立憲民主党代表選は中盤となり、天王山の北海道決戦。枝野幸男さんは、党員討論会の開催前に一人だけ、道選出の神谷、石川両議員をしたがえ全員にあいさつ。これに先立つ大通公園の街頭演説会では、道警などが囲った聴衆ゾーン入り口で、枝野陣営秘書団団員がチラシ配り。年配男性党員が「枝野さん以外のチラシは?4人出ているのになんで他の人はないの?」とたしなめました。リアル選挙界隈では、「金も出さずに偉そう」と言われる年配男性ですが、千人に一人の栄えある立憲党員のやんわりとしたたしなめには一日の長がありました。
立憲民主党代表選は中盤戦となり、同党最大の牙城「北海道」の札幌大通公園で街頭演説会・党員討論会を行う天王山を迎えました。
立憲民主党代表選は、泉健太代表、枝野幸男前代表、野田佳彦元首相、1期の吉田はるみ衆議院議員が立候補しています。
枝野候補は大通公園で「この3年間少し時間ができたので仲間とともに北海道各地を歩かせてもらった」「国鉄民営化で北海道のくらしはよくなりましたか。今の政治状況は誰がつくったんですか」と語りました。枝野さんは巷間のイメージと違い記者嫌い会見嫌い側近僅かなので3年間の空白からの出馬が唐突だと思われているかもしれません。
泉候補は「北海道のみなさん、こんにちは。ふるさとに帰ってまいりました。石狩の実家から自転車で10数キロかけて開成に通っていました。私の政治の師は横路孝弘さん。私の支持政党は社会党。どうして社会党が自民党に勝てないんだと思っていました」と話しました。現地に行かないとわからないことは多く、泉さんの母校は札幌市内では「開成」たがら首相と同じだったわけです。
枝野さん、泉さんの拍手の量は双璧でした。
吉田はるみ候補は、「代表選に出馬するうえで党員、議員、とくに江田憲司さんの支え合いで、今ここに立たせていただいている」「消費税食料品ゼロを目指す」としました。ここが一番拍手が多かったです。また吉田さんだけが「みんなに最高の教育を残しましょう」と教育にふれ、そこそこの拍手をえました。
ある新聞では6割近い支持があるともされる野田候補は、「札幌の皆様こんにちは。ところで日本は島国ですよね。いくつ島があるか知っていますか」と切り出し国境離島防衛の話をしました。あっけにとられた聴衆に「ささやかな拍手、でもうれしいです」と空気を取り繕いました。一部報道とは印象が違いました。
北海道をせいするものは、立憲をせいする、との私の見立ては自信をますばかり。が、もはやある一人に集中はしていません。
道の地方議員数は都連より多いです。3年前の代表選でも「党員かつネット投票」では逢坂さん(道8区)が1位となりました。泉体制で党員は1割しか増えておらず、「北海道及び自治労」の党員は1000人、「北海道または自治労・日教組」の党員は1万人と推測され、北海道が最大のカギとなります。
今回異変があり、自治労の組織内2人のうち1人(全国比例=福岡県公務員)が現職の泉さんの推薦人となりました。が、博多やSNSで存在が見られず、サンクチュアリの「推薦人貸し出し」とみられます。が、自治労が割れたことから、党員票で微妙な影響があるかもしれません。そして、北海道が地元の岸議員も札幌で見かけませんでしたが、SNSでは枝野推しを全面に出しています。【追記 翌日14:30】岸さんは聴衆側にいたことがSNS投稿から判明しました。【追記終】
枝野さんや逢坂誠二代表代行は、7年前の「北海道民進党構想」以来、自治労の世話になっており、アタマが上がらない状態。当時、私が友人の自治労福井県本部専従の市職員に「自治労が動員したそうです」と連絡すると「あ、やっぱりそうでしたか。テレビで見てうちの組織ではないかと思ったんです。いや、私だって市民が立ち上がったという方がいいと思ってるんですよ」と語りました。今週、枝野候補は単独で「大宮・大作戦」と、唯一「大作戦」のタイトルが入った集会を催し、道連の女性議員2人が応援弁士としてかけつける予定で、動員数が注目されます。
野田候補が優勢の見方もありますが、小沢グループで千葉県出身の青木愛さんしか参議院議員の推薦人がいません。
泉さんの陣営では右派の徳永エリさんが、広島で急遽開かれた森本真治さん(県区=情報労連準組織内)の泉集会に応援弁士で参加。徳永さんは候補者付きとして、岡山、東京に同行しつつ、仙台はスキップして、きょうの準備で北海道に帰りました。村田きょう子さん(全国比例・基幹労連)も基幹労連北海道大会に参加しました。連合北海道の役員名簿を見ると、「日鉄室蘭」の組合長・電力総連・UAゼンセンぐらいしか民間系が見当たらず、党員票の掘り起こしにつながるかもしれません。
選管は、吉川、羽田、宮口、馬場4氏が登場。泉陣営の村井元議員、野田陣営の川田議員の姿も。道選出の逢坂、徳永、山岡、神谷、石川、勝部、荒井、大築各議員も姿を見せました。市内の道下、松木両議員はいなかったように、私には見えました。石川さんは各候補に拍手し、徳永さんは聴衆にも手を振っていました。
候補者討論会で逢坂道連代表は自らの支持は明かさずに「候補者のみなさまお疲れ様です。東京と違って、涼しい北海道で、思いの丈を述べてほしい」と挨拶すると、地方議員・党員・サポーターがどよめきました。現地に行っても、このどよめきは紐解けませんでした。
強行軍で疲れたので、討論の冒頭だけで中座し家路につきました。帰京し母に聞いたら、記者会見を日テレニュース24を生中継したらしいですが、疲れた表情だったと思いますので、見送ってよかったでしょう。今回の代表選は西は博多から、北は札幌まで4候補を追いかけましたが、誰が当選するか全く分からないですし、法人運営に大きな違いはないと思います。
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