田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

春季高校野球を振り返る

2011-06-06 18:05:26 | スポーツ & スポーツ観戦
 春季高校野球は函大有斗高校の優勝で幕を閉じた。戦力的に見ると順当な結果のようにも思える。今季大会を振り返りながら、夏の大会を私なりに展望してみたい。

 新聞報道を見ると優勝した函大有斗の片口監督は選手たちが胴上げしようとしたが「これがゴールではないので…」と断ったという。
 この一言は高校野球関係者の誰もが抱く思いだろう。
 甲子園出場を懸けた夏の大会こそがチームにとって一年間の集大成の場なのだから…。

 さて、その函大有斗であるが私は冒頭戦力的に見て順当な結果と表現した。大会を通じて各チームと比較したところ、やはり最も投打のバランスがとれていたチームということがいえる。
 まずエースの堤口である。昨年から函大有斗のエースとして全道大会などでも投げておりその頃から注目される投手であったが、一段と成長した姿を見せてくれ安定した投球を見せていた。対北照戦あたりはまだその力を十分に発揮したといえる内容ではなかったが、準決勝の対北栄戦などは抜群のスピードと制球力だった。
 次に打線であるが、試合の前半で勝負を決めてしまうしたたかさが目立った。今大会四試合において、先制されたのは対北照戦の2回の1点だけである。その北照戦も4回に大量5点を入れて試合を決めている。その他の試合も5回までにはおおよそ試合の流れを自チームに呼び込んでいるところが目立った点だった。
 このしたたかさは隙あらば次の塁を狙うという積極的な走塁が効を奏していた感がある。

        
        ※ 高校野球は生徒の応援風景も楽しい。写真は唯一チェア
         ガールの応援があった立命館慶詳高校の応援風景です。

 今大会の意外だった点の一つは札幌勢の不振である。
 最もレベルが高いと思っていた札幌地区代表校が1チームもベストフォーに残らなかった。一回戦で札幌勢同士がぶつかる試合が二つも組まれたという組み合わせのいたずらもあったが、それにしても5チームが全て姿を消してしまうとは…。
 手持ちの資料で調べると平成13年度以来ということだから、10年ぶりの珍事ということになる。
 私から見ると、けっして札幌地区のレベルが低いとは思っていない。これこそノックアウト方式の高校野球の怖さだと思う。たとえ力があったとしても、その試合でチームの力が全て発揮できるとは限らないのが高校野球の怖さであり、見ている側から言わせば面白さである。
 
 さて春の高校野球も終わり、6月も半ばを過ぎると各地区で夏の予選が始まる。(札幌地区は6月25日からと聞いている)それこそ高校球児にとっては最後の夏である。 
 夏は北海道大会が北と南に分かれるため、地区予選から北海道大会に勝ちあがるチーム数が増えてくる。したがって、春の大会に出場した学校はかなりの確率で再び北海道大会に顔を見せてくるだろう。

        
        ※ 大会注目投手の一人だった北海の玉熊投手のフォームです。
 
 そのような中で南大会を私なりに占ってみると…。
 やはり本命として北海高校を外すわけにはいかないだろう。
 選抜高校野球で2勝したということは完全に全国レベルの実力をもっているということである。その2勝はエース玉熊の力に依ったところが大きいのだが、その玉熊が今大会の北海道栄戦では崩れたという。けっして本格派ではない玉熊が調子を狂わせてしまうと意外にもろく崩れてしまう場合もあるうる。

 北海高校の対抗としてはやはり函大有斗高校だろう。
 函大有斗の力については前述したとおりである。もし、北海と戦うことになったら甲乙つけ難い試合になるであろう。(双方が万全の場合)

 その他の学校で有力視されるとしたら、北海道栄、札幌南あたりが続くだろうか?
 それ以上に私が密かに可能性を感じているのが北海学園札幌高校である。春の大会は札幌南に惜敗したが、エース尾山は球速140kmを超える速球をもち魅力十分である。その上伝統の堅実な野球は健在で、ノックアウト方式の高校野球を勝ち抜く必要条件を備えたチームということができる。
 もう一つの注目チームは実際には見てもいないチームだが、駒大苫小牧は夏の大会にはぜひとも円山に姿を見せてほしいと思っている。全国制覇を果たしたDNAは必ずや後輩たちに受け継がれているはずだから…。その力を見せてほしい。

 
 以上、雑駁な私の占いであるが、文中何度も言っているとおり高校野球は後のないノックアウト方式の試合形式である。
 力があるとみられるチームが力を発揮できないまま終わってしまう場合もある。予想にも挙がらなかったチームがあれよあれよと言う間に勝ち進むケースもある。
 そこが高校野球の怖さ、そこが高校野球の面白さである。
 今年夏の高校野球はどんなドラマを円山球場に描いてくれるだろうか?
 いまから夏の到来が待ち遠しい。