二つの危機
※ ダニーデン市内のオープンカフェである。あちらは今が夏。ダニーデンばかりでなく、いたるところでオープンカフェが花盛りだった。
「えっ? 離陸時間が近づいているのにいっこうに搭乗が始まらないぞ!?」、「えっ?成田行きより、関空便の方が離陸は早いはずなのに、次期搭乗予定の表示は“成田”になっているぞ!?」
私は帰りのゴールドコーストでのトランジットで焦りに焦った。
焦った私は搭乗口のところにいた職員に問うた「搭乗はいつ開始するのか?」と…。すると「半時間ほど後だ」という部分だけ聞き取れた。そして別に悪びれた様子も見てとれない。でもどうしてだ??
じっとしていられなかった私は、椅子に座って搭乗を待っている様子の日本人らしき若者に尋ねた。
「日本の方ですか?」、「そうです」
「どちらまで行かれますか?」、「成田です」(成田は関空便の30分後に離陸予定だから、まだのりびんしていられたようだ)
「関空の搭乗が始まらないんですよねぇ…」、すると彼が立ち上がって、8番の搭乗口のところへ行って確かめてくれた。すると、そこに9番搭乗口から8番搭乗口に変更になった関空便の表示が出ていた。
「ありがとう!」と彼にお礼をしたものの、時計を見るとすでに離陸時間が過ぎていた??
周りを見ると、客たちに焦った様子はなく搭乗を待っている様子である。
※ 私が焦りに焦ったゴールドコースト空港内の国際線待合室である。
ここで私はようやく気付いたのだ!!
「そうか!オーストラリアも“夏時間”を採用しているのだ!」と…。
私は確かにスマートフォンのアプリを使い、時計をオーストラリア時間に直してあったのだが、どうやらニュージーランド同様“夏時間”を採用しているらしいことに気付いたのだった。すると標準時間より1時間遅れて時計は進んでいるのだ。ふ~~っ、これで一安心。(待合室に時計がなかったのも私を焦らせた一因である)
それにしても最後の最後に「やっちゃった かあ~」と心の中では大きな悲鳴を上げていた。夏時間などに慣れていないが故の悲喜劇でした。
そしてもう一つの危機は、すでにお伝えしているように関空出発時の搭乗手続きの際に、当初は関空-ゴールドコースト間のチケットしか渡されず、私がそのことに対して疑問を抱かなければ、おそらくそれ以降に相当なトラブルになっていたであろうと思われた一件である。
今回、私は一人旅の上に、旅そのものに不安を抱えながらだったので、時間的にはいつも十分な余裕をもって行動していた。そのことが、一度搭乗手続きを終えた後でも疑問が生じた際に、その疑問を解く時間があったことが幸いしたと思っている。
※ ダニーデン駅とその前の庭園。ダニーデンにはこうしたスコットランド風の建物がいたるところに見られます。
自宅のパソコンから各種手続きをし、そこでプリントアウトしたバウチャー(予約書)を搭乗窓口やホテルのフロントに提示するときはいつも緊張した。
「バウチャーが有効ではない」と宣せられたら万事休すなのだから…。幸い、今回はそうしたことは一度もなく旅を終えることができたのは幸いである。
私のようなアナログ人間にとっては、いまさらながらこうしたコンピューター社会の凄さと便利さを実感するのである。一方では便利さゆえの危うさも併存しているのだろうが…。