で冬らしい天候である。
心があまり晴れ晴れしない。気候とか天気は個人の気分をも支配する。うがった見方かも知れないが、それはあると思う。
もう亡くなったある日本人の化学者がドイツでは冬には天候が悪いので、ドイツ人の精神が、この冬の時期にはちょっとおかしくなっているように思われるという彼の観測と見解を述べてくれたことがあった。
冬のどんよりした天気が続くことへ精神的なのうっぷんが2月または3月のファスナハットFastnacht(カーニヴァル)でようやく晴れるのだというのが彼の主張であった。
冬の天候が厳しいのは日本でも日本海に面した地方ではそうであろうから、ドイツに限ったことではない。それで一度太平洋側の地方に住んでみるともう二度と日本海側の地方には住みなくないと思う人もいる。しかし、自分の思いとは異なり結局職を金沢に得ることになった、知人もいる。
彼の出身大学は金沢大学であったから、そういう意味ではなじみのあるところに職を得たのだが、かなり長い間太平洋側の日本の地方で職を得たいと努力をしていたとは彼が金沢に職を得た後になってある方から聞いた。なかなか人生はままならないものである。
もっとも金沢市太陽が丘とかいうところに住んでいるとかで、そこにはたまたま別の知人も住んでいる。そして二人とも犬を飼っていて、朝の犬の散歩のときに出会う犬友達でもあるとか。もっとも実際に犬友達なのは後に述べた知人の奥様が前の知人と犬友達であるらしい。不思議な縁もあるものである。
もっともこの二人の知人とも久しく会ってはいない。