朔日念力を取りあげたから空中浮揚も取りあげておこう。空中浮揚ということができる教祖様ということでオウム真理教の教祖、麻原さんが注目を浴びたことがある。
本人が飛び上がった写真を撮って宣伝し、超能力があるとして人をひきつけて話題になったのだが、もちろんまやかしである。
もしそれがいつでもできるのならば、車など必要がないのだが、実際には本人が使っていた車はドイツの高級車ベンツ(ドイツではメルツェ―デスという)であった。これなども瞬間的に空中に飛び上がるのは訓練するとできるようになるのだろう。
しかし、それでふらふらと雲が空を飛ぶようにどこへでも飛んでいけるかというとそういうことはできない。そういうことは将来には空飛ぶタクシーで実現できるかもしれないが、それは物質的な基盤がある技術である。
もし空中浮揚ができるのならば、それで生産的な仕事をしてほしいということである。そういうことはできないものは、世間では存在しない、またはできないとしても仕方がないではないか、というのが哲学の立場であろう。
しかし、そういう単純な話を聞く機会さえほとんどないから理系の人でも惑わされてしまう。