【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「旧優生保護法一時金支給法改正案」はいずれにせよ必ず提出へ 今国会 超党派議法で 

2024年02月03日 16時04分03秒 | 既に提出された【法案】
[写真]ある夏の8月第1土曜日の昼下がり、荒川河川敷近くのUR住宅(国交省住宅局所管)の玄関前で語り合うふたり、宮崎信行撮影。

 「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(平成31年法律第14号)の初の改正法案が今国会に提出されるはこびとなりました。
 
 同法は、その第5条第3項で「請求は、施行日から起算して五年を経過したときは、することができない。」とあります。附則には「第五条第三項に規定する請求の期限については、この法律の施行後における請求の状況を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする」ともしています。

 このため、4月23日に期限が来るため、5年間延長する法案が、超党派議連から必ず提出され、可決し、成立するはこびとなりそうです。

 旧優生保護法をめぐっては、憲法違反の法律は、民法不法行為の除斥期間の20年間で失効しないという地裁・高裁判決が五分五分で出ています。このため、最高裁判所は近々統一判断を決定することになっており、これは民法の大きな判例となります。

 この訴訟を別としても、第4条「一時金の額は、320万円とする」の額が少ないともされています。

 このため首相は厚労省に電話してくれれば、一人ひとり丁寧に対応すると国会中継で呼びかける乏しい実績になっています。

 一時金の額をどうするかも超党派議連で議論されることになります。

 今国会では、旧統一教会の支持があつかった旧安倍派の面接で公募された柴山昌彦元文部科学相が推進した「共同親権を離婚後も可能にする民法改正案」も提出されます。議員の家族観、死生観、宗教観が問われることになります。

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第213回通常国会の閣法の法律案・条約承認案の全タイトル、そして「検討中」に先送りされた法律案の全タイトル

2024年01月31日 20時54分53秒 | 既に提出された【法案】

 きょうは、立憲の政調・国対合同の各府省庁法案ヒアリングで、第213回国会の提出予定法律案、条約承認案と、「検討中」とした法律案のタイトルをすべて書き取ってきました。
 但し、金融庁、財務省、環境省、防衛省の3省1庁は提出予定時期を明かしませんでした。内閣官房内閣参事官室作成の資料には載っていると思いますので、後日分かれば、付記するかもしれません。
 また、「検討中」→「提出予定法律案・条約承認案」の順にしました。外務省のところに条約も含めています。


第213回通常国会 政府提出予定法律案・条約承認案


検討中

内閣官房
サイバー安全保障の確保の確保の推進を図るための法律案 検討中

内閣府
独立行政法人日本男女共同参画推進機構法案 検討中
男女共同参画社会基本法の一部を改正する法律案 検討中

公正取引委員会
スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案 検討中

法務省
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法を改正する法律案(仮称) 検討中
建物の区分所有等に関する法律案及び被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(仮称) 検討中

こども家庭庁
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案(仮称) 検討中

以下は、提出予定法律案・条約承認案の件名 閣議決定・国会提出時期

内閣官房
重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案(仮称)2月下旬

内閣府
本府
経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案 2月下旬
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案 3月上旬
公益信託に関する法律案(仮称) 3月上旬
地域再生法の一部を改正する法律案 3月上旬
海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案 3月上旬
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(仮称) 3月上旬

警察庁
銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案 2月下旬
道路交通法の一部を改正する法律案 3月上旬
自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案 3月上旬

金融庁
金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案 不明
事業性融資の推進等に関する法律案(仮称) 不明

こども家庭庁
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案 2月中旬

デジタル庁
情報通信技術の活用による行政手続き等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案 3月上旬

総務省
地方税法等の一部を改正する法律案 2月上旬
地方交付税法等の一部を改正する法律案 2月上旬
日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案 2月下旬
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案 2月下旬
地方自治法の一部を改正する法律案 3月上旬
放送法の一部を改正する法律案 3月上旬

法務省
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 2月中旬
総合法律支援法の一部を改正する法律案 2月下旬
民法等の一部を改正する法律案 3月上旬
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案 3月中旬
出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案 3月中旬

外務省
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 2月上旬
二千二十七年国際園芸博覧会政府委員の設置に関する臨時措置法案(仮称) 2月上旬
グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)政府間機関の設立に関する条約(仮称) 2月下旬
日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定 2月下旬
投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアンゴラ共和国との間の協定 2月下旬
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とギリシャ共和国との間の条約 2月下旬
経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定を改正する議定書(仮称) 3月上旬
航空業務に関する日本国政府とクロアチア共和国政府との協定 3月上旬
社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との協定 3月上旬
刑事に関する共助に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約 3月上旬
国際復興開発銀行協定の改正(仮称) 3月上旬
欧州復興開発銀行を設立する協定の改正(仮称) 3月上旬
千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の二千九年の改正 3月上旬

財務省
所得税法等の一部を改正する法律案 不明
関税定率法等の一部を改正する法律案 不明
国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案 不明
国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案 不明

文部科学省
学校教育法の一部を改正する法律案 2月下旬

厚生労働省
生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案 2月上旬
雇用保険法等の一部を改正する法律案 2月上旬
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案 3月上旬
再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案 3月上旬

農林水産省
食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案 2月下旬
食料供給困難事態対策法案(仮称) 2月下旬
食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案(仮称) 2月下旬
農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案(仮称) 3月上旬
特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案 3月上旬
漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律 3月上旬

経済産業省
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(仮称) 2月中旬
二酸化炭素の貯留事業に関する法律案 2月中旬
新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(仮称) 2月中旬
消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案 3月上旬

国土交通省
奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案 2月上旬
広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案 2月上旬
都市緑地法等の一部を改正する法律案 2月中旬
流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案 2月中旬
建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案 3月上旬
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律案 3月上旬

環境省
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案 不明
地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案 不明
資源環境の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案(仮称)不明

防衛省
特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案 不明
防衛省設置法の一部を改正する法律案 不明
風力発電設備の設置等による電波の伝搬障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するための措置に関する法律案(仮称) 不明

以上です。 

【法案】一括法施行から24年で歴史的転換、国の自治体に対する指示権を包括委任する「地方自治法改正案」が第213回国会に提出

2023年12月16日 20時34分56秒 | 既に提出された【法案】
[写真]全国都道府県議長会が入るビル、先月、宮崎信行撮影。

 国と自治体を対等の関係にとどめながら、「国の指示権」を包括委任する規定を日本で初めて加える「地方自治法改正案」(213閣法 号)が令和6年2024年1月召集の第213回通常国会に提出されることがあきらかになりました。

 きのう、第33次地方制度調査会がまとめた報告書。現状を「事務処理の違法等の是正のため」に指示できるが、個別法に規定がなければ、合法の事務処理では指示できないと整理。そのうえで「国が地方公共団体に対し、地方自治法の規定を直接の根拠として、必要な指示を行うべきだ」と強い表現で提言しました。

 一括法施行後の現行法にも、次のような「指示」規定があります。

漁業法(昭和24年法律第267号)
(農林水産大臣の指示)
第66条 農林水産大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、都道府県知事に対し、海区漁場計画を変更すべき旨の指示その他海区漁場計画に関して必要な指示をすることができる。

感染症法(平成10年114号)
第14章 雑則
(厚生労働大臣の指示)
第63条の2 厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、この法律(第8章を除く。次項において同じ。)又はこの法律に基づく政令の規定により都道府県知事が行う事務に関し必要な指示をすることができる。

 法文が「命令」でなく「指示」なのは、国と自治体が対等な関係だからです。国と自治体が対等な関係のままにしつつ、国の指示権を一律で包括的に定めた法改正となり、2000年以降の地方自治制度の歴史的転換となりそうです。

 2014年の閣議決定による解釈の変更以来の日本国憲法のなし崩し改憲の流れが続きそう。

 第32次地制調は法改正がなかったものの、第33次は中間報告でことし4月に改正され「議会の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない」といった前向きな条文を追加しました。国会審議は、当時は第20回統一地方選のさいちゅうで、衆・委員会はわずか3時間審議1巡目で採決され、全国からの意見はなかったようです。

 「飴と鞭」のプログラムで、法案が出てきますが、今の衆参の議会構成では抵抗は限定的となりそうです。

 以上です。

【閣法】首相、2024年通常国会に「トラック運転手の賃上げ法案」を提出へ

2023年09月29日 16時46分50秒 | 既に提出された【法案】
[写真]矢田わか子首相補佐官=左胸は「前議員バッジ」きょねん2022年12月、内閣府8号館で、宮崎信行撮影。

 日本やアメリカで、陸上輸送の運転手が不足する「2024年問題」で、首相はきのう、都内を視察し、「賃上げ原資の確保のための適正な運賃の収受などに向けて、次期通常国会での法制化、これも進めていきたいと考えています」と語りました。

 令和6年1月召集の通常国会に、「トラック運転手賃上げ法案」が提出されるはこびとなります。

 国土交通省なのか、公正取引委員会なのかは不明です。
 また、バス運転手の人手不足も深刻ですが、地方公務員が多いため、別建てとなると考えます。

 首相の視察には、矢田わか子・賃上げ担当首相補佐官と斉藤鉄夫国土交通大臣も同行しました。

 以上です。

【閣法】「食糧増産命令法案」が「基本法案」から切り出して通常国会提出か「食料・農業・農村基本法改正案」は早々に農水省が有識者の最終とりまとめを決定

2023年09月27日 23時44分52秒 | 既に提出された【法案】
[写真]宮下一郎農相、4年前の2019年2月、長野県長野市で宮崎信行撮影。

 農林水産省は、今月2023年9月11日に「食料・農業・農村基本法」の改正の審議会が最終とりまとめを出し、野村農相(当時)が受け取りました。来年1月の通常国会に法案が出ますが、異例の早い日程で、森山裕・自民党総務会長らの自民党内チームが、事前審査でもむことをねらっているとみられます。

 法案提出よりも以前のことし中に、政府与党が予算付けで既成事実化するメニューもあるかもしれません。

 最終とりまとめは、次のような文章が入りました。

 最終とりまとめは「不測時に国民が最低限度必要とする食料について議論した上で、食料安全保障のリスクに応じ、備蓄の放出、買い占めの防止等の初期的な対応に加え、増産指示や流通規制、調達の指示、究極的には食料の配給等、様々な措置が考え得るところであるが、現在、不測時の対応の根拠となる「国民生活安定緊急措置法」や「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(食糧法)等で十分な対応を講じられるのか、必要な義務的措置やそれに関連する財政的な措置等の必要性等について、再度検証を行うべきである」と書き込まれました。

 このため、来年の通常国会には、基本法改正案と別に、「国民生活安定緊急措置法及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」を改正する法案または、食糧安全保障新法案が提出されることが、ほぼ確実視されることになりました。

 九州・畜産族農相が続きました。内閣改造で、長野県選出では、羽田孜農相、若林正俊農相に続くおそらく3人目、宮下一郎農相が誕生しました。「南信」からは史上初の農相である可能性が高いです。が、衆議院北陸信越ブロック5県で唯一同県だけ「コメ」が県別出荷額首位ではなく(3位)、宮下さんの長野5区は、殖産興業の発展の地であり、人口に占める第1次産業従事者の割合は10%未満のようです。

 省の増産要請に応じたら助成金がJAを通じて振り込まれるしくみはありますが、「増産命令」となると、太平洋戦争時の国内の芋をほうふつとすることにもなります。宮下農相のお父さんは、どちらかといえば明治維新で辛酸をなめた地域が多い長野県ではおそらく唯一の陸軍士官学校に入学した(終戦で東大法学部→大蔵省)経験がある国会議員経験者であり、農業者から異例の高支持となっている「2013年からの自民党の増収農政」が曲がり角を迎えるかもしれません。

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【閣法先送り】「日本版DBS法案」は次の臨時国会から来年に先送りへ、加藤鮎子大臣の「政治とカネ」

2023年09月27日 23時19分58秒 | 既に提出された【法案】
[写真]財布から現金を取り出す、加藤鮎子・こども家庭庁担当大臣、4年前の2019年、宮崎信行撮影。

 前大臣が第212回臨時国会(召集日まったく不明)への提出を断定に近いかたちで述べていた「日本版DBS法案」が、加藤鮎子大臣の「政治とカネ」の追求を避けるために、来年に先送りになりそうです。
 加藤さんはきのう(2023年9月26日)の定例閣議後記者会見で、「提出断念等々を書かれた記事報道については承知をしておりますけれども、現在ご指摘の法案のスケジュール等については定まったものがございません」と述べました。

 女性記者から「党内からは大臣が就任直後に政治とカネの問題で対応に追われていて、日本版DBSの調整がそれによって進まなかったのではないかと指摘する声がありますが、ご本人としてどのように受け止めますでしょうか」とつっこまれた加藤さんは「繰り返しになりますけれども、現在その法案のスケジュールと定まったものがございません。ということを繰り返し申し上げたいと思います」と防戦一方となりました。

 保育士の求職者が、性犯罪歴がないことの証明書を提出する制度で、「DBS」はそれをつかさどる行政機構・組織のことを意味しているようです。先々月26日の「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」では「早期の法案提出を目指して検討を加速する」とありました。

 加藤大臣は、筆者も入閣前から気づいていた母への月家賃15万円、パーティー券収入の間違った政治資金収支報告書への記載、未成年者も被害者となった破産業者社長との夫妻での親しい写真などの不適切な事案が続出。筆者が「日本一金に汚い政治家」と認識していた、故・加藤紘一官房長官の「親譲り」となっています。加藤の乱では、森喜朗首相の比ではない加藤氏のカネの汚さを知らない有権者が多く、私は閉口していました。

 また、女性閣僚が5人いることから、加藤鮎子(政治とカネ)、土屋品子(秘書問題)、自見はなこ(不倫略奪婚)の3大臣が集中砲火を浴びつつ、上川陽子、高市早苗の2大臣は安泰というかたちで、マスコミ・野党が「女性差別批判」をさけることが地合いとなっていきそうです。

 以上です。

【閣法】国家戦略特区法改正案が通常国会提出へ、「資産運用特区」を首相がニューヨークで講演

2023年09月22日 19時49分13秒 | 既に提出された【法案】
[写真]アベノミクス地方創生特区で儲かったのは東京都・山手線沿線と香川県高松市だけだった。

 「国家戦略特区法改正案」が、令和6年1月召集の通常国会に提出されるはこびとなりました。

 岸田首相は、ニューヨークで講演し、「また、海外からの参入を促進するため、資産運用特区を創設し、英語のみで行政対応が完結するよう規制改革し、ビジネス環境や生活環境の整備を重点的に進める。世界の投資家のニーズに沿った改革を進めるため、皆さんも参加いただいて、日米を基軸に、資産運用フォーラムを立ち上げたい」と語りました

 投資信託などを運用・販売する投資銀行を呼び込み、バックヤードで、日本人を時給8ドル程度の薄給で雇っておもてなしを提供し、国も英語だけで手続きをできる「特区」を創設することになります。日本方式の投信の評価方法を見直すこともありそうです。

 法律成立後に、特別区域は内閣府令で東京都が指定されると考えられます。所得税等の一部を改正する法律で、政策減税が入るかどうかは未知数。

 以上です。

【閣法】こども未来戦略方針の束ね法案を来年2024年通常国会に提出すると首相明言 

2023年09月20日 19時51分00秒 | 既に提出された【法案】
[写真]財布からお金を取り出す、加藤鮎子・こども家庭庁担当相、3年前、自民党大会会場車寄せで、宮崎信行撮影。

 「異次元の少子化対策」で、ことし出なかった「改正法案」が、来年(令和6年2024年)は提出され、国会論戦になりそうです。

 岸田文雄首相は先週の内閣改造後の記者会見で「第2の柱である社会については、2030年までが少子化トレンドを反転させるラストチャンスであり、まずは、先般閣議決定したこども未来戦略方針に基づき、次元の異なる少子化対策を早期に実施すべく、必要な制度改革の法案を次期通常国会に提出してまいります 」と語り、「こども未来戦略方針」(6月13日)の法制化を来年の通常国会ではかることを初めて語りました。

 これまで、「こども誰でも通園制度」「地域限定保育士資格」のメニューで法改正がなされるとの観測がありましたが、束ね法案になるかもしれません。

 答弁は、衆議院3期生の加藤鮎子大臣が担うことになりそうです。

 筆者・宮崎信行の私見では、加藤鮎子さんの父・加藤紘一さんは最もお金に汚い政治家だったと認識してきました。公私混同は目に見えるかたちであらわれ、旧・議員会館では、中元・歳暮が廊下の天井まで積んでおり、周囲の通行を阻害するほどでした。議員宿舎の隣人は、宿舎では普通のファミリーだったとしています。

 今回、大臣の母に月15万円の家賃が支払われていることが明らかになりました。私も気づいていましたが「精三会館だとしたら広いから適正な相場か」と思っていました。が、相場と適正化どうかを説明する資料をこれから集めると、大臣会見で語ったようです。

 このため、来年の第213回国会では、衆参の地方創生(地域)・こども・デジタルの特別委員会は荒れるかもしれません。

 以上です。

【閣法】自転車の取り締まりで「切符」行政罰を導入か「道路交通法改正案」2024年通常国会提出へ警察庁調整

2023年08月30日 08時33分24秒 | 既に提出された【法案】
[写真]国家公安委員会・警察庁が入る庁舎、東京都千代田区霞が関、6年前、宮崎信行撮影。

 「道路交通法改正案」を来年令和6年通常国会に提出する準備を警察庁が始めました。

 今月3日の「国家公安委員会定例会議」では「良好な自転車交通秩序を実現させるための方策に関する有識者検討会」を設置しました。

 谷大臣は同日のの記者会見で「交通ルールを無視する自転車利用者に対して厳しい批判が寄せられており、交通の安全を確保するためには、良好な自転車交通秩序を実現することが重要だと思っております。交通事故件数のトータルは減っていますが、残念ながら自転車と歩行者の事故はむしろ増えている、そういう状況にあります。そこで、本検討会では、自転車に対する交通安全教育や交通規制の在り方のほか、自転車に関する交通反則通告制度の導入も含め、これらも含め効果的な違反処理の在り方について議論していただくということにしております」と語りました。

 これまでの白い帽子の交通部警察官が「切符」を切り罰金納付を促していたしくみを、自動車だけでなく自転車にも広げることになりそうです。

 仮に納付しない場合は、刑事手続きに移行することになりそうです。

 ながらスマホ、両耳イヤホンでの走行の是非も議論されるかもしれません。

 これらをまとめて、2024年1月に召集される通常国会に道路交通法改正案が提出されるはこびとなりそうです。

 また、電動キックボードの規制を求める声もSNSなどで上がっており、政府原案を審議する国会審議で質問通告が出そうです。

 以上です。

【閣法】農水省が大臣記者会見を改竄「9月中旬」を落とす「食料・農業・農村基本法改正案」の最終答申とりまとめ時期、「森山自民」が国会空洞化で揉んでから国会に提出の意図か

2023年08月30日 07時21分57秒 | 既に提出された【法案】
[写真]農林水産省、おととし7月、宮崎信行撮影。

 先々月6月に中間とりまとめがあり、来年2月ごろに国会提出されるとみられる「食料・農業・農村基本法改正案」に向けた農林水産省審議会の最終答申が、来月9月中旬という異様に早いタイミングとなる可能性が出てきました。

 野村哲郎農相がきのう2023年8月29日に語ったことが、閣議後会見のYouTube動画で確認できます。

 YouTubeで野村さんはこう言っています。
 「この審議会の最終答申の取りまとめというのが、おおよそ9月の半ばぐらいになるのではないかということでまだ日程ははっきりしておりませんが、この辺までには何とかとりまとめたいということで事務方の方整理をさせていただいています
 と話しています。

 ちなみに、同省のホームページの文字版で農相の発言は、
 「この審議会の最終答申の取りまとめというのが、まだ日程ははっきりしていませんが、この辺までには何とか取りまとめたいということで、事務方で整理をさせていただいています
 とあります。

 「9月の半ば」を落とす意図的な改竄を農水省がしたようです。

 ま、たまたま気づいたので、このような書き方をしました。この件は、ここまでにしましょう。

 それはさておき、来月9月半ばに最終答申を出してしまい、その後は、森山裕さんら自民党農林水産族が100日程度揉んでから、法案を出すというはこびになりそうで、野党不在の国会の空洞化で基本法改正が進みそうです。

 6月の中間とりまとめに対する省への意見として農相は(1)適正な価格形成に向けた食料システム全体でのしくみ(2)物流の効率化(3)人口減少下における農地・農業インフラの維持ーーだったと会見で語りました。

 一方、立憲民主党の「NC(泉次の内閣)」も6月に中間とりまとめを出しました。これに基づき、金子恵美NC農相、田名部匡代・座長、徳永エリさんらたまたま女性中心の「農林水産キャラバン」も全国を回っており、7月27日の岡山県を皮切りに、きょう8月30日には、京都府の日本海側の福知山市、舞鶴市の2会場で「車座集会」を開きます。同党の機関紙は、、岡山県・北海道の会合で、行政から「高収益作物への転換や6次産業化を進めている」農業者から「今の収入では息子に継がせられない」との声が出たと報じています。私は「1営農者辺り現金収入を一定以上にすれば続けられる」という自民農政の思想が優れていると考えています。

 なお、「食料・農業・農村基本法改正案」では、「有事の増産の要請に応じた農業者には補助金を出す」という趣旨の条項が入る見込みです。基本法と別に、「有事の増産命令を出せる新法」も準備されているようで、骨太の国会審議が期待されます。

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【閣法】「共同親権法案」が来年通常国会に早々に提出との日程感が浮上、さすれば「自民党岩盤保守層との大熟議法務委員会」になるかも

2023年08月30日 06時44分08秒 | 既に提出された【法案】
[写真]法務省・検察庁の向かい側(皇居桜田門傍)に立つ筆者、おととしの11月。

 きのうの法制審議会家族法制部会第30回部会から「離婚後の共同親権」を盛り込んだ「たたき台」の検討が始まりました。

 これについて、「共同親権を盛り込んだ民法改正法案」を、来年の通常国会に早々提出して成立させる日程感が与党にあることが分かりました。

 読売新聞がイラストで示した今後の予定では来年通常国会に提出されるとし、東京新聞は与党内で提出を求める声があるが政府与党で異論があると報じました。

 きのう、令和5年2023年8月29日の「法制審議会家族法制部会第30回会議」に法務省民事局はA4判7ページの「家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台(1)」を提示。この中で「子との関係での父母の責務を明確するための規律を整備するものとする」「父母双方が親権者となるときは親権は父母が共同して行うものとする」とし、共同親権が本則だと受け取れる案を出しました。そのうえで「ただし、次に掲げるときは、その一方が行うものとする」とし「他の一方が親権を行うことができないとき、この利益のため急迫の事情があるとき」は例外として単独親権にできるとの文章が提示されました。

 たたき台は、養育費の先取特権を新設することも机上にあげました。民法第306条第2号の雇用関係の先取特権に次ぐ順位とすべきだとしています。民法の根幹部分に改め文が入ることになるかもしれません。

 さらに「法定養育費」を新設し、「費用の分担の定めをすることなく協議離婚をした場合に対応する仕組み」として、一定の要件・離婚から一定の期間・
法定養育費を請求できるとしました。拒むには、「その支払いによってその生活が著しく窮迫することを証明」する必要があるとしました。こちらは、執行官法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法に改め文が入ることも予想されます。

 いずれにせよ、(1)共同親権を本則とする(2)養育費の先取特権を加える(3)法定養育費を入れるーーの3点について、法務省民事局は「タカ派」のたたき台を出してきた印象があります。

 第49回衆院選と第26回参院選を終えた「黄金の3年間」を2年間残す、岸田文雄自公政権ですが、先の第211回通常国会で「LGBT理解増進法」で岩盤保守層が自民支持から剥がれ落ちたとみられます。共同親権に関しても、岩盤保守層から「女性などの親が不倫をしなければそもそも離婚後の単独親権・共同親権の議論が不要だ」といった保守的な意見がこだまして、自民党支持から剥がれることも想定されます。が、そのことが来年9月の自民党総裁選で岸田さんに不利に働くともいえないことから、与党主流派も来年の前半に一気に決めてしまった方がいいとの思惑があるのでしょう。

 が、法務委員会をめぐっては去年葉梨康弘法相が辞任。先の通常国会では、後任の斎藤健法相のもとで2年前の廃案と大きく変わらない「改正入管難民法」が成立し、国会内外を通じたシュプレヒコールは「原発60年超」「防衛財源」の審議をも凌駕しました。

 前々の法相の古川禎久さんが設けた外国人技能実習生法の見直しの勉強会のとりまとめの国会審議も控えていることから、衆参法務委員会が、共謀から5年以上、炎上警報のなか運営されることにもなりそうです。

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「旅費法改正案」を2024年通常国会提出へ インフレ・円安考慮、実費弁償から定額支給方式ややシフト

2023年06月29日 19時46分30秒 | 既に提出された【法案】
 「旅費法改正案」が来年の通常国会に提出されるはこびとなりました。

 インフレ・円安による「鉄道賃」「航空賃」「日当」「宿泊料」「食卓料」「扶養親族移転料」「着後日当」などの金額を増額するのが主な柱。

 国家公務員の出張は「実費弁償」の基本は守りつつも「定額支給方式」にややシフトする改正法案となりそうです。
[写真]財務省や外務省の前に立つ筆者、5年前。

 財務省が先々月の財政制度等審議会に「国家公務員等の旅費制度の見直し」を提示し、法改正が必要だとしました。

 定額支給方式ですが、私が以前勤務していた株式会社日本経済新聞社では、宿泊料が定額支給方式で、ビジネスホテルに泊まって差額を精算口座に預金する人などいました。一方で、地域経済を専門とする記者が出張のたびに温泉旅館にとまり定額以上は私費で出していたことがあります。直属長から注意がありましたが、これは駅から宿泊先までのタクシー運賃の実費が高くなりがちだから、うまく目につかないようにしてくれという話で、地域経済の研究のための温泉旅館宿泊は応援するとの趣旨だったようです。法務省のカラ出張が報道された際は、民間ならみんなアウトだと言い合いつつも、間接部門の人件費を考えれば、定額支給の方が民間企業では合理性に優れている面もあるのではないかとの感想を、会社員当時の私は持ちました。

 以上です。

ついにこの日が、「経済的徴兵制法案」が来年2024年通常国会に提出へ 迫られる「17歳の決断」

2023年06月24日 03時25分02秒 | 既に提出された【法案】
[写真]平和安全法制を実現した安倍晋三元首相(故人)、4年前の2019年、宮城県内で、宮崎信行撮影。

 岸田文雄首相が安倍内閣の外相として取り組んだ「平和安全法制」で、山本太郎議員が追及して学生支援機構幹部(経団連出身)が辞任した、「経済的徴兵制」を実現する法案が来年の通常国会に提出され、来年度中に予算がつく見通しとなりました。

 けさの日経新聞は、防衛大学以外の一般大学の3年・4年の理系学生40名に月5・4万円融資する「貸費学生」を全面的に改め、1年生からの文系・理系に現行より多い金額・人数の新名称制度を導入するための「自衛隊法改正案」が来年令和6年2024年1月召集の通常国会に提出され、来年4月にも予算が実施されるとの見通しを初めて報道しました。

 2015年の平和安全法制国会では、山本太郎・参議院特別委員(現・れいわ新選組代表)が元経団連専務理事である日本学生支援機構幹部が「それから、延滞者が無職なのか、低収入なのか、あるいは病気なのかという情報をまず教えていただきたい」「前も提言したのですが、現業を持っている警察庁とか,消防庁とか、防衛省などに頼んで、1年とか2年のインターンシップをやってもらえば、就職というのはかなりよくなる。防衛省は、考えてもいいと言っています」とし奨学金延滞者を自衛隊に「1年とか2年のインターンシップ」で送り込むべきだと提案していたことを暴露。この幹部は更迭されました。
  平和安全法制は成立。岸田外相はやがて自民党総裁・首相となりました。この間、平和安全法制の「切れ目のない安全保障」で、陸海空とも日米軍軍指揮所が新設されるなど過剰労働が指摘されています。外務省も日米豪英仏印と「ACSA」(物品役務相互融通協定)条約を署名し、改正自衛隊法の100条の後ろあたりの条文として国内法制化(ただし日印に限り弾薬の提供は対象外)。地球の裏側に送られる不安感から、海上自衛官が過去最多の年6人ペースで海上保安庁に転職したり、新規就職者が減ったりする現状となりました。定員充足率を高めるため、任期満了しているのに説得され、やめない隊員も多いようです。

 先々月の統一地方選でも、経済的理由だけで防衛医科大学に進学し、卒業後に自衛隊に入った者の早期退職し、負債が返済できずに、AV女優に転じた女性が政治家女子48党公認で世田谷区議選に立候補(落選)し、一石を投じました。


[写真]拳を握り締めた岸田首相、きょねん2022年、宮城県内で、宮崎信行撮影。

[写真]平和安全法制を実現した安倍首相(故人)。

[写真]経済的徴兵制の検討を暴露し幹部を辞任に追い込んだ特別委員だった、山本太郎・れいわ新選組代表、きょねん2022年、国会内で、宮崎信行撮影。

[写真]海上自衛隊の主力護衛艦「しらね」に乗艦して取材する筆者・宮崎信行、今から26年前の1997年、東京湾上で。

 現在、東大卒業生が統合幕僚長となっており、「一般幹候」(防衛大学校卒業生ではない四年生大学卒業の幹部候補生)でも出席できるとして、17歳ないし18歳に対して、大学1年生の4月から月6万超の融資をすることで囲い込みたい意向のようです。

 日本国憲法第18条は「何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」と定めています。芦部信喜・東大教授(故人)は「徴兵制は、本人の意思に反して強制される労役であることは否定できないであろう」との学説を示しており、借金で首を縛る経済的徴兵制による解釈を、防衛省・財務省・内閣法制局が理論武装することになりそうです。

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特定看護師(NPナースプラディクショナー)国家資格新設の内閣府規制改革会議の議論始まる「保健師助産師看護師法改正案」も視野に

2023年02月22日 06時14分32秒 | 既に提出された【法案】
[写真]日本看護協会前に立つ筆者、きょねん11月、東京・渋谷区で。

 医師と看護師の役割分担を見直して「特定看護師」(NPナースプラディクショナー)を国家資格として新設する実務協議が始まりました。

 今月、令和5年2023年2月13日(月)に開かれた内閣府規制改革推進会議の「第6回 医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」で議論が開始されました。

 医師と看護師の医看格差は、1990年代から報酬格差の不満は解消された状態にあり、長期間安定した状態が保たれています。このため、地域格差の解消のため、医師と看護師のタスクシェアの見直しが十数年の間に、時々俎上にのぼってきました。

 現在は、「医師又は歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助を行う看護師」として、厚生労働省が特定行為研修修了者を認定しており、6000名以上が認定されているようです。

 民間では「日本NP教育大学院協議会」と「日本看護系大学協議会」が「ナースプラディクショナー」を670名以上を認定しました。これらは国家(厚生労働大臣)資格ではありません。

 仮に国家資格としての特定看護師制度ができると、医師の判断を待たない手順書による診療の補助に加えて、時間外の医師と連絡をとったり、薬局から薬剤を調達したりする権限が加えられるかもしれません。

 一方、日本看護協会の「専門看護師」は3000名、「認定看護師」は2万名以上おり、特定看護師ができる場合は整理が必要となりそうです。

 結論が出るまでには、かなり時間がかかり、来年半ばを過ぎることも予想されます。

 先かもしれませんが、数年内に「特定看護師法案」や「保健師助産師看護師法改正案」などが国会に提出され議論されることも予想されます。

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生活困窮者の自覚がない高齢者に家計簿つけ指導を自治体に求める「生活困窮者自立支援法及び生活保護法改正案」第211回通常国会に提出

2022年12月22日 07時00分30秒 | 既に提出された【法案】
[写真]高齢者の生活困窮者(右)、宮崎信行撮影。 

 「生活困窮者自立支援法及び生活保護法改正案」(211閣法 号)を政府が来月召集の国会に提出するはこびとなりました。

 厚生労働省は「制度の見直しに関するこれまでの議論の整理(中間まとめ)」をおととい2022年12月20日にまとめ、同省公式トップページで発表しました。

 コロナ特例貸付の返済が来月から始まることを念頭に置いており、今から法案を出しても施行が間に合わないので、お役所仕事には首をかしげざるを得ないところ。

 中間まとめは特例貸付の9割は「社会福祉協議会」が審査したとしました。自治体が伴走型支援をしているのは4割にとどまっていると警鐘を鳴らしました。そのうえで平成30年改正法で自治体の「努力義務」とされた家計改善支援事業は7割が実施しており「家計の収支バランスが悪い」「債務整理や滞納に関する課題を抱えている」との相談が多いとまとめました。

 家計管理ができない人は好況下で生きてきた高齢者に多いことも明らかになりました。

 自立支援から生活保護に移行する人は年1・5万人だと報告。「生活保護に至る前の第2のセーフティーネットとして制度化された」困窮者自立支援制度と生活保護制度の「重なり合う支援」の充実を図る必要性を強調しました。

 就労準備支援事業・家計改善支援事業・居住支援事業を任意事業として法定化することを提言。ケースワーカーの関与拡大に向けた調査も並行することにしました。

 具体的には、自らが困窮家庭である自己認識・歴史認識を持っていない高齢者を対象に家計簿の付け方を自治体が指導することを、法案にも盛り込むようです。

 生活保護法改正では、5年に1回の生活保護費の生活扶助などの基準改定は法律事項でなく課長通達事項ですから改正法案には入りませんが、厚労省の考え方は国会審議でも問われそうです。

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