田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

日本経済再生の処方箋は?

2011-06-20 18:35:14 | 講演・講義・フォーラム等
 近畿大学公開講座が開催され、その演題が「復興から日本経済の再生へ」というものだったので、日本経済再生の処方箋を聞けると期待して足を運んだのだが…。

 6月18日(土)、札幌ファクトリーホールにおいて近畿大学公開講座が開催され参加してきた。
 開催の趣旨は大学のPRと受験生の勧誘にあったようだ。
 そのためもあってか、近畿大学が最も世の中にアピールしたことの一つである世界初のクロマグロの完全養殖に成功したことをPRするイベントで迎えられた。
 会場入り口ではそのクロマグロの試食会が開かれていた。

        

        

 試食させてもらったクロマグロは養殖特有の脂分がやや多く、軟らかく感じたが、私にはバチマグロなどよりは美味しく思えた。今では「近大マグロ」として市場にも出荷されていると聞く。

        

 マグロのことはさておいて、講演の方だが近畿大学世界経済研究所長の本間正明教授が「復興から日本経済の再生へ」と題して話された。
 私は講演題から日本経済再生の処方箋が話されるものと思って期待していた。
 ところが氏の口から発せられる言葉は、失われた20年からの出口が見え始めたところで起こった東日本大震災によって日本経済は非常に厳しい局面に立たされているという趣旨に終始したものだった。
 例えば氏が項目的に述べたことを羅列しても、
 「3月の生産指数は過去最大の落ち込み」
 「消費支出も過去最大の下落」
 「円高進行で株価も低調に推移」
といった具合だ。
 また、国債の格付けは下落し続け、国際競争力は地盤低下が著しいという。
 その上、少子高齢化の進展によって社会保障給付の伸びが顕著となり、負担がますます増加するという。

        

 各種の資料を数多く提示し、言われている内容から日本経済の厳しい現状を理解することができたが、こうしたことは他のところでも今まで何度も聞いてきたことだった。
 問題はそうした現状からの脱却をいかに図るのか、経済学者としてどのような処方箋を描くのかということを私は期待していた。
 しかし、氏は最後までそのことには触れることがなかった。最後になってかつてどこかの首相が「強い経済、強い財政、強い社会保障」と空虚な言葉を唱えていたが、その空虚な言葉を紹介するにとどまったのは何とも期待外れの講演会と言わざるを得ないものだった。