宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

内閣法制局、空自のイラク派遣活動が「違憲」と判断か?

2007年12月18日 23時18分02秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

【参議院外交防衛委員会 2007-12-18】

 新テロ特措法案について審議。

 民主党の浅尾慶一郎ネクスト防衛大臣が登場。
 答弁者は石破防衛大臣、町村官房長官、横畠裕介内閣法制局第二部長、池坊保子文科副大臣。

 午前10時28分ごろから。
 浅尾さんは、航空自衛隊の活動について、
「非戦闘地域とは空域を指さないのではないか」として、法文上の「非戦闘地域」が「非戦闘空域」ではなく、航空自衛隊の活動の法的根拠がないとの趣旨の質問をしました。
(手書きメモから起こしたモノですので、実際の発言とは違います、以下同)

 町村官房長官は、
「バグダッドからエルビルまでの(航空自衛隊の活動エリアは)上空が非戦闘地域であればよくて、その下が非戦闘地域である必要はない」
との考えを示しました。
 石破大臣も同様の考え方を示しました。

 浅尾さんは「ヘリコプターが飛ぶ下は海も含めて非戦闘地域といえるのか?」とし、テロ特措法、イラク特措法のすき間をつきました。

 内閣法制局の横畠裕介第二部長が答弁。

 「法文上、空間だけを用いるときに非戦闘地域とはいわない

 とし、空間のことを地域とは言わない。
 つまり、航空自衛隊の活動“空域”が畢竟、非戦闘地域ではないとの認識を示し、大臣と法制局の法解釈の違いが明白になりました

 これは浅尾&法制局理論で行くと、イラク・クウェート上空での空自の活動は

法的根拠がない、つまり違法だ

ということになります。

 これに関連して池坊保子文部科学副大臣(公明党)は
 学校指導要領では、空間を地域とは呼ばない
と述べ、浅尾&法制局解釈と同様、空域は地域ではないとの認識を示しました。

【再追記 2008-4-17】
 共同通信の「名古屋高裁判決要旨」を読んでいたら、判決文と浅尾質問に該当する部分がありました。

(共同電からの部分引用)
 空自の空輸活動は、イラク特措法を合憲としても、武力行使を禁止した同法2条2項、活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し、憲法9条1項に違反する活動を含んでいる。(引用おわり)

【再追記おわり】


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