名所のである松山城は Matuyamajo Castle だろうし、石手寺は Ishiteji Temple であるのだろう。
実際に標識としてこういう表示が使われているのか確かめていないが、そういうものだとこれは高校のときに英語の先生であった、N 先生からお教わった英語の知識である。どうして60年以上も前のこんな些細なことを覚えているのかわからない。第一、そのことを教えた先生がそんなことを教えたということを今でも覚えておられるだろうか。
こんなことを私どもに教えてくれた N 先生は老齢だが、まだ I 市でご健在だと思うのだが、最近の様子を存じ上げない。 私はこの N 先生が授業の中で独り言みたいに言われる、このような一言が好きであった。学問の奥深さを垣間見せてくれるような気がしたからである。