宮崎信行の夕刊フジ

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

来年度予算案及び税法は「自公修正すべきだ」と議決し衆議院通過、結果は「所得控除が2年暫定で超複雑化」の皮肉となったが胸を張れ玉木代表、ザイム真理教の壁が突破される

2025年03月04日 17時59分12秒 | 第217通常会 2025年1月召集
 ハングパーラメントの令和7年度予算案は、自公維3党首合意にもとづく、自公修正によって「政府原案通りに修正すべきものだ」との委員長報告を賛成多数で議決し、参議院に送りました。

 宮崎信行は非・記者クラブメディアでだた一媒体だけ「自公国の政調・税調」「自公維の政調」「自公立の政調」すべてを取材する歴史の証人となりました。

 維新が昨夕の両院議院総会で決めたことで、「所得税法改正案」(217閣法1号)「地方税法改正案」(217閣法2号)「地方交付税法改正案」(217閣法3号)は自公修正が議決され、荷崩れせず参議院に送られました。

 委員会では、このうち、基礎・給与所得控除が引き上がられ、課税最低限が上がることで、非課税世帯への給付金で混乱することが指摘されました。所得税の国の減収で地方交付税への譲与が2056億円減る見通しが与党議員から示されました。これについて、維新の高校授業料無償化プログラム第1弾1000億円の「財源」となっている交付税及び譲与税特会の「繰上返済」をスピードダウンすることで地方交付税も措置される見通しとなりました。ですから、非課税世帯の給付金で、国会の審議が必要になるかもしれません。

 さて、29年前の修正は、筆者は新進党が主催したデモに初めて参加しました。自分がデモに参加して予算が修正される勝率100%で、成功体験がとても大きいです。それは、時機と先輩たちに恵まれたというだけのことだと思います。それが1人の80年の人生と政治の関係性のすべてです。

 10月の総選挙では、玉木雄一郎個人商店こと国民民主党が前回参院選の「給料を増やす」を、SNSの数字で、「手取りを増やす」にして躍進。少数与党で、自公国政調、自公国税調が開き、3党幹事長合意となりました。そして、今年は、自公国税調、自公維政調、自公立政調の3つが開き、自公維が議決されました。一方、自公国税調では、ザイム真理教、自民党本部密室政治のラスボスである宮沢洋一さんが議員会館内共用会議室に引っ張り出される事態となりました。さらに、自公のブリーフィングの際、最後の2回は、会議室の扉が開きっぱなしで行われる信じられない光景が現実となりました。すべて玉木さんの勘所と、古川元久さんの深い知識が成し遂げたことです。ところが、オープン化の反動で、所得税法は逆に複雑になることになってしまいました。新法による確定申告は来年ですが、確定申告をしている人には愚の骨頂だと分かる改悪ですから、7月の参院選が楽しみです。

[写真]自公国税調、2025年2月18日、宮崎信行撮影。

[写真]自公国税調後の、自公の税調会長のブリーフィング、扉が開いている、2025年2月21日、宮崎信行撮影。

[写真]自公維政調会長、2025年2月21日、宮崎信行撮影。

[写真]自公立政調会長、2025年2月18日、宮崎信行撮影。

【衆議院本会議 きょう令和7年2025年3月4日(火)】
 「令和7年度予算案」は投票総数459、賛成258、反対201の賛成多数で委員長報告通りに修正すべきだと決まりました。

 先週火曜日に議了した公選法改正案がようやく議題となり「ポスター品位規定と罰則法案」(217衆法9号)は令有反対それ以外の賛成、「ポスター・選挙カーの規格を各級選挙で完全統一法案」(217衆法10号)は全会一致で可決し、各々、参議院に送られました。これも批判を気にしてか、小泉進次郎元環境大臣が議員立法の主導的な提出者として名を残しました。

 「地方税法改正案」(217閣法2号)、「地方交付税法改正案」(217閣法3号)は自公修正通りに議決すべきだと可決し、参に送られました。

 「所得税法改正案」(217閣法1号)は自公修正通りに議決すべきだと可決し、参に送られました。

【衆議院予算委員会 きょう令和7年2025年3月4日(火)】
 「令和7年度予算案」は20日目。締めくくり質疑は例年3時間ですが、ことしは2時間でした。修正案の提出者も答弁しました。その後、共産などから組み替え動議が提出されました。上述の通り修正議決されました。

【衆議院財務金融委員会】
 「所得税法改正案」(217閣法1号)では、インナー座長の後藤茂之さんが自公修正案を提出して、答弁もしました。税調インナーが国会で答弁することは過去になかったことです。立憲の大西健介税調会長は、ガソリン税旧暫定税率の撤廃の租税特別措置法改正案の趣旨説明をしました。上述の通りに修正議決されました。

【衆議院総務委員会】
 「地方税法改正案」(217閣法2号)と「地方交付税法改正案」(217閣法3号)の閣法と修正案の反対討論。れいわ新選組の比例東海の単独4位ながら、小選挙区供託金没収者を追い越して、2位で議席を得た、上村英明議員が立ちました。早大院修了の元大学教員ということで、中卒の山本太郎代表の積極財政理論の正しさに惹かれて出馬したのでしょう。

 上村さんは「本来であれば税収増を反映して地方に配分できるはずの地方交付税を減額して借金返済に使っており、物価高騰に苦しむ地方自治体をさらに苦しめているのではありませんか」と予算の財源を批判したうえで税法について「令和7年度分の税制改正の影響は令和8年度の住民税に影響します。その際に、住民税非課税世帯がどの程度増えるのか。先ほどもありましたけれども国はシミュレーションしているのかという議論となりましたが十分に把握していないことが判明いたしました。仮に非課税世帯が増加するのであれば、各自治体における補助金等の非課税世帯に対して講じている様々な住民サービスに影響が出る可能性はありませんか。自治体によってはそのシミュレーションをして、多額の負債が生じること生じているとする場合もあります。政府は、非課税世帯向けの支援の住民サービスをしっかりと継続できるように、そのための財源措置を十分に行っていく考えが必要だというふうに思います」と語りました。この論点は、参議院予算委員会に引き継がれました。

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村上誠一郎総務大臣が「やむを得ない事情」で本会議を退席し地方税法中断もその後戻り「ネイチャー・コールズ・ミーだ」と答弁も健康不安説も出そうか

2025年03月04日 16時39分48秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]村上誠一郎総務大臣、きょねん3月18日、宮崎信行撮影。

 衆議院本会議は、予算案の通過後に、「地方税法改正案」など2法案の審議となりましたが、主管大臣の村上誠一郎総務大臣がひな壇・一般席のどちらにもいないため、額賀福士郎議長が、開会のまま一時的に中断させました。額賀大臣は「やむを得ない事情で退席している」と語りました。その後、大臣が戻りました。議長は総務大臣が戻り、大臣に発言させ、「英語で言うと、ネイチャー・コールズ・ミーだ」などと語りました。

 なお登壇していた立憲の松尾明弘さんは、偶然にも、村上さんの大学同級生で義弟の同党常任顧問の岡田克也さんの元インターン。

 予算は議了しましたが、地方交付税法改正案で、所得減税およそ6000億円に伴う譲与税の減収分およそ2000億円を、交付税及び譲与税特会の償還の一部を遅らせることにする修正も含まれており、議了が遅れそうです。

 地方税・地方交付税を所管する総務大臣が、予算の参議院通過前に辞任したことはおそらくないものの、巨漢で杖を使うことも多い村上大臣の健康が不安視されることになりました。但し、村上さんは以前から巨漢で、十数年前にも、記名投票から降壇する際に勢いが止まらず、そのまま議員席の最上部まで駆け上がってしまったことがあります。このときは、事情で無所属となった自民党有力議員が声をかけて「久しぶり」という風情で話すという「照れ隠し」をしました。カメラマンも無所属席で始まった会談に一斉にカメラを向けましたが、すぐに事情を察して、投票箱に戻りました。このときは「照れ隠し」をしましたが、きょうの本会議では正直に公開しました。少数派閥の河本派所属時代にも自民党総裁選をめぐり小渕派から2人目の出馬の動きを示した梶山静六さんとあった際には、全速力で記者団から逃げました。なので、長く小選挙区で当選し、政治をしています。

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