大阪の北新地のビルでの24名の死亡のあとで、新聞でもテレビでもきちんとした反省がなされていないので、一言述べておきたい。
京都アニメーションビルの火災で36名の方が亡くなった。このケースを教訓としてそのような同種事件に対策がもう取られているのかと思っていた。
妻がテレビで見たことを話してくれたが、少なくとも2か所以上に出口というか、非常口があるビルでなければ、建築の許可おりない法律はできているのだが、その法律の施行以前にできたビルにはその法律は及ばないのだという。
大学の教養部での法学の講義でも、法律のできる前にあるものには、後で施行された法律の順守の効力は及ばないのだと、そういう話を聞いた覚えがあるが、こういう事態が起こるとすれば、その普通の法律の常識をこの場合には変えて改善を促すことが、やはり人間の良識にかなっているのではないだろうか。法律といえども人間社会のためにあるのだから。
以前には、武谷三男という物理学者がおられて、こういう事故にはどう考えたらいいかとか警告を発しておられた。現在にはそういう方がおられなくなって、先日の朝日新聞の社説でも確かに出口が2か所以上あることの必要性を言及してあるが、もう一つ突っ込みができていない。
これは多分に法律の建前の前に議論の突っ込みが十分でないためであろうか。人がこういう災害にあって亡くなっている以上、法律の専門家にはどういう法律のありかたでならないといけないのか、再度考えてもらいたいと切に希望する。