法務省が、「入国在留管理庁」を設置する法案を、第197回国会に提出するはこびとなりました。
●「入国在留管理庁」の設置を法務省が財務省に対して平成31年度予算定員及び俸給表に盛り込むよう正式に概算要求。
法務省がさきほど財務省に提出した来年度予算案の概算要求で、予算定員及び俸給表での対応を要求。入国在留管理庁の新設の法案を提出するプロセスを明示し、その成立を前提にして、平成31年度の当初予算で、入国管理官を550人(出入国管理で250人、在留管理で300人)増員するよう概算要求しました。
●次国会に法案提出、外国人技能実習生の法改正案と抱き合わせて提出・審議の公算。
これに呼応して、法務省の入国管理局を、「入国在留管理庁」に格上げする「法務省設置法などの改正項目案」を、既に提出が既定路線となっている
「入国管理法改正案」
(参考エントリー外国人技能実習生の就労資格5年延長可能に、入国管理法改正案を2018年秋の臨時国会に提出し、2019年4月に施行へ)
などと、一体的に、関連法案として第197回国会に提出すると思われます。
今秋2018年秋の臨時国会の開催は見通せませんが、来年4月に施行できるよう、突貫工事となりそうです。
●先の国会閉幕直後に「法務省と内閣官房が外国人技能実習生など外国人の受け入れ整備の企画立案総合調整の所管」の閣議決定。
法務省はさきほどの概算要求で、先の国会閉幕直後の平成30年7月24日(火)の閣議で「外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について」が決定されたと明示。このなかで「法務省は、内閣官房とともに、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を開催するなど、外国人の受入れ環境の整備に関して行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整を行うとともに、外国人の受入れ環境の整備に関して所掌する事務に当たることとする」と書かれており、外国人技能実習生の受け入れと在留管理が法務省の所管になったと強調。
●法務省「外国人旅行客が年7・5%増だ」と入国審査官550人増員を概算要求。
閣議決定では外国人材が強調されていますが、法務省は概算要求では「外国人旅行客らが2013年から増加し続けており、前年比7・5%増えて年2869万人となった」とし、入国管理での入国在留管理庁の設置と定員増の必要性を説きました。このため、法務省は出入国管理で250人、在留管理で300人の予算定員増を財務省に要求しました。
●来年2019年4月1日めざすも経団連会長会社立ち入りで張り切っている「実習生管理機構」や「消費者庁」のようにずれ込みも。
政府・法務省は2019年4月1日の施行をめざすと思われます。ただ、衆参とも自公が過半数だった政治情勢でも、「OTIT外国人技能実習機構」の設置法案や、消費者庁の設置法案などは成立が遅れて、発足がずれ込んだことがあります。
「OTIT外国人技能実習機構」は難産ながら、さっそく頑張っているようで、現在の経団連会長会社である「日立製作所」にも立ち入った、と報じられました。
出入国ではなく、在留管理ということになると、警察庁・各県警によるパスポート確認の職務質問を上回る権限を持つことになるでしょう。厚労省などとも協力しての、全国一元的で上から目線で、日本人の大企業・零細・農業経営者による違法行為の摘発に積極的にとりくむことが期待されます。その一方、第2次リーマンショックや超円高があれば、仕事が急に半減することも考えられ、政治主導による行政組織全体の柔軟な対応が改めて求められます。
それから局を庁に格上げするんだから、公安調査庁は公安調査局に格下げしたらいかがか。
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