田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

C.W.ニコルと森を考える

2011-11-20 22:20:57 | 講演・講義・フォーラム等
 ナチュラリストとして日本人の間でもすっかりお馴染みとなったC.W.ニコル氏の話を聴く機会がありました。氏はすでに70歳を超えているが、現在も精力的に活動を続けられ、私たちに森の大切さを説かれました。

          
 
 11月18日(金)道新ホールにおいて、国際森林年記念講演会が開かれ、講師として招かれたC.W.ニコル氏が「心に木を植える」と題されてお話されました。
 氏は北極探検など世界を巡る中、空手を学ぶために来日して日本の森と出会い、日本の森(自然)の美しさに魅了されてしまったと言います。
 日本に豊かな森が残ったのは、ヨーロッパのように大量の家畜を飼育しなかったこと、あるいは自然を敬う神道のせいではないか、と氏は述べました。

 しかし、その豊かな森も経済至上主義の中で伐採されてしまったり、外国産の安価な木材の輸入によって森が放置されてしまったりしたことから、日本の森がどんどん荒廃していると氏は言います。

 そのため、氏の住む黒姫高原で放置林を買い取り、森林再生のための実践をしているとして、その実践を映像と共に紹介してくれました。その映像で見る事前と事後の森ではまるで別の森をみるほど森は蘇っていました。その森には多様な生物が生き、そこに子どもたちを招き、自然と触れ合う活動を展開しています。
 氏はその森を「アファンの森」と名付けています。アファンとは、氏の故郷であるウェールズの炭鉱が廃校になり荒廃した山を、市民の力で再生させ緑が蘇ったことにちなんで名付けられたようです。

          

 氏は自らの実践を通して、私たち聴衆にも呼びかけます。「美しい日本の森を再生しましょう!」と・・・。
 氏は講演を通して、いくつか印象深い言葉を私たちに伝えてくれました。
 「ブナの原生林を流れる水が笑っている」
 「森づくりは、人づくりである」
 「森が回復したら、日本人は回復する」
 「自然と遊ばなくなった日本の子どもは絶滅危惧種である」
 「人間の遺伝子の半分は森からできた」 などなど…。

 日本の森を護る。日本の森を再生する。そうした動きが時々報じられるけれど、それはまだまだ大きな動きとはなっていないようです。
 森が産み出す自然治癒力、森がもたらす癒しの力、森が育む生物多様性、etc. etc.…。
 私たちは森の持つ力を再認識し、その再生について一人ひとりがもっと積極的にならなければならないのかもしれない。
 最後にニコル氏は「森と川と海の良い日本を創ろうよ!」と締め括られた。