物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ちょっとした疑問

2017-01-24 13:24:47 | 日記

先刻書いたブログの終りに『千の太陽よりも明るく』というロベルト・ユンクの本のタイトルをドイツ語で上げた。

Heller als tausend Sonnenとしたが、ひょっとしてtausende Sonnenではなかったかしらと思い出した。それで検索をして見たのだが、どうも原題をあげたサイトに行きつけなかった。それで翻訳本の表紙がアマゾンに出ていたので、それを拡大して見たら、tausend Sonnenでtausende Sonnenではなかった。

こういうときに複数の語尾をつけないものかどうかはわからないのだが、その英訳の題名が理解不能であった。これにはBrighter than a Thousend Suns: A Personal History of the Atomic Scientistsである。

ここでよくわからないのはaと不定冠詞を用いておきながら後ろはThousend Sunsと千の太陽と複数にしている。どういう感覚なんだろうとわからなくなってしまった。

だれか英語のよく分かる方教えてください。

アマゾンの書評では3つしか星がついてなくて、このノンフィクションが発表された1955年当時は特異なノンフィクションであったが、いまでは著者のユンク自身も見解を変えてしまったとか書いてあり、訳者と編集者の追補が大いに必要になっているとあった。そこら辺がもっと詳しく知りたいところでもある。

私が文芸春秋社の訳本を読んだのは1960年前後であり、1955年よりも後だが、それでもその衝撃は大きかった。だが、その有名な書も追補が必要な時代が来ているとは知らなかった。

ちなみに1913年生まれのユンクは1994年に亡くなっているという。

(2017.1.27付記) ドイツ人の R 氏に昨夜聞いたところではtausendとはひと塊であって、複数という意識があまりないらしい。それでtausend(e)と語尾eをつけないらしい。また英語のa Thousend Sunsの方はThousend Sunsが一塊であり、そういうモノがいくつかあるのでそれらのうちの一つという意味で不定であるので a がついているのだという。バイブルにもそういう例があるという。

しかし、ここにいま書いたことは付記は R 氏の話の私の理解であり、もし間違っていても R 氏に責任はないことをお断りをしておく。


Vedetteの性は?

2017-01-24 11:26:25 | 日記

先日、en vedetteというフランス語の熟語について書いた。そのとき辞書を引いたときにいつでも注意しなければならない性について気をつけていなかった。

いま、vedetteは女性名詞のようだが、はてさてどうだったかとLe Dicoを引いてみると案の定女性名詞であった。だから普通にはune vedetteと不定冠詞をつけて覚えた方がいいのだ。フランス語の名詞は女性名詞と男性名詞がある。

これは自然の性とは何の関係もない。もっともお母さんはune mereでもちろん自然の性にしたがっている。でもla tableとテーブルがなんで女性名詞なのかは合理的には説明できない。語尾が-eで終わる名詞は女性名詞が多いが、un livre本のように-eで終わっていても男性名詞もある。それでもそれはむしろ例外で-eで終わる名詞はフランス語では女性名詞が多い。

英語には性という考えがないので、外国語として英語しか知らない人には名詞に性があると聞くと変に思うかもしれないが、性のあるのがヨーロッパの言語では普通である。

それもドイツ語なら、男性名詞、女性名詞に加えて中性名詞まである。たとえば子どもはdas Kind(ダス キント)である。少女を意味するdas M”adchenも中性名詞である。自然の性としては少女は女性であるのだが、言葉としてはどうしたものか中性名詞である。

混乱を招くのはフランス語では太陽はle soleilと男性名詞であるのに対して、ドイツ語ではdie Sonneと女性名詞である。これに対し、月はla luneとフランス語では女性名詞なのに対し、ドイツ語ではder Mondと男性名詞なのである。月とか太陽とかは一つしかないのでun soleilとかとは普通の文脈では不定冠詞をつけては言わないで、定冠詞をつけていうのが普通である。

もっともロベルト・ユンクのノンフィクション「千の太陽よりも明るく」の原題はHeller als tausend Sonnenとなっていた。これなどは特別の使い方であろう。