物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

遠山啓と武谷三男、その後

2023-06-28 12:12:27 | 数学
遠山啓と武谷三男の両者の著作目録を作成したのは日本人では私だけであろう。武谷三男の著作目録とか業績リストは「素粒子論研究」電子版に出ている。

一方、遠山啓の著作目録は私の発行している「数学・物理通信」の11巻号外号(2021.12.24)に掲載している。ある数学教育史家の方の強力な協力を得てこの改訂版を出そうとしている。

ところが、アマゾンコムで遠山啓で検索すると新しい文庫版とか新書版が出ているのだ。武谷三男の方は調べていないからわからないが、遠山さんほどには著書(これはいずれも旧著ではあるが)が、どんどん文庫等で出される著者はあまりいないのではないか。

武谷は生前まったく教科書風のテクストを書かなかったわけではないが、一般にテクスト風の著書を書くのを嫌ったという風に思われる。しかし、岩波講座「現代物理学」の「原子炉」は小冊子ながら、名著だといわれている。

数学者の道を捨てて、数学教育者としての道をある時点で選択した遠山にはテクスト風の著書も多い。そのためだろうか。没後45年にもなろうかという方とは思われない。しかし、どこにその違いが生じる原因があるのだろうか。

私はどちらの方も好きで二人の著作目録をつくったりしている。元物理屋の私としては自分自身への影響として武谷三男の方が大きいかと思われるが、どうもそうとばかりは言うことができなさそうでもある。

(2023.11.26付記)
「遠山啓博士の著作目録」改訂版を数学・物理通信13巻号外号に掲載した。インターネットでも読むことができるはずだ。それに雑誌「数学セミナー」で桃子のお知らせが12月号には載っているはずである。まだ私は12月号を見ていないのだが。

「数学・物理通信」13巻3号の発行へ

2023-06-28 11:20:46 | 本と雑誌
「数学・物理通信」13巻3号の発行がようやくできそうになった。昨日完成したといっていいのだが、30日に発行の予定である。これはわざと数日手元においておくという慣習にしたがっているからである。

つぎにこれはもう6月中には発行ができないので7月にずれこむが、13巻4号の編集にとりかかりたいと思っている。二つほどすでに投稿原稿はある。それに私が昨日一昨日に書いた「cos xとsin xの値の求め方」のlatex入力ができれば、原稿はおよそ整うことになる。

それから今年中は数学・物理通信を休刊したいと思っているので、そのお知らせも書く必要がある。場合によっては休刊期間は長引くかもしれない。しかしできるだけ来年の3月には14巻の発行をしたいと思っている。



cos 15º, sin 15ºの求め方

2023-06-28 10:51:22 | 本と雑誌
cos 15º, sin 15ºの求め方は少なくとも二つはある。

一つは半角の公式で15ºのsin と cosとを30ºのサインとコサインから求める方法である。

または加法定理を使って、45ºと30ºの角度の差15ºの値を求めてもよい。ところがこの二つの求め方の値が見掛け上で異なっている。一つは二重根号で表されるが、一方はそうではない。

あわてて二つの値が同じことを確かめたが、私は高校で学んだことのある二重根号の外し方を忘れてしまっていた。それで今朝早くそれを高校数学の学習書で復習をした。この学習書は高橋一雄『語りかける高校数学』数 I 編(ベレ出版)である。