スローな旅、贅沢な旅
今回の旅を終えるにあたって、旅の最後の投稿で私は「考えてみると今回の旅はずいぶんと贅沢な旅だったのかなぁ、との思いが私を支配します。」と述べました。現代の旅において“歩く”という移動手段での旅は最もスローモーで、最も贅沢な旅だったのかもしれません。
私の中では今年の中で最も大きなイベントの一つでしたから、いつまでも旅の余韻に浸っていたい気持ちもありますが、この辺りで一区切りつけようかと思います。
※ 木曽川に架かる名所「木曽の桟(かけはし)」です。上松宿の近くに架かっていましたが、このあたりの木曽川の流れは穏やかです。
先日も登場した私のブログにしばしばコメントを寄せてくれている出ちゃっ太氏が「宿泊を繰り返しながら歩いて旅することは旅の原点」という趣旨のコメントを寄せてくれました。
私が今回のような旅を思い立ったのは、どこかで述べたかもしれませんが、趣味である山登りやウォーキングの延長として自分自身のイベントを創りたいという思いであり、旅するなら今しかできない旅をとの思いからでした。ですから木曽路はたまたまであり、それほど深いわけがあったわけではありません。
※ 各旧宿場町の集落の入り口にはこうした雰囲気のある表示がありました。
実際に歩いた距離は述べ五日間で100キロ足らずの僅かな移動距離でした。バスや車を利用すれば2時間足らずで移動できる距離です。
しかし、自分の足で移動することによってバスや車で移動したのでは見えないもの、味わえないことをたくさん経験できたと思っています。
感受性の鋭い人であれば私などよりもっともっと多くのことを感じ、豊かに表現することが出来たと思います。それでも、私は私なりに多くのことを体験し、感ずることができた濃密な五日間だったと振り返っています。
※ 紅葉の名所ということでしたが、北海道の紅葉と比べてどうでしょう?
現代ではさまざまな移動手段がある中で、最もスローモーな“歩く”という移動手段は他に移動手段のなかった江戸時代以前の移動方法です。それは出ちゃっ太氏がいうように旅の原点なのかもしれません。
旅の原点のようなスローモーな旅だから見えてきたもの、感ずることができたものも数多くあったような気がしています。そしてそれは何事もがスピーディに展開する現代においてはとても贅沢な時間だったのだと振り返っています。
※ 二つの峠道にはこうした熊除けの鐘があり、旅人はそれを鳴らして峠道に入りました。
旅から帰ってきたばかりで、次の旅を云々するのはまだ早いですが、私が今回のような旅ばかりを志向するか、といえば必ずしもそうとは言い切れません。俗っぽい私ですから、ごくごく普通の観光旅行にも憧れます。
はたして次の旅はどのような旅になるのかなぁ、と私自身が楽しみです。
※ 木曽路の味の名物というと、信州蕎麦と五平餅があげられます。信州蕎麦美味しかったです!五平餅香ばしくて小腹を満たしてくれました。
日常を脱して、非日常を楽しむ“旅”っていいですね~。
明日からはまたホームタウン札幌でのあれこれを綴っていきたいと思っています。