旅のスタイル
※ クイーンズタウンで宿泊したホテルの私の部屋から見えたワカティプ湖です。
ニュージーランドの景勝地クイーンズタウンを訪れたときのことである。
私がまずやるべきことは、明後日ダニーデンに帰るバスが朝7時45分に発つ便を予約したのだが、そのバスの発車位置を確かめることである。そのバスに乗り遅れてしまっては、その後の対応が面倒になる。
予約チケットに発車位置のアドレスが記されているのだが手持ちのマップではいまひとつ確かでない。
公園で寛いでいた女性に訊いた。彼女たちも旅行者のようだったが親切に教えてくれた。しかし、彼女たちが教えてくれたところにそれらしいところはなかった。
続いてビジネスマン風の若者に訊いた。彼もあまり地元に詳しい人ではないらしく、スマートフォンのグーグルマップを検索し教えてくれた。しかし、それでもはっきりしなかった。
困り果てていたところ「i-SITE」(アイサイト)という観光案内所の看板が私の目に入った。そこへ入って訊いたところ、直ぐ近くだといってマップを渡された。
そこはそれまでに何度も行き来したところだった。私は長距離バスの発着所ということからオフィスか何かの建物があるものと思い込んでいたが、そこは単なる雨除けが備わっただけの停留所だったのだ…。(しかし、ともかく一つの問題が解決して安堵した)
そしてようやくクイーンズタウンの観光に出向いたのだった。
※ 私をクイーンズタウンからダニーデンまで誘ってくれたIntre Cityのバスです。
私の今回の旅は、このようにまずはその日の宿泊するところ、次の移動手段を確保すことを最優先してやらねばならなかった。それも拙い英会話を操って…。
こんな綱渡り的な旅を、若者ならいざ知らず60歳を超えた男がすべきとは私自身が思わないのだが、今回私は敢えてそうした旅を選択した。
「何故?」と考えたとき、私の中に眠っていた若き日の旅の記憶が目を覚まし、私を突き動かしたのだと思っている。
これまでも何度か触れたが、私は1967年から1968年にかけて、なけなしの金を手にヨーロッパ、中近東、アジアの国々を1年間かけて彷徨した体験があった。そのような体験をもう一度してみたい、という願望が私の中にあったようなのだ。
今回の旅が以前と同質か?と問われれば、以前とは似て非なるもの(全ての交通手段、宿泊先を予約した上での旅だったという点において)ではあったけれど、危険やアクシデントに見舞われることを顧みずに敢行し、やり遂げられたことに一種の満足を感じている。
したがって、私の旅のスタイルを中高年の皆さまに推奨しようとはけっして思っていない。
そんな私の旅の顛末をこれからしばらく綴りたいと思っています。