春季北海道高校野球は本日第三日目を終え、大会参加の全15チームがグランドに姿を現したことになる。私はそのうち、帯広白樺と鵡川の両チームを見ることができなかったが、これまでの戦いを振り返ってみることにする。
※ 今大会の開会式に勢ぞろいした各地区代表の15チームです。
結局、本日の第三試合は北海道栄が札幌南を2対1で下して準決勝に駒を進めたとウェブ上で知った。
これで「函大有斗」と「北海道栄」が準決勝に進出し、残り2チームは明日の試合で決まることになる。明日、私は所用のために観戦できないのだが、ここまで三日間の戦いぶりを振り返って、印象に残ったことを記しておきたい。
まず出場チームを夏の大会に属する北と南に分けてみたところ面白いことが分かった。
南北海道地区(北海、学園札幌、札幌南、東海四、立命館慶詳、北照、北海道栄、鵡川、函大有斗)は9チーム
北北海道地区(駒大岩見沢、旭川南、稚内大谷、帯広白樺、武修館、女満別)は6チームである。
学校数割にするとこのように南地区が多くなってしまうということだろう。(北海は選抜枠という選抜大会出場校の特典として出場している)
さて、ここまで振り返ってやはり「北海」が攻守ともに安定している感じを受けた。
特にエース玉熊は完成した投手として大崩れしそうにないところが素晴らしい。
ただ札幌支部大会からその傾向があったが勝ち味が遅いのが気になる。今日の戦いも7回を終わってわずか1点のリードだった。バックがいかに早く得点して玉熊投手が楽に投げられる状況を作るかがポイントとなりそうだ。
北海以外ではやはり「函大有斗」と「北海道栄」が投打ともに力を持っている印象を受けた。
「函大有斗」のエース堤口は昨年夏2年生エースとして、優勝した「北照」を苦しめた実績があるが、一段と成長し安定感を増したように感じられた。
また「函大有斗」は4番野村が打者としては断トツの力強さを見せた。一回戦ではホームランと2塁打2本、今日の試合でも2安打と抜群の確立と長打力を誇る。その他の打線も力強い。
「北海道栄」も投打のバランスがいい。エース若林の印象はあまりないのだが、一・二回戦とも無失点で切り抜けた。室蘭支部予選であの駒大苫小牧を完封しているのだからかなり力のある投手らしい。
今日先発した三澤も3回までに6個の三振を奪いスライダーのキレは抜群とみた。他の選手もよく鍛えられている印象を受けた。
敗れはしたが「学園札幌」も基本のしっかりしたチームだった。「札幌南」はエース大間のワンマンチームの印象があり、南大会を勝ち抜くのはやや困難か?
意外だったのが昨年甲子園に出場した「北照」だ。今の実力では小樽地区を勝ち抜くのが精いっぱいか?
また、東海四高、立命館慶詳は好チームだがバランスに欠ける面があり、夏の大会を制するには力不足ではないかと感じた。
大会のここまでで私が最も衝撃を受けたのは、「女満別」の野球であり、二階堂投手だった。
女満別高校という生徒数わずか130数名の学校が全道大会に駒を進めたのはフロックだったのではないのか、という思いが私には拭えなかった。ところが、それがフロックでも何でもなく、しっかりとした野球を身に付けた上での全道大会出場だったことを思い知られた。
チームの中に鈴木監督の野球に対する考え方が浸透していることを随所に感じさせてくれた。
その一つがベンチからのサインを徹底させるため、選手は監督からのサインを受け取る時腕を高く挙げてベンチを見るのである。つまり選手がベンチを見ていることを確認したうえでサインを出すということが徹底されているらしい。
また、バントの仕方についても女満別独特の方法を取っていた。それはワンストライク目のバントはどの選手もセフテイーバントを試みていたことだ。ただ犠牲的なバントをするのではなく、自らも生きようとするバントを全選手が試みていた。結果は全てが失敗だったが、ワンストライクを取られると次はしっかり構えて犠牲的にバントに変えていた。
もう一つ私が気付いた他のチームとの違いは、守備の際に内野ゴロを打たれたときに捕手みならず、投手までもが一塁カバーに走っていたことだ。つまり投手は投げた後は野手であるということを徹底させているようだ。
またバッティングもユニークだった。とにかく1番から9番まで全選手が強振するのである。このことが今大会では相手投手の術中にはまっていた感があり、賛否両論あるだろうが、これも積極的な攻撃野球をしようという鈴木監督の考えなのだろう。
最も衝撃を受けたのが「二階堂投手」である。私のひいき目も多少あるかもしれないが、私は大会ナンバーワン投手だと見た。抜群のキレとスピードである。あの旭川南の各打者が振り遅れているのだ。彼自身何度も三振を取りに行くピッチングをしていたと思う。
それなのになぜ旭川南に4点も献上したのか?
それは彼の投球術がまだ未熟ということになりそうだ。確かに不運なヒットが続いてしまったこともあったが、不用意にストライクを取りに行って痛打される場面も目立った。現在2年生で大会ナンバーワンともいえる素晴らしいボールを持っている二階堂投手である。ぜひ投球術を磨いて勝てる投手になってほしいと思う。
「女満別」は北北海道大会に旋風を起こすだけでなく、今年か来年に「あるいは」という夢を抱かせてくれるチームである。
そうすると、あの小さな町から甲子園を沸かせた「池田高校」の再現になるのだが…。
そういえば、振り回すバッティングは鈴木監督もどこかで池田高校を意識しているのかもしれない…、なんて考えてしまう。
私は今大会はあと一日だけ、準決勝を観戦する予定にしている。
※ 今大会の開会式に勢ぞろいした各地区代表の15チームです。
結局、本日の第三試合は北海道栄が札幌南を2対1で下して準決勝に駒を進めたとウェブ上で知った。
これで「函大有斗」と「北海道栄」が準決勝に進出し、残り2チームは明日の試合で決まることになる。明日、私は所用のために観戦できないのだが、ここまで三日間の戦いぶりを振り返って、印象に残ったことを記しておきたい。
まず出場チームを夏の大会に属する北と南に分けてみたところ面白いことが分かった。
南北海道地区(北海、学園札幌、札幌南、東海四、立命館慶詳、北照、北海道栄、鵡川、函大有斗)は9チーム
北北海道地区(駒大岩見沢、旭川南、稚内大谷、帯広白樺、武修館、女満別)は6チームである。
学校数割にするとこのように南地区が多くなってしまうということだろう。(北海は選抜枠という選抜大会出場校の特典として出場している)
さて、ここまで振り返ってやはり「北海」が攻守ともに安定している感じを受けた。
特にエース玉熊は完成した投手として大崩れしそうにないところが素晴らしい。
ただ札幌支部大会からその傾向があったが勝ち味が遅いのが気になる。今日の戦いも7回を終わってわずか1点のリードだった。バックがいかに早く得点して玉熊投手が楽に投げられる状況を作るかがポイントとなりそうだ。
北海以外ではやはり「函大有斗」と「北海道栄」が投打ともに力を持っている印象を受けた。
「函大有斗」のエース堤口は昨年夏2年生エースとして、優勝した「北照」を苦しめた実績があるが、一段と成長し安定感を増したように感じられた。
また「函大有斗」は4番野村が打者としては断トツの力強さを見せた。一回戦ではホームランと2塁打2本、今日の試合でも2安打と抜群の確立と長打力を誇る。その他の打線も力強い。
「北海道栄」も投打のバランスがいい。エース若林の印象はあまりないのだが、一・二回戦とも無失点で切り抜けた。室蘭支部予選であの駒大苫小牧を完封しているのだからかなり力のある投手らしい。
今日先発した三澤も3回までに6個の三振を奪いスライダーのキレは抜群とみた。他の選手もよく鍛えられている印象を受けた。
敗れはしたが「学園札幌」も基本のしっかりしたチームだった。「札幌南」はエース大間のワンマンチームの印象があり、南大会を勝ち抜くのはやや困難か?
意外だったのが昨年甲子園に出場した「北照」だ。今の実力では小樽地区を勝ち抜くのが精いっぱいか?
また、東海四高、立命館慶詳は好チームだがバランスに欠ける面があり、夏の大会を制するには力不足ではないかと感じた。
大会のここまでで私が最も衝撃を受けたのは、「女満別」の野球であり、二階堂投手だった。
女満別高校という生徒数わずか130数名の学校が全道大会に駒を進めたのはフロックだったのではないのか、という思いが私には拭えなかった。ところが、それがフロックでも何でもなく、しっかりとした野球を身に付けた上での全道大会出場だったことを思い知られた。
チームの中に鈴木監督の野球に対する考え方が浸透していることを随所に感じさせてくれた。
その一つがベンチからのサインを徹底させるため、選手は監督からのサインを受け取る時腕を高く挙げてベンチを見るのである。つまり選手がベンチを見ていることを確認したうえでサインを出すということが徹底されているらしい。
また、バントの仕方についても女満別独特の方法を取っていた。それはワンストライク目のバントはどの選手もセフテイーバントを試みていたことだ。ただ犠牲的なバントをするのではなく、自らも生きようとするバントを全選手が試みていた。結果は全てが失敗だったが、ワンストライクを取られると次はしっかり構えて犠牲的にバントに変えていた。
もう一つ私が気付いた他のチームとの違いは、守備の際に内野ゴロを打たれたときに捕手みならず、投手までもが一塁カバーに走っていたことだ。つまり投手は投げた後は野手であるということを徹底させているようだ。
またバッティングもユニークだった。とにかく1番から9番まで全選手が強振するのである。このことが今大会では相手投手の術中にはまっていた感があり、賛否両論あるだろうが、これも積極的な攻撃野球をしようという鈴木監督の考えなのだろう。
最も衝撃を受けたのが「二階堂投手」である。私のひいき目も多少あるかもしれないが、私は大会ナンバーワン投手だと見た。抜群のキレとスピードである。あの旭川南の各打者が振り遅れているのだ。彼自身何度も三振を取りに行くピッチングをしていたと思う。
それなのになぜ旭川南に4点も献上したのか?
それは彼の投球術がまだ未熟ということになりそうだ。確かに不運なヒットが続いてしまったこともあったが、不用意にストライクを取りに行って痛打される場面も目立った。現在2年生で大会ナンバーワンともいえる素晴らしいボールを持っている二階堂投手である。ぜひ投球術を磨いて勝てる投手になってほしいと思う。
「女満別」は北北海道大会に旋風を起こすだけでなく、今年か来年に「あるいは」という夢を抱かせてくれるチームである。
そうすると、あの小さな町から甲子園を沸かせた「池田高校」の再現になるのだが…。
そういえば、振り回すバッティングは鈴木監督もどこかで池田高校を意識しているのかもしれない…、なんて考えてしまう。
私は今大会はあと一日だけ、準決勝を観戦する予定にしている。