
衆院予算委員会の野党の先陣を切ったのは民主党の長妻昭さん(東京7区比例復活)です。10月3日の本会議から中5日の登板です。
民主党役員としては長妻さんは政調会長代理ですが、直嶋正行政調会長は参院議員ですから、長妻さんは衆院民主党の政策責任者ということになります。民主党「次の内閣」のネクスト年金担当大臣も兼ねています。
■国会傍聴記 2007年10月9日衆議院予算委員会(第一委員室)総括質疑②■
(質問者のうち長妻昭さん部分)
【舛添厚労相、長妻議員との新しい約束は「1ヵ月後」】
さて、きょうも長妻質問は立て板に水、怒濤の質問攻めでしたので一問一答形式でお伝えしましょう。
(長妻=長妻議員、舛添=舛添厚労相、増田=増田総務相、首相=福田総理)
長妻「消えた年金は問題だが、それ以前の問題を指摘したい。既に国民年金・厚生年金の受給資格が発生したのに、なぜか(受給)申請していない人が多いようだが。計算して欲しい」
舛添「私もなんとか(その数字を)出せないかと思ったが、今のシステムでは不可能だ」
長妻「がっかりだ」
(「申請しろよ!」「申請しない人が悪い」とのヤジあり)
長妻「そのヤジが悪しき申請主義の象徴だ。社保庁は数字をいつまでに出せるのか?」
舛添「“レガシー・システム”の(プログラムの)修正で、1ヶ月後には出せると思う」
長妻「政権交代すれば、民主党は年金通帳を出す。それまで国民のみなさんには自分で社会保険事務所に照会して欲しい」
「次に(総務省が担当している年金問題の検証に関する)第三者委員会について。一番大切なのは(消えた年金記録の)5000万件のうち、(国・自治体にある)紙台帳のデータを既に統合されたオンライン記録にどれだけ入力したか(を把握すること)だ。そうすれば、入力漏れ1件あたりの平均金額を計算できる。総理、サンプル調査をやると約束してください」
首相「いずれにしても、年金の問題は関係省庁の対応のまずさがあった。根源は(長妻)議員の言う通り、国民視点の欠如にあった。できる限りやっていきたい」
長妻「自治体などにある紙台帳が8億4000万件あるとされているが事実か?」
舛添「マイクロフィルムも含めて、現在8億4000万件だ。(突き合わせ作業は)10月にテストラン(試運転)、12月からコンピュータを動かしてみる。(そのプロセスは)確実に公表しながらやっていくので、若干時間をいただきたい」
【増田総務相、「第三者委員会の委員、事務局増員」を明言】
長妻「(都道府県ごとに置かれている領収書などから納付記録を認定する)第三者委員会では救済の申請者1万6000人のうち、238人しか救済されていない。被害者の数はもっと多いはずで、見積もりが甘い。年金記録確認地方第三者委員会の人数を増やすべきだ」
増田「体制を増強しなければいけないと考えている。第三者委員会の委員、事務局員を増員する」
長妻「年金問題は国家の危機だ。国を信用しない国民がいる国は不幸な国だ。(年金救済の)実行部隊を全省庁、民間から集めて、国家的なプロジェクトとして取り組むべきだと思うが、総理の意気込みを聞きたい」
福田「『国家の危機だ』とおっしゃったが、そうだと思う。私が中心になって、この問題の解決にあたっていくことを今日の閣議(閣僚懇談会)で決めたところだ」(与党席から拍手あり)
【長妻さん「年金流用は特別会計膨張につながる」】
※ここからは長妻議員の独壇場になりましたので、改行を入れながらお伝えします。
長妻
年金保険料の流用を禁止すべきだ。(年金流用による広報活動などを認めると)年金PRセンターなどといった建物をたてて、そこに業務委託することになりかねない。天下り先の確保にもつながる。
(年金制度発足当初から広報や事務などは税金でまかなっていたが、年金流用のしくみは)橋本内閣のとき、行政改革で税金を節約するために変わったルールなので元に戻せばいいだけだ。
保険料は特別会計に組み込まれており、省庁は(税収と同じく)自主財源だと捉えている(=錯覚している)。
特別会計からの保険料流用総額の約半分にあたる1000億円以上がコンピューター(の購入など)に使われており、社保庁の役人がその(コンピュータ)会社に天下りしている。さらにその会社の出版物を特会で買い上げている。
コンピュータだけですら、このように(特会からの支出が)膨張してしまうのだから、教育やPRに(流用を)広げたら、さらに膨張してしまうのではないか?福田総理は(野党に対して)『話し合い』を言うのなら、我々の主張を丸飲みしたらどうか?」
福田首相は「特会は年金だけでない。しっかりやっていくことが必要だ」と述べました。
この後、会計検査院の不当事項に対する未返金の問題と天下りの問題を取り上げました。
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