副詞をつければ関係が相対的に薄くなる。
こういわれてすぐにそうだとわかる人はかなりの外国語の達人であろうか。
昔、小田実のエッセイを読んでいて、本当に女性を好きになったら、I love youとしか言わないとか書いてあるのを読んだ。I love you very muchなどと言ったら、私のことをあまり愛してはいないのだなと判断されるらしい。
これはその後フランス語の学習で知ったのだが、
Je t'aime beaucoup.
とか
Je t’aime bien.
といわれたら直訳だと「君をとても愛する」だが、これは「君のことがわりと好きだな」か「君のこと結構好きだよ」くらいで「君をとても愛する」ではないという。
本当に愛しているなら、絶対にbeaucoupとかの形容詞とか副詞を一切つけてはいけないという。表現としてそうなのだということを知らなくてはならない。
私などはラジオとかテレビとかでフランス語を学んでいるが、あまり学校の教室で学んだことがない。50年以上もフランス語を学んでいるので、そういうことをたまたま知っている。
もっとも50年以上もの間でもほんの数回しか、このことにふれたことを聞いたことがない。