小川洋子さんの『博士の愛した数式』(新潮文庫)の一部をNHKのラジオ・スペイン語講座で教材として使っているのをながら族の私は聞いた。
その放送で知ったことは次のことである。
2以外の素数はすべて4n+1または4n-1と表される。ただし、nは自然数である
小川洋子さんが小説の中で挙げている例は19と13である。
19は4で割ると、商として4が立って余りが3である。しかし、4に5をかけると20となってこれから1を引くと19となる。したがって、19は4n-1のタイプの素数となる。一方、13のほうは4で割ると商3が立って、あまりが1となる。これは4n+1タイプの素数である。
私も一つ例をあげよう。11を考えよう。4に3をかけると12になって、12から1を引くと11が得られる。すなわち、11は4n-1タイプの素数である。
もっと大きな数を上げてみよう。3659は4に915をかけると3660となり、これから1を引くと3659が得られる。これは4n-1タイプの素数である。
みなさんも少し素数でこの命題が真かどうか試してみてはどうだろう。この命題の証明があるのだろうが、私は知らない(証明は付記参照)。
その証明を知る前にこの命題があまねく成立していることをもっと多くの数値例で見ておいた方がいいだろう。
(2015.9.4付記) まったく何も考えないで 2 以外の素数が 4n-1 か 4n+1 であることの証明を考える前に、いくつかの例を当って見た方がいいのではないかと書いたら、中西先生(京都大学名誉教授:場の量子論の大家)よりこのことは自明だとのコメントを頂いた。
まず、すべての整数を 4 でわれば、あまりが 0, 1, 2, 3 のいずれかになる。
しかし、2 以外の素数はすべて奇数であるから、あまりが 0 と 2 の場合は除外できる。そうするとあまりは 1 か 3 ということになるが、あまりが 1 の場合は 4n+1 で表せる場合だし、あまりが 3 の場合は 4n+3=4(n+1)-1 と表せるから、2 以外のすべの素数は 4n+1 か 4n-1 と表せる。
ちょっと頭を働かせばよかったのであるが、まったく考えなかったという悪い例である。
中西先生、有難うございます。
素数として偶数なのは 2 だけでそれ以外の素数は奇数であるということは言われてみればその通りだが、数というものにあまり関心のない私は考えたこともなかった。
2 以外の偶数を考えるとすくなくともその数自身と 2 で割り切れるし、1 でも割り切れるから 2 以外の偶数は素数という定義からはずれる。従って、偶数の素数は 2 だけで、それ以外のすべての素数は奇数である。
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