物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

辻信行さんの思い出

2021-12-01 11:58:51 | 本と雑誌
出版人であった、辻信行さんの思い出の文章を昨日書いた。まだ読みなおしはしていない。
 
海鳴社という小さな出版社をやっていた人だが、京都大学物理学科の出身だとはごく最近まで知らなかった。
 
イケメンのとても感じのいい人で、話していても、いつも気持がよかった。
 
とはいっても数度会ったことがあるだけである。それも1回にあった時間は最大でも2時間くらいだから、実際には最近ふうの表現だと、対面では合わせても4時間くらいしかあったことはない。
 
辻さんは私よりは5歳くらい年下の方であったが、なかなか謙虚な方でもあり、ある種の名伯楽という感じがある方だった(注1)。
 
海鳴社は世に知られた、吉田武さんの『オイラーの贈物』の最初の出版社であった。この本は理工学書としては3万部を売れたというベストセラ―である。
 
それに超電導の研究者である、村上雅人さんの、なるほどシリーズも『なるほど虚数』以下20数冊を出版されている。わかりやすいとの評判のシリーズである。
 
また、これは辻さんが海鳴社を開く前だが、蒼樹書房に所属されていたときに数学者の森毅さんに頼んで書いてもらった『異説 数学者列伝』(蒼樹書房)も忘れられない。
 
私の『四元数の発見』を出版してもらう契機になった、堀源一郎『ハミルトンと四元数』の出版社でもある(注2)。
 
 
(注1)ここで、名伯楽というのは名馬を見出すの能力をもった人というくらいの意味で使っている。ここでは、いい本となる原稿を見つける能力をもった人ということである。
 
(注2)ここに書いたのと似たような記事だが、「数学・物理通信」7号か8号だったかにも書いたので、そちらも参照してほしい。

(2024.7.12付記)
私のE大学勤務時代に数年同僚だったNさんが、この辻さんと大学時代に同期であったことを最近知った。

それも名前のアルファベット順が近かったので(NTSという順番なので)教養部時代の学生であったときに化学の実験だったか物理の実験だったかのパートナーだったとかともNさんから直に聞いた。

世の中は広いようで狭いものである。
 
 移り実験だったか