[写真]立憲民主党の西村ちなみさんと泉健太さん、ことし年6月、宮崎信行撮影。
いくつか変化がありました。まず衆議院予算委員会は再来週の17日(月)スタートという驚きの日程となりました。私の情報では、今週日曜日に、高崎市の同じ施設内で、玉木雄一郎さんと岡田克也さんのぶら下がり記者会見がありました。しかし、どの媒体でも字になっていない(記事になっていない)ようです。県域VHFテレビ局がない地域だからでしょうが、レガシーメディアも先月の泉健太代表の沖縄出張に、ジェットスターで日帰りしています。私も気合を入れて、高崎に行けば独占取材とテキストと映像をものにできたかもしれません。
国会内がこれから2年間議席の変化がない時代に、国会外で極端に時代が変わることもありそうです。
【衆議院本会議 きょう令和4年2022年10月5日(水)】 岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党代表質問1日目があり、立憲民主党の泉健太代表と西村ちなみ代表代行、自民党幹事長代理で宏池会中途入社の上川陽子さんが質問。細田博之議長と海江田万里副議長が議事をとり、首相と山際大志郎大臣の2人が答弁しました。
3人目の西村ちなみさんは党幹事長として統一教会の政治追及本部長につき、代表代行(引き続き執行役員)に横滑りしても本部長を続けています。西村さんは「旧統一教会の問題について質問します。1980年代に始まったこの問題について、私も含め政治の取り組みが不十分であったことを申し訳なく思っています」と語りました。そのうえで、「弁護士連絡会は、把握されるだけで1200億円を超える献金被害が生じています」と問いました。この後に答弁した首相は「把握していない」とし金額については重複もあると指摘しました。
●自民は「霊感商法」、立憲は「多額献金」にヒアリングの成果 西村さんら立憲は「悪質な献金強要等による本人はご家族の悲惨な実態」を問題視しました。が、首相は「悪徳商法の問題や親族の入信に起因する家族の困窮など様々な問題が指摘されていると承知している」としました。ようやく立ち上がった自民党内チームも「霊感商法」と称していますが、立憲は「悪質献金」としています。7月8日の出来事以降、立憲は政務調査会消費者部会がすぐに立ち上がり、西村幹事長(当時)が政治的な本部も立ち上げ、西村さんが代表代行(同じく執行役員)に横滑りしても本部長をしています。さらに野党国対合同ヒアリングが再開したので国対委員長代理が2世信者らも参加してもらっての会議が続いています。「ミヤネ屋」と同じく3か月経ってもネタが尽きない現状。そして、先週の「次の内閣」で「悪質献金被害救済法案」が既に決まり、きのうの常任幹事会に報告されました。が、「ブツ」はできた状態で、まずは他の野党での調整をしてから国会提出する作戦となっています。
立憲民主党の法案の正式名称は「特定財産被害誘導行為による被害の防止及び救済等に関する法律案」ですが、党内文書であり、野党との協議の後で国会提出されるので、内容は非公開だと思います。筆者も読んでません。
●旧統一教会の会合に出席することは「お墨付きを与えること」と山際答弁 西村さんは山際大臣が「2016年のネパール、2011年・2018年のナイジェリアでの関連団体への会合への参加など統一教会と極めて深い関係が明らかになっているが、その反社会性を認識しているか」と問いました。これに対して山際さんは「旧統一教会は悪質商法や悪質な寄付など、社会的な問題が指摘され、被害にあわれた方が多くいらっしゃるという認識が不足していました」とし「いわば団体にお墨付きを与えることになってしまったことを真摯に反省しています」と明言しました。
これに先立つ泉健太代表の質問では「自民党内では特に安倍派・細田派といわれる清和会が深く関係をきづいてきた」とし「議長、答弁されますか、答弁できぬならしぐさでお答えください」とし(1)寄付金・パー券受領の有無(2)2019年の関連イベント挨拶での「安倍総理にさっそく報告したい」との発言通りに報告したか(3)議運での質疑に応じるかーーを問いました。

[画像]細田議長の方向を見て質問する泉代表、きょう2022年10月5日の衆議院インターネット審議中継から宮崎信行がスクリーンショット。
異例の議長への質問には前段があり、先月8日の衆議院議院運営委員会で山口俊一さんが泉さんに対して「泉委員、本日の議題は国葬の儀でございますので、それを考えながら」などと語りました。泉さんは委員長がそう発言したのならば、本会議で議長が発言してもいいはずだと、党会合で語っていました。泉さんは、議運での質疑について細田さんが賛同したようなしぐさをしたと演説で強調しました。このうち2019年のイベント挨拶は清和会の細田会長と伊達忠一参議院議長(引退)が出席して「安倍総理に報告する」と語っています。山際さんの答弁でいう「お墨付き」としては与党議員100人が束になってもかなわない主流派のお墨付きですので、今国会通じて整合性を問われることになりそうです。
西村さんへの答弁で首相は「宗教法人法による解散命令はについては判例を踏まえて慎重に判断する」とし否定はしませんでした。「私自身は統一教会と一切関係はない」とし、週刊文春が報じた「後援会長は、統一教会関連との認識がなかった」とし、安倍首相・菅義偉官房長官時代の官邸への入邸は「記録が残っていない」としました。
●岸田翔太郎政務秘書官「政権発足1年で」 岸田文雄さんの長男岸田翔太郎さんがきのう付で政務秘書官になった人事を問うと首相は「個別の人事への言及は控えるが、政権発足1年で適材適所で判断した」と答えました。
●安倍さん家族葬の儀仗「法令に基づく」 安倍晋三さんの家族葬に自衛隊が儀仗したことについて「法令に基づき、防衛大臣が定めることができる」とし岸信夫さんの名前は出さずに答弁し、「鈴木善幸さんの地元での家族葬でも同様の事例がある」としました。
●立憲「次の内閣を発足」「140人の国会議員と1200人の自治体議員」 秋の臨時国会のトップバッターとなった泉立憲代表は、演説の最後に政権交代ある政治への誓いを盛り込みました。泉さんは「立憲民主党は、次の内閣を発足させました」とし「約140人の国会議員と約1200人の地域でがんばる自治体議員(地方議員)が、真剣に課題に向き合い、忖度なく議論を行い、率直に訴え行動しています」と述べました。
そのうえで、第210回臨時国会に限った6項目の「共闘」の安住・遠藤合意を結んだ日本維新の会を念頭に「野党各党の皆様、国民の皆様、岸田政権に替わり、私たちの力で日本の未来のために新しい政治を生み出しましょう。ともに生産的な議論を重ね、新たな政権を構想してまいりましょう。立憲民主党はその礎となってまいります」と述べました。
なお、これに先立ち、きょう衆議院本会議では冒頭
「北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議」が山口議運委員長から提案され、
全会一致で議決しました。この後、決議に対する総理発言の前に、輪番出席に従い離席し始めた人が出たようで混乱しました。首相は「我が国の上空を通過した」きのうの事案も含めて「今年に入ってから20回」弾道ミサイルを発射していると強く非難しました。昨夜の日米首脳電話会談の内容についても、目白押しの外交日程とあわせてこの国会で「外交の岸田」が議論されることになりそうです。
【与党政調審議会 今週】 先の通常国会で見送られた地方競馬全国協会財政支援をおそらく5年延長する
「競馬法改正案」(210閣法 号)と企業に対するガス制限令を可能とする
「都市ガス法改正案」(210閣法 号)が提出される見通しとなりました。文部科学関連の私立及び公立の大学へのファンド法案は見送られました。
【参議院 きょう】 ありません。

[写真]立憲民主党の西村ちなみさんと泉健太さん、ことし年6月、宮崎信行撮影。
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