田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

コミュニティーデザインとは?

2013-11-06 22:20:54 | 講演・講義・フォーラム等
 コミニティデザイン…、それは「マチづくりの構想」とでも訳すことができるだろうか?コミュニティーデザインを研究する専門家から話を聞いた。 

 当別町にNPO法人「当別エコロジカルコミュニティ―(TEC)」という環境に関わる活動を展開する団体がある。
 そのTECが主催する「環境学習会 エコセミナー」(4回シリーズ)が10月30日夜、エルプラザで開催されたので参加した。
 第1回目は「コミュニティーデザインと環境教育」と題して、立命館大学准教授の山口洋典氏が講師を務めた。

               

 山口氏の話は多分にアカデミックな雰囲気に満ち、私には咀嚼できない部分も多々あった。
 山口氏の問題意識は、昭和40年代からの高度成長により、地方から都市への人口の流動化が起きた結果、都市では人間関係が希薄になり、地域社会が崩壊してしまったこと、その一方地方においては著しい人口減によって地域の文化や伝統が失われつつある現状をどう再生するか、というところにあると受け止めた。

 その問題に対して、山口氏は概略次のような処方箋を描いて見せた。
 一つは「集合体を包み込む良い雰囲気づくり」だとする。
 例えば、ある事象に対して「構造的な関心」を持つ者と、「状況的な関心」を持つ者に分かれるという。両者の溝は簡単には埋まらない。そうした時、両者の「関係」を変えようとするのではなく、「関係性」を変えることで良い雰囲気が作り出せるという。

 二つ目は「異質性に支えられた人間と環境の関係」だという。
 このことは、ある意味一つ目の処方箋とも通ずるように思われるのだが、人間社会は異質な人たちの集まりと捉え、そのことを前提として人の繋がる仕組みをつくることがコミュニティーデザインであるという。山口氏は、コミュニティーは「共同体」ではなく、「共異体」で良いではないかという。

 三つ目に「無縁社会と言われる時代の『結縁』をつくる」ことだとした。
 山口氏は大学で教える一方、大阪のお寺の住職であるという。そのお寺では既存の寺とは違って、お寺は地域の集会場として機能しているという。お寺を会場に多彩な催しを次々と行い、地域の「結縁」づくりに励んでいるということだ。

 山口氏の話は概略上記のようなことだと理解したが、コミュニティーデザインと環境教育との関わりについて言及することはなかった。
 主催者は地域の人たちに環境教育を推進しようとする団体である。したがって、地域において環境教育を推進しようとするとき、さまざまな考え方、さまざまな人たちが存在することを前提としながら、そうした人たちを包み込み「環境」をキーワードにして人々を結んでいくことが必要である、と山口氏は言おうとしたのだと私は捉えたのだが…。

 「共異体」で良いんだ、という言葉が私の中に残った。