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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道コンビニ界の雄 丸谷氏の話を聴く

2013-02-24 20:20:19 | 講演・講義・フォーラム等
セイコーマート社長の丸谷智保氏は言う。出店はあくまで北海道を中心に、PBの素材も北海道産に、とあくまで地域にこだわった企業展開を図りたいと…。 

 2月13日(水)札幌プリンスホテル国際館パミールにおいて「地域経済の潜在力発掘プロジェクト・メインフォーラム in 札幌」という長い名前のフォーラムが開催された。そのフォーラムにおいて株式会社セイコーマート社長の丸谷智保氏が「北海道の潜在力と課題」~北海道の地域資源を最大限に活かす経営とは~と題して話された基調講演を聴く機会を得た。

          

 日本のコンビニ界においてセイコーマートの出店数は全国4位だそうであるが、こと北海道に限ると第1位の1,051店の出店数で(全国的には1,157店の出店をしている)、全道179市町村のうち169市町村に出店しているということだ。
 関東近辺に100店舗あまりを出店しているが、あくまで北海道を中心に今後も出店していきたいと語っていた。

 そしてセイコーマートの特徴の一つは自社製品(PB)が多いということで、具体的な事例をたくさん挙げて説明された。
 そのために、グループ会社31社を保有し、北海道の農畜産・魚介物を素材として積極的に自社ブランド製品を開発とし、全セイコーマート店で取り扱う年間総取扱数9億個のうち4億個が自社製品を販売しているということだった。

 ここで断っておかねばならないことは、セイコーマートを現在のような姿にしたのは必ずしも丸谷智保氏ではないということだ。というのも丸谷氏の来歴を見ると、丸谷氏は銀行勤務などを経て、セイコーマートに入社したのは平成19年3月で、社長に就任したのは平成21年3月だということである。
 この来歴からいうと、セイコーマートには創業の祖、中興の祖が基礎を築き、それを丸谷氏が受け継ぎ、さらなる発展を期しているといった感じである。

               

 ソフトな人当りと、ユーモアを兼ね備えた丸谷氏は人心掌握にも長けている人物と見たがどうなのだろうか?
 その丸谷氏が言う。
 北海道は農産物・水産物・酪農製品・水、そして自然など全国に誇ることができる素材がたくさんあると…。その素材を生かした自社製品のブランド化を図ることを目標の一つにしたいと言う。店舗数で勝負するのではなく、プランド化した商品を売り込んでいくこともセイコーマートの戦略の一つとしたいと…。

 また、セイコーマートは顧客満足度調査で2年連続第1位を獲得したという。そのことはセイコーマート各店の顧客の来店頻度を上げることをねらいとしている成果だという。
 北海道はまだまだポテンシャルを秘めた大地であり、セイコーマートはこれからも北海道にこだわった企業経営を志向したいと締め括った。

 ところで、丸谷氏が講演の冒頭に「北海道は流通業が元気だが、製造業は少し元気がない」と述べたが、なるほどと思う。ニトリ、アインファーマシーズ、ホーマック、アークスなどなど…、北海道発の全国的な流通業が次々と誕生している。
 なぜ製造業がそうならないのだろう? 良質な素材が身近にあるアドバンテージを生かした元気のある製造業の誕生を期待したいのだが、そうは簡単にはいかないのだろうか?