北海道経済(日本経済)浮上の鍵は「グレーターチャイナ(大中華圏)のダイナミズムとどう向き合い、それにどう伍していくかである」と氏の持論を展開された。
須田慎一郎氏の講演に続いて(時間的には多少カブったのだが)日本の論客の一人として名高い寺島実郎氏の講演を聴くことができた。
2月25日(金)、共済ホールにおいてさっぽろ産業振興財団主催の「札幌市経済界フォーラム」が開催され、その基調講演を寺島氏が務めたのである。
氏は「2011年日本を取巻く経済環境 北海道・札幌の生きる道」という演題で話された。

※ 講演する寺島氏だが、かなり遠かったために写真がボケたのはご愛嬌です。
須田氏の講演とのはしごだったため、氏の講演の最初の10~15分ほどを聞き逃したことで話に入っていくのに困難を感じたが概ね次のような話だった。
中国経済の台頭は中国単体で考えるのではなく、中華人が経済の実権を握っている香港・台湾・シンガポールを含めたグレーターチャイナ(大中華圏)の台頭として見るべきだ、と氏は強調する。
そして氏は具体的な資料を提示して説く。例えば経済の台頭を意味する港湾の貨物取扱量では09年度、1位シンガポール、2位上海、3位香港、4位深圳と見事なくらいグレーターチャイナの都市が並んでいる。そして5位には釜山がきている。
寺島氏はこの5位の釜山に注目すべきだと言う。それは釜山がトランシップの役割を果たしていることだという。トランシップとはアメリカから太平洋を渡ってきた船舶が釜山港でいったん荷を降ろし、そこからグレーターチャイナの各国へ荷分けされて積み出されているという。しかも太平洋を渡る船舶は苫小牧沖を通り、青函海峡を通り抜けているという。ここに北海道は着目すべきだというのである。
寺島氏はこうしたトランシップの役割を釜山だけに名を成さしめるのではなく、苫小牧や函館など北海道の港もトランシップ港として名乗りを上げよということなのだ。

※ 寺島氏が参加者に配布した氏作成の資料集です。
そして寺島氏はさらに北海道の可能性について、やはり「観光と食(農業)」を挙げる。
観光に関しては、北海道が持つ素材をさらに魅力的なものとして、「行ってみたい、住んでみたい」と思うような幻想(イリュージョン)を抱かせることだと言う。
また、観光と食(農業)をどう結びつけるか。
さらには、システムとしての農業をいかに構築するか。(闘う力のある農業)
いずれにしても、挑戦者的姿勢で、先見性をもって、積極的に実験を仕掛けるようなフロンティアスピリットでグレーターチャイナと向き合うべきだ、と説いた。

※ 寺島氏の講演の後、関係者によるパネルディスカッションの様子です。
寺島氏の論は直接聞いても(私は今回で3度目)、テレビを通して聞いても、ある種の説得力をもって私の耳に届く。
問題はこうした論を参考にして、いかに積極的に具体化し、実践に移していくかということではないか。
「待ったなし」の状況にある今、チャレンジャー精神を発揮して積極的に打って出る人材が北海道から多数輩出されることが望まれるのだが…。
須田慎一郎氏の講演に続いて(時間的には多少カブったのだが)日本の論客の一人として名高い寺島実郎氏の講演を聴くことができた。
2月25日(金)、共済ホールにおいてさっぽろ産業振興財団主催の「札幌市経済界フォーラム」が開催され、その基調講演を寺島氏が務めたのである。
氏は「2011年日本を取巻く経済環境 北海道・札幌の生きる道」という演題で話された。

※ 講演する寺島氏だが、かなり遠かったために写真がボケたのはご愛嬌です。
須田氏の講演とのはしごだったため、氏の講演の最初の10~15分ほどを聞き逃したことで話に入っていくのに困難を感じたが概ね次のような話だった。
中国経済の台頭は中国単体で考えるのではなく、中華人が経済の実権を握っている香港・台湾・シンガポールを含めたグレーターチャイナ(大中華圏)の台頭として見るべきだ、と氏は強調する。
そして氏は具体的な資料を提示して説く。例えば経済の台頭を意味する港湾の貨物取扱量では09年度、1位シンガポール、2位上海、3位香港、4位深圳と見事なくらいグレーターチャイナの都市が並んでいる。そして5位には釜山がきている。
寺島氏はこの5位の釜山に注目すべきだと言う。それは釜山がトランシップの役割を果たしていることだという。トランシップとはアメリカから太平洋を渡ってきた船舶が釜山港でいったん荷を降ろし、そこからグレーターチャイナの各国へ荷分けされて積み出されているという。しかも太平洋を渡る船舶は苫小牧沖を通り、青函海峡を通り抜けているという。ここに北海道は着目すべきだというのである。
寺島氏はこうしたトランシップの役割を釜山だけに名を成さしめるのではなく、苫小牧や函館など北海道の港もトランシップ港として名乗りを上げよということなのだ。

※ 寺島氏が参加者に配布した氏作成の資料集です。
そして寺島氏はさらに北海道の可能性について、やはり「観光と食(農業)」を挙げる。
観光に関しては、北海道が持つ素材をさらに魅力的なものとして、「行ってみたい、住んでみたい」と思うような幻想(イリュージョン)を抱かせることだと言う。
また、観光と食(農業)をどう結びつけるか。
さらには、システムとしての農業をいかに構築するか。(闘う力のある農業)
いずれにしても、挑戦者的姿勢で、先見性をもって、積極的に実験を仕掛けるようなフロンティアスピリットでグレーターチャイナと向き合うべきだ、と説いた。

※ 寺島氏の講演の後、関係者によるパネルディスカッションの様子です。
寺島氏の論は直接聞いても(私は今回で3度目)、テレビを通して聞いても、ある種の説得力をもって私の耳に届く。
問題はこうした論を参考にして、いかに積極的に具体化し、実践に移していくかということではないか。
「待ったなし」の状況にある今、チャレンジャー精神を発揮して積極的に打って出る人材が北海道から多数輩出されることが望まれるのだが…。