田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

宮浦教授 鈴木カップリングを語る

2011-06-02 21:44:44 | 講演・講義・フォーラム等
 ノーベル化学賞を受賞した鈴木章北大名誉教授と長い間師弟の関係で研究を共にされた宮浦憲夫特任教授は言う。「深は新なり」と…。

        
        ※ 講演をする宮浦北大特任教授です。

 高校野球の観戦レポが続いていたが、今日は観戦できなかったので少し以前に受講した講演会についてレポートすることにする。

 5月28日(土)北大理学部講堂において「鈴木カップリングのストックホルム随行記」と題して宮浦特任教授の講演と「鈴木カップリング」化学反応のモデル実験があった。
 宮浦教授は、鈴木教授との出会い、鈴木教授との研究生活、鈴木教授から学んだこと、等々について幅広く語った。

 その中で鈴木教授から学んだこととして「とことん追求する姿勢に多くを学んだ。長く続けることで大きな仕事を成し遂げることができる」と語り、「深は新なり」という言葉に深く共感すると語った。「物事を深くつきつめていくと、新しい真実が見えてくる」と…。

 また、このことは鈴木名誉教授の講演でも聞いた言葉であるが、自分が面白いと思う仕事を究めることがいい仕事に繋がるとも強調されていた。
 会場には多くの化学に興味をもつ高校生も詰めかけていたので、「鈴木カップリング」の原理についての説明にも多くの時間が割かれたが、化学音痴の私には少々難解だった。

        
        ※ 「鈴木カップリング」のモデル実験をする学生です。

 講演の後、「鈴木カップリング」の化学反応のモデル実験が行われたが、宮浦教授が「アッという間に終わりますから、よく見ていてくださいよ」と言われたとおり、二つの分子が溶けている溶液の中に触媒を加えると、分子同士がつながり溶けない溶液となってたちまち固化されるところを見せていただいた。

        
        ※ 触媒によって分子が結合され固化した溶液です。

 このカップリングを発見するまでに何千回、何万回という実験が繰り返されたと想像される。
 宮浦教授はそのことに触れなかったが、「鈴木カップリング」は一部では「鈴木・宮浦カップリング」とも称されている。宮浦教授が深く関わっていたことの表れだろう。
 しかし、そのことに講演では少しも触れなかったところに宮浦教授の人間性を見た思いがした。


《余話》
 春の高校野球の今日の結果には少々の驚きがある。
 札幌勢が2試合とも破れたということだ。
 特に北海高校がもろくも敗れたということは、私の昨日の分析が甘かったということだろうか…。直接観戦していないので何とも言えない。
 これで札幌勢が全て姿を消してしまった。
 準決勝は、函大有斗 対 北海道栄、 旭川南 対 帯広白樺 となった。
 興味ある対戦である。土曜日また円山に駆けつけたいと思っている。