物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

花粉症と酒

2009-03-11 12:39:42 | 健康・病気

花粉症にあるお酒か焼酎がいいとは前に聞いたことがあったが、本当かと思うようなことを経験した。それは月曜の夜に1月に京都南座での前進座の観劇の次の日に伏見稲荷に参拝した後に清酒月桂冠の記念博物館を見学したが、そのときに参加者にくれた月桂冠の清酒の小さなカップをいくつかもらった。その一つを月曜日に夕食のときに飲んだ。そのせいかどうかはわからないが、昨日の火曜日は全く花粉症の症状がでなかった。

症状がまったく全快したかのごとくすっきりしていた。テニスに夜行ったときもメンバーの中での大きな話題がこの花粉症であったが、そのときには私には日曜のひどい花粉症がうそのようにまったくなかった。昨日杉の花粉がまったく飛ばなかったという可能性もあるが、昨日は暖かかったし、また天気も悪くはなかったから、花粉があまり飛ばなかったとは考えられにくい。そうだとすればやはりあの清酒のせいだとしか思われない。

小さなカップに2杯かそれより少し多いぐらいだったが、日ごろあまり飲まない私には十分だった。それで思い出したのだが、沖縄の八重山諸島の産の清福とかいう酒か焼酎を朝晩に茶さじ一杯くらいを飲むと花粉症にいいといわれており、それを聞いた妻が以前に一本を買ってくれたことがある。

それで症状が抑えられたかどうかはわからなかったが、このように効用があるのなら、もう一度試して見ようとおもって昨夜寝る前に少し飲んで寝た。残念ながら朝方に洟が出たから効用はわからない。それに内服薬を飲んでいるから、こちらの効用かもしれない。だが、昨日すっきりとした状態であったことは間違いがない。それは夜まで続いていた。


最大公約数

2009-03-10 13:21:35 | 数学

以下の文章は最大公約数についての数学エッセイの書き出しの一部である。このエッセイには昨日に触れたユークリッドの互除法も書くつもりである。

小学校の5年だったときに遠い親戚にあたるM先生に国語と算数を習いに行った。このM先生は小学校に見習い教員として入り、長年小学校の教師を勤められた方であったが、本当はとても優秀な方であって、現在の広島大学教育学部の前身である、広島高等師範学校の学生だった方である。体が弱くて卒業前の数ヶ月を病気のために学校に通えなかったために、学校を退学されたと聞いている。

高等師範学校の方からは数ヶ月(多分3ヶ月)の授業料を納めれば卒業証書を出すとまで言われたらしいが、自分は最後の数ヶ月を学校に通えなかったから、「卒業資格がない」と自分に厳しく律せられて、その後小学校の見習い教員として入られた方であった。

詳しい経歴は存じ上げないが、多分60歳近くまで小学校に勤務された後に退職されて、年金生活の傍らに近くの小学生を教えていたのだと思う。体が弱くて病気がちだったために一生結婚されず、独身を通された方であった。とても人のよい、かつ自分には厳しい方であった。

M先生の思い出に終始してしまいそうだが、最大公約数の求め方を話すにはどうしてももう私自身も忘れてしまっていた、M先生のことを語らずにはいられなかった。

そういうM先生のもとへ学びに通っていたある日のことである。「分数を約分しなさい」という宿題があった。そこに出ていた分数は大抵簡単に約分ができたが、一つだけ簡単に約分できそうにないない分数があった。

いくら私が記憶力がよくても、10歳か11歳の頃のこの約分の数値は覚えているはずがないので、いまここでそういう分数を自作してみよう。この分数がいま仮に91/119であったとしよう。しばらく考えてもどう約分したらよいのか私にはわからなかったので、M先生に尋ねた。そうするとその分数をちょっと問題を眺めた後に「7で割ってごらん」と言われた。私にはその
ときとても思いつきそうな数ではなかったので、「どうやって7をみつけたのですか」と尋ねた。そうすると先生は微笑んで「経験ですね」と言われた。

確かに分子、分母を7で割ってみると91/119=13/17と約分できた。また、この分子、分母はもうこれ以上は約分できそうになかった。ということでこの日の勉強は終わり、先生にお礼とさよならを言って家に帰った。

なんということもないある小学生の一日であった。なんで、こんなおよそ60年近くも前のことを思い出したのだろうか。これはそのときの私の印象がよほど強かったからにちがいない。


ユークリッドの互除法

2009-03-09 11:36:27 | 数学

昨日の日曜日は一日コタツにあたって、新聞を読んだり、本を読んだり、TVを見たりしてすごした。

e-learingのコンテンツの作成の役に立つかと思って遠山啓の「数学の学び方・教え方」を久しぶりに取り出して読んでいた。

この本は第1章と第2章の量と数のところは前にも読んだが、その後の部分は読んだことがあるのかどうかはっきりしない。それで、最終章である第5章の変数と関数のところをまず読むことにした。

それが読み終わったので、第4章の空間と図形のところを続けて読んだ。そして、読んでよかったと思った。それは最大公約数の求め方の一つである、ユークリッドの互除法のことが明確に説明されていたからである。

最大公約数のことを数学エッセイに書こうと思ってすでに以前に書き出していたが、このユークリッドの互除法のことがいま一つすっきりと分かっていなかったからである。

もちろんやり方はわかっているが、人に説明しようとするときにどうも明瞭ではなかった。それはまだ十分にこの算法をわかっていなかったということだろう。それが明瞭に説明をされていたのだ。

遠山の「数学の広場」というシーリーズの本をもっているので、それに書いてあるとは思うのだが、それを前に取り出しはしたが、詳しく読んではいなかった。

それでやっと「最大公約数の求め方」ー森田先生の思い出ーと題する数学エッセイの続きが書けそうになってきた。「小人閑居して不善をなす」とかいうが、私の場合はようやくユークリッドの互除法がわかったという成果があった。

これは吉田武さんの「素数夜曲」という本に式で説明があるが、その説明には満足していなかった。わかることは理屈だけの問題ではないのだ。


知人の転勤

2009-03-07 13:16:10 | 日記・エッセイ・コラム

学期末である。それでというわけでもないのかもしれないが、知人が転勤することを知った。その知人は優れたGermanistであるが、出身の大学から呼び返されたという。

それで一家を15日に招待することにした。しかし、子どもさんが二人おられ、奥様も働いているのですぐに一家で引越しというわけにはいかなくて、一時的に単身赴任らしい。

そういえば、統計学者の方がM大学からR大学へ転勤されたと聞いた。こちらの方はご本人を存じ上げなくて奥様しか存じあげないのだが、東京に住まわれたという。

実は私たちの子どもの一人がやはり東京でこの方の比較的近くに住んでいるらしい。一度訪ねてみたいと妻が言う。そういうことが本当にできるかどうかはわからないが、それもいいかもしれない。


e-Learningの広がり

2009-03-05 19:12:18 | 学問

ごく最近の大学生の学力の低下は国立大学でも地方大学でははなはだしい。

そのせいもあってか大学の中で教育改革シンポジウムという名のシンポジウムが盛んに行われている。私の友人もE大学でそれに関係しているのだが、先日自分で彼と私のe-Learingについて発表をし、また別のシンポで他の人の取り組みを聞いたという。

それによると化学と生物ではe-Learningのコンテンツが作成中であるが、物理と数学では作成がされていないということだった。それで私たちの取り組みがその計画に入って欲しいということだったらしい。

友人からすぐにメールが入って一緒に作成に加わっていいですかとの要請があった。私としては反対するところは全くないのでOKとの返事をすぐに出した。

数学と物理の先生がe-Learingに加わらない理由は多分多忙ということが一番の理由だろうが、それだけではなくこれらの学科はあまりe-Learningになじまないというのも理由にあるだろう。

かなり以前のことになるが、ある数学の先生がそういう事情の視察にアメリカやヨーロッパを回ってその様子をある会でお話された。

それによるとそういうe-Learingのコンテンツとか講義ノートとかいうものは大学での大きな財産の一つであって、欧米の大学ではそれをまとめる手助けをする学内の機関までつくられているという。

ところが、それらの教材とか何かのコンテンツがあるのは数学とか物理ではあまりないとのことであった。情報とか環境学とかそういう分野が多いということだった。

それはどうしてですかと、そのときに質問をしたら、やはり学問の性質、本の中の一行の意味とか一つの定理なり、系なりが理解できないとき、わかるまでに一日も二日もあるいは1週間も、長ければ1ヶ月もかかるのは数学では珍しくない。

そういう学問の性格からお手軽なと思えるe-Learningのコンテンツとか講義録とかテレビの放送のDVDとかができ難いのだろうとのことであった。

それは数学とか物理の程度の進んだ分野ではそうであろう。だが、いま私たちがやろうとしていることはそういう進んだ内容ではない。高校から大学にかけての理工学の基礎となる分野の数学や物理の内容に話を限っている。だから、これらの分野でのコンテンツができないはずはない。

それにごく最近ではインターネットでちょっと検索をしてみると各大学でもそういう試みは大なり小なり行われている。その中には体系的なものもある。有名なのは金沢工業大学の試みであろう。数学に関していえば、高知工科大学にもe-Learningの」コンテンツがある。

ただ、これは前にも言ったと思うが、もう少し工夫をされてもいいと思っている。それで独自性を出すことを試みようとしているのだが、その分だけ進行が遅くなる。

もちろん、独自性を出すといっても完全な独自性というのはなかなかあり得ない。結局は誰かの試みの2番煎じだとか3番煎じにしかすぎないのだけれども、それでもなんとか独自性を出したいと願っている。


「対数とは何か」の推敲

2009-03-04 10:31:27 | 数学

「対数とは何か」の原稿がほぼできたと先日ブログで書いたが、なお推敲している。

読み返すと何かつけたしたいところが出てきてしまう。2日ほど前にもう最終稿としようと心に決めたのだが、また気持ちが揺らいでいる。

対数を定義する方法がいくつかあるのでそれについて補足をしたほうがいいのではとか、1/xの1からxまでの積分で自然対数を定義した後に、その積分の性質を用いて対数の性質を導く方法を知ったとかいうことが原因である。

そろそろ来年度の基礎物理の講義の準備もしなくてはならないし、これから忙しくなる。

それに遅遅として進まぬe-Learningの図形の入力もある。もっとも大事なことはこれのコンテンツをまがりなりにも小さい範囲の「代数」のところだけでもいいから完結をしなくてはならない。

しかし、遅遅として作業は進まない。

(2013.11.10付記) この「対数とは何か」は徳島科学史雑誌No.27 (2008) 11-16に発表した。結論は一言でいうと、対数とは指数と同じものである。ただし、焦点のあて方は対数と指数で異なる(注)。

私は同じものを指数というときを指数表示といい、対数というときは対数表示ということにしている。

また、対数関数と指数関数とは互いに逆関数であり、上に述べた対数と指数とは違う。

だから、対数とは指数と同じものであるというとき、対数関数とか指数関数のことをいっているのではないことに注意しなくては話がおかしくなる。

(注) このブログは2009年3月に書かれているので、上記の徳島科学史雑誌のエッセイとは時間の関係から違うと思われる。だが、自然対数の底のeの導入のしかたについての説明などを除けば、上のエッセイで要点は尽きている。


チャート式新物理

2009-03-03 11:37:04 | 物理学

「チャート式新物理」(数研出版)が面白いということをN先生に聞いたので、インターネットで購入した。本体の値段は1円だが、送料が340円かかった。多色刷できれいだし、科学者の短い紹介もある。

N先生もどこかの古本屋で購入したと言う。確かに分かりやすそうである。印刷もきれいだし、本もきれいである。

実は昨日これを書いてブログに載せようとしたらなかなか時間がかかって保存されなかった。仕方なく今日もう一度入れなおしているというわけである。

日本の受験参考書はなかなかよくできているものが多い。受験参考書と言って馬鹿にしていけないと思う。

私はもう受験などとは関係がなくなってしまった。

受験のためといった狭い目的ではなくもっと広い目的でe-Learningをつくろうとしているが、それでも受験参考書のいいところがあれば、遠慮なくどしどしとりいれるべきだと考えている。